
膿瘍とは、膿が溜まって袋状になったもので、うさぎにはよく見られる病気です。全身に発生しますが、顎や頬部に特に多く発生します。膿瘍は、うさぎの生活の質(日常生活の快適さ)を著しく低下させる重大な病気です。
原因
皮膚炎や外傷、歯根部の細菌感染が原因で、限局した部分(体のあちこちではなく、1ヶ所)に化膿を起こすことで発生します。パスツレラ菌が関与しているケースが多いと思われます。
症状
膿瘍は体の1ヶ所に発生するので、当初はうさぎ自体も自覚症状がありませんし、見た目にもわからない場合が多いです。膿瘍が大きくなってくると、(発生した部位によっては)うさぎが膿瘍に違和感を感じて体をこする動作をしたり、見た目にもコブができたように、はっきりとわかるようになります。
診断
・ 発生部位により診断
・ 触感で確認(触診)
・ 注射針で吸引したり、切開することで診断
うさぎの膿は、他の動物の膿より硬く、マーガリン状の性質があります。
治療
まず、排膿する必要がありますので、膿瘍壁を切開して膿をかき出して、抗生剤や消毒液で洗浄します。確実に処置を行うために、全身麻酔を施すことが多いです。その後、定期的な洗浄や、抗生剤の投与を続けます。顔に発生した場合は、歯が原因の可能性が高いので、歯の治療も併せて行う必要があります。
うさぎの膿瘍は再発する可能性が高く、完治が困難な場合があります。再発を繰り返すと、その都度処置が必要になり、度重なる治療や患部の拡大により、しだいに生活の質が低下していくのが一般的です。