
骨折はハムスターに頻繁におこります。原因のほとんどが飼育環境による骨折の場合が多数を占めます。その中でもカゴ(金網のケージ)で飼われているハムスターが骨折する場合が多く、水槽やプラケースで飼われているハムスターにはほとんどみられません。
骨折の原因
動きの活発なハムスター(特にジャンガリアン)は、よくかごによじ登っては落下します。その時に骨折したり、かごのすき間に後ろ足を挟んででしまい骨を折ってしまいます。また、回し車や小屋が原因の場合もあります。その他、まちがって踏んでしまったり、手から落としてしまったり人間の不注意によるものもたくさんあります。
特に、一般的なカゴはハムスターの飼育には向いていません。本来地べたに生活する動物なので、登ることはできても下りることができないため、けがを負いやすくなります。ハムスターのケージは、必ず水槽かプラスチックケースにしましょう。
症状
骨折は、後ろ足が圧倒的に多く、歩き方の異常で発見されます。後ろ足の中でも、下腿骨(膝の下)が最も多く、次に大腿骨(ももの骨)骨折が一般にみられます。活発なハムスターは骨折していても元気に走り回るので、発見が遅れることがあるので注意しましょう。
下腿骨骨折の場合は、後ろ足がブラブラするので気づきますが、そのまま歩いていると、折れた骨が皮膚から飛び出して、足を切断しなくてはならなくなるので、なるべく早目の対処が必要です。
診断
症状と触診で診断が可能ですが、骨折部位の確認と治療法の選択のためにレントゲンを撮ってくわしく調べます。
治療
治療は、骨折の場所、折れ方、骨折してからの時間などを考慮して選択されます。骨の中にピンを入れて固定する手術による方法、ギプス固定による方法、自然治癒を待つ方法があります。どの治療法も一長一短あり、どれが一番いいということは言えません。 ハムスターは何しろかじるのが得意な動物ですから、ギプスを極端にかじったりひっぱったりすることがよくあります。そんな場合は何もしないで自然治癒を待ったほうがいい場合もあります。しかし、自然治癒は骨が曲がってくっついてしまうので、ギプスがなじまないハムスターには、可能なら手術を行うべきでしょう。