
鳥類の代表的な感染症のクラミジア感染症は人畜共通感染症のひとつです。飼っているインコやオウムが「クラミジア感染症」のような様子を見せたら速やかに病院に連れていきましょう。
クラミジア感染症は人獣共通感染症
人のオウム病は元来鳥類のクラミジア感染症で、全年齢のすべての鳥種に感染し、全世界で発生がみられています。
オウム病はオウム病クラミジアを病原体とし、人に感染した場合は、持続性の微熱などの風邪のような症状や肺炎などの呼吸器症状をおこします。感染症新法では、第四類の全数届出疾患に指定されています。2001年11〜12月に島根県の松江フォーゲルパークで来園者と職員の17人が鳥からオウム病に集団感染した例は記憶に新しいところです。
輸入鳥や国内繁殖の鳥の30%以上がクラミジアを保有しているという報告があります。
人のオウム病は軽いものも含めると年間に約300〜3000例発生していると推測されています。
鳥のクラミジア感染症 症状
感染してから発病までの潜伏期間は数日〜数週以上で、症状を表さない不顕性感染や持続感染も珍しくありません。発病した時の症状は、羽毛の粗造化、体温低下、震え、昏睡、結膜炎、呼吸困難、鼻炎、衰弱、脱水、黄色〜緑色便、水様便などで、死亡することもあります。
診断
難治性の呼吸器症状から推測できますが、糞便や血液から遺伝子を検出することで確定診断しています。 新たに鳥を買い始めたら、まず検査することをおすすめします。
治療
クラミジア症の治療は困難で、感染した鳥を完治させるためには30日以上の長期間の治療が必要です。治療はテトラサイクリン系の抗生物質が有効で、その他対症療法や、蛋白質、ビタミンの強化等栄養療法が必要ですが死亡することもあります。