1.猫の臭い付け行動 その1…オシッコによるマーキング
猫の臭い付けと言われてピンとくるのがオシッコによるマーキングですね。これは誰でも知っているでしょう。テリトリー誇示のための排泄です。
2.猫の臭い付け行動 その2…肛門腺
オシッコの他に、猫の臭い付け行動のもう一つの代表は肛門腺です。肛門腺は肛門の下にある2つの袋で、管が肛門の外から見えるか見えないか、というくらいの位置に開口しています。排便時、この穴から肛門腺の内容液を数滴分泌して臭いをつけています。かなり強烈な臭いを発する分泌液です。
<なぜ肛門腺の臭いを付けるの?>
縄張りを誇示するためのみだけではなく、ひどく怯えたり驚いたりすると大量の肛門腺を1度に放出することがあります。危険を仲間に知らせる効果もあるのかもしれませんね。臭い付けというと「縄張りを示すための行動」と思われがちですが、もっと複雑な意味合いがあるようです。
猫の前に何か物を突き出すと必ず臭いを嗅いできます。地面でも床でもとにかく臭いをあちこち嗅ぎ廻っていますね。これは縄張りのチェックだけではないようです。臭いというのは猫にとっての伝言板みたいなもので、その場所の臭いを嗅ぐといろいろなことが書いてある案内表示と同じようなものだと思います。
3.猫の臭い付け行動 その3…フェイシャルフェロモン
猫は人に甘えたり、気に入った場所などがあったりすると顔をこすりつけてスリスリしてきますね。この行為は気に入った場所に自分の臭いをこすりつけていると考えられています。これはフェイシャルフェロモンなどと呼ばれています。
<フェイシャルフェロモンの分泌腺>
猫の顔には側頭腺、尾の近くには尾腺などと呼ばれる分泌腺があります。これは肛門腺のように大きな組織ではなく、顔の毛を剃ってみても何処にあるのかわかりません。汗のように分泌される物質で人ではこの臭いがわかりません。去勢していない雄猫で尾の背側がベタベタして脂っぽくなってくるのはこの尾腺によるものです。尻尾を立てて身体からお尻を椅子の脚などにこする行為はよく見られるものです。フェロモンを出して色気を撒いているのかもしれません。
<フェイシャルフェロモンの効果>
お気に入りの場所にこの臭いをなすりつけることによって猫自信がとてもリラックスできるようです。この臭いが付いている場所では排泄をあまりしません。科学的に構造式がわかった部分があり、人工的にこのフェロモンを合成した薬品があります。猫をリラックスさせたい場合、あらかじめこの薬をふっておくとある程度の効果が期待できます。病院でも診察台や入院ケージに振りかけたりなどして使われています。
また、猫にスプレー(尿をかけること)をされたくない場所にこの薬を塗るとその場所にはそそうをしなくなる効果もあります。
<尾腺の病気 〜スタッドテイル〜>
尾腺に分泌腺があると書きましたが、この分泌腺にバイ菌が入ってニキビのように腫れる事があります。ひどい場合は鋲を打ったようにボコボコになるので「スタッドテイル」と呼ばれます。多くは未去勢のオス猫がかかる病気で、この病気は去勢することによって予防できます。
4.猫が笑う?フレーメン反応
ある種の臭いを嗅ぐと「ニカッ」と笑う猫を見たことがありませんか?これは「フレーメン反応」と呼ばれる行動で、別に臭いを嗅いで変なことを想像して笑っているわけではありません。
猫の鼻腔にヤコブソン器官というものがあり、水中生活時代の嗅覚器の名残だろうと考えられています。ここに繋がる管が上の前歯のすぐ後ろに2ヶ所開いています。この管から臭いを取り込んでヤコブソン器官に送ろうとすると「ニカッ」という表情になるそうです。
この器官は人などの霊長類と鳥類にはありません。その役割もよくわかっていませんが、なんらかの臭いの分析をしていることは想像ができます。ヘビやトカゲでは舌をペロペロと出しますが、舌の先に付着させた臭いをこの器官に送り込んで臭いの分析をしているそうです。通常に鼻で嗅ぐのとはまた違った分析ができるのでしょう。
最後に…
私達人間にはわかりませんが、猫にとって“臭い”はかなり多くの情報をもたらしているのです。例えて言うなら落書きみたいなものの中から自分の欲しい情報を選択しているのだと思います。
「ここはオレの縄張り 1日前」「私、ここでスッゲーびっくりした」「タマです ジロウです ケンカしました」「発情中 健康なオス求む」「ここはオレの縄張り 4日前」 なんて具合に臭いで書いてあるのかもしれません。
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