第10回 シュンギクの栽培のコツ

プランターで栽培すれば秋から翌年の春まで摘み取りながら収穫できます。

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目次

シュンギクは香りのよいハーブ野菜です。鍋物はもちろん、おひたし、天ぷら、和え物など色々な料理に使えます。 病害虫に強く、無農薬でも栽培は可能です。品種は寒さに強く生育旺盛な「菊次郎」「きわめ中葉」「中葉新菊」「大葉新菊」などがオススメです。

種まき 春作:3月上旬〜5月上旬 / 秋作:8月下旬〜9月

プランターまたは育苗容器にタネをまきます。

【ポイント】
秋と春の気候を好みます。 日が長く暑い7月〜8月上旬にタネをまくと生育が悪くトウ立ちしやすいので、この時期は避けてタネまきしましょう。

シュンギクのコツ1 種まき

プランターは土の深さが14cm以上あれば大丈夫です。 土は市販の標準的なものや、再生材などで改良した古い土で十分です。

<プランターサイズと植え方>※株間20cmの場合
■ベジタブルポット 8号
(直径22.6×高さ22.4cm)
株数:4株
まき方・植え方:バラまき
■レリーフプランター650
(幅約65.3×奥行24.5×高さ18.5p)
株数:7株
まき方・植え方:1条

春作は直まきで栽培します。秋作は直まき・育苗ともによく育ちます。

プランターに条間10〜12cmで条まき、または鉢にバラまきでタネをまきます。 タネが見えない程度に薄く土をかけます。 発芽してきたら、込み合ったところから間引きし、本葉4〜5枚で株間が10cm前後になるようにします。

条まき

バラまき

<育苗>

タネまき後14日目

≪レリーフプランター650≫ほどの大きさのプランターに2条にタネをまきます。 最終的に株間3cmになるよう間引きし、本葉4枚まで育てます。

本葉4〜5枚で定植です。根を切らないように掘り起こしたら、すぐに株間10cmに定植し、灌水します。定植後3〜4日は新聞紙などで日よけをすると、株の傷みが少なくてすみます。

追肥 春作:3月下旬〜5月下旬 / 秋作:9月〜11月・2月〜4月上旬

肥料を条溝施肥します。

シュンギクのコツ2 肥料と水やり

株を大きく育て、瑞々しい葉を収穫するために、肥料を常に効かせ、十分な水を与えて育てます。


<春作の場合>
タネまき前に元肥を施し、その後は20日おきに3回追肥します

<秋作の場合>
直まき・・・タネまき前に元肥を施し、その後は20日おきに4回追肥します。さらに2月からは20日おきに3回追肥します。
育苗・・・定植後に条溝施肥で元肥を施し、追肥は20日おきに3回です。さらに2月からは20日おきに3回追肥します。  生育状況が良くない時は5日に1回、液肥を施します。

収穫 春作:5月下旬〜7月 / 秋作:10月〜4月

直まきなら、タネまき後40〜50日で収穫できます。(育苗の場合は約10日遅れです。)大きくなったものから順に収穫します。株元に葉を7〜8枚残して摘み取ると、すぐにわき芽が伸びて次々と収穫できます。

【ポイント】
株元の枯れた葉は取り除き、株を清潔に保ちます。 枯れた葉をそのままにしておくと、エチレンガスが発生し、近くの葉を枯らす原因になります。

シュンギクのコツ3 冬の管理

真冬はビニールトンネルで防寒し、生育を促進させます。 (無霜地帯の暖地ならば、トンネルは必要ありません。)

<ビニールトンネルのかけ方>

1.ホットキャップの骨組みかトンネル用の針金をプランターの底まで差し込む。

2.ビニールフィルムを被せ、裾を洗濯バサミで固定する。

(写真は1月下旬の様子)

トンネル内が蒸れるようなら、日中は片側の裾を2〜3cm上げて換気してください。気温が低い11月末のタネまきでも、ビニールトンネルをすれば、このようにちゃんと発芽し、大きく生長します。

※上岡先生の「プランター菜園のコツ」に掲載されている写真等は、上岡先生が自宅屋上で育てた野菜を撮影したものです。
※栽培スケジュールは、兵庫県明石市が基準となっていますので、皆さんのお住まいの地域に合わせて栽培時期を調整してください。

上岡先生プロフィール

上岡 誉富(うえおか たかよし)

園芸研究家。愛媛県出身、現在は兵庫県在住。農林水産省園芸試験場勤務を経て、兵庫県農業試験場淡路・宝塚分場長で退職。その後、園芸相談などを勤めながら園芸研究家として活躍。(株)タキイ種苗「園芸新知識 野菜号増刊 野菜ガイド」で執筆中。自宅でも野菜づくりを実践しており、屋上でプランター菜園を始めて15年以上。

著書

『かんたん!プランター菜園のコツのコツ〜上岡流 写真図解でわかる逸品づくり(農文協)〜』
プランターでの野菜栽培の基礎の基礎から48種の野菜の作り方までが、分かりやすく豊富な写真と図で解説。上岡先生のプランター野菜づくりのコツをもっと知りたい時はこの本を!

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