
若くして亡くなった妻を偲んで作り始めた、追悼の庭です。
妻の好きだったピンク色のバラで庭を埋め尽くして、亡き妻を偲びたいという想いから、バラを育て始めました。 我が家のメインガーデンである前庭では、白い割肌調の大理石タイルの建物外壁面を「パレット」に見立て、ピンクや赤や白の色とりどりのバラをミックスしながら、美しい「絵」を描いていきます。
我が家のメインローズでもある遅咲きのドロシー・パーキンスが、白い壁面をピンクに染めて咲く6月中旬、ちょうど妻の亡くなった頃が最も美しい時期です。
亡き妻を偲びつつも、これからの自分の人生を前向きに生きるために、Change My Life! Change My Garden! をコンセプトに美しいガーデンを創っていきたいと思っています。
フロントガーデン
我が家の前庭、フロントガーデンの全景です。中央にあるシンボルツリー、5mの株立ちのエゴノキの足元両側に、ユキヤナギを植えています。ガーデンリフォームする前から家にあったもので、かなり大きく成長し、翼を広げるように花を咲かせています。その右側が玄関アプローチ、左側のスペースが駐車場です。
エゴノキの背後にある小壁の足元には、丹波石をランダムに積んだロックガーデンがあります。隙間にはアジュガ、クリスマスローズやアルメリア、シシリンチウムなどを植えています。グランドカバー・プランツの中で一番好きな植物のひとつがアジュガ。紫色の小さな花が集まってタワーのように咲きます。高さがあるので立体感が出て、とてもイイですよ。アジュガが咲き終わると、いよいよ壁に誘引したつるバラのモーツアルトとアンリ・マルタンの季節がやってきます。
フロントガーデンには約10種類のつるバラを這わせています。ピンク色のつるバラは一季咲きのドロシー・パーキンス。庭作りを始めるときに読んだつるバラの本の中で一番惹かれたバラです。亡き妻の好きだったピンク色をこの壁面にデザインできればいいなぁ、と思っています。
バラ中心の庭ですが、高木や低木、地被類がバランス良くあって、その上でバラもある・・・みたいな欲張りな庭を目標にしています。
白い壁に誘引しているキング・ローズが満開になりました。キングローズの下の方に誘引している赤いバラがレッド・キャスケードです。赤い小輪房咲きの、まるで兄弟のようなコンビ(笑)。
6月に入ると、地植えの紫陽花が咲き始めます。フロントガーデンにはブルーの紫陽花とピンクの紫陽花の2種類があります。
たくさんのバラの中からほんの一部をご紹介。カーディナル・ヒュームは、濃い赤紫色と少し縮れた花弁が大人な雰囲気。ラジオは、バラを始めて一番最初に咲いた思い出のバラで、昨年の一番花は今まで見たどのバラよりも美しかったです。マヌウ・メイアンは妻に捧げるバラで、ボクにとっては特別なバラです。そして、小壁に誘引したアンリ・マルタン&モーツアルトの競演。アンリ・マルタンが一季咲きなので、この雰囲気を見れるのは春の一時期だけ。同系色ですが形は全然異なり、とても相性が良いと思っています。
中庭のテラス
東西に長い我が家には、コの字型の中庭があります。メインスペースは玄関前の乱貼石仕上げテラスで、その奥には昨年の春、DIYで作ったウッドデッキテラスが見えます。デッキチェアはフランスのレ・トワール・ドュ・ソレイユ社のストライプ生地に貼り換えたものです。バラのシーズン、ここに座って中庭に咲くバラの景色を眺められたら最高ですね! ピンク色は妻のためにお揃いで作ってみました。
中庭の壁面に誘引している黄モッコウバラは我が家の中では一番の古株なつるバラで、ボクがバラにハマる前から植わっていたものです。下から見上げるようなアングルは、黄色い水が滝のように流れ落ちてくるような迫力のある光景。窓に青空も反射して、黄色とのコントラストがキレイです。部屋からの眺めも楽しめます。
窓の下のテラコッタ鉢は、コンクリートブロックで高低差を出しています。ボク自身が無類のテラコッタ・フェチ(汗)ということもあり、バラを始める前からテラコッタの鉢ばかり集めていました。
昨年秋には、結構たくさんのチューリップの球根を植えました。チューリップはもともとそんなに好きじゃなかったんですが、昨年春に咲いたアンジェリケがとても美しく、家族やご近所の方々からも評判が良かったので、味をしめてたくさんの種類のチューリップの球根を植えてみました。この春は、他にもさまざまなチューリップが咲きました。
中庭のシェードガーデンゾーンは高木のコハウチワカエデ、中木がドウダンツツジ、低木がアジサイやユキヤナギ、グランドカバーがシダやギボウシといった構成です。アジサイは美しい紫色に咲いてくれました。春にはかわいらしい花が咲き、秋には紅葉が美しいドウダンツツジは、子供が生まれた時に記念樹として植えたんですが、16年も経ってかなり大きくなりました。
北側の通路
昨年からずっとやってきたガーデンリフォームの最後の締めくくりが、この北側通路の改修です。これまでゴミやその他ごちゃごちゃしたものを置いておく裏方の場所でした。坪庭は、玄関から家に入ってガラス越し正面に見える部分で、ここも真っ先にリフォームしました。日陰でも辛うじて成長するアオキやマンリョウなどの低木とシャガ、ヤブランなどのグランドカバー(地被類)、中央の高木はイロハモミジです。通路は錆御影石の石板を「飛び石」状に並べ、その間を同じ錆御影石の砂利敷きにしました。
パーゴラはDIYです。メインの柱と梁までは大工さんに手伝ってもらいましたが、横架材は一人で取り付けました。結構大変でしたが、満足いく仕上がりになりました。
白い木製フェンスもDIYで立てています。実は増えてしまったバラのいくつかを誘引したいがために作ったもの。ピンク・カクテル、シャンタル・メリュ、イングリッシュへリテージの順で誘引しています。最近クレマチス天塩を誘引しました。ピンクカクテルとの相性もなかなか良いです。
高さ4mほどのオリーブの木が3本、足元にはハーブのローズマリーとアガパンサス、セダム類が植わっています。アガパンサスの青紫色の花と、ピンク系のバラの花とがうまくコラボレーションしてくれるとうれしいです。
プロフィール
ひでさん
- 住まい
- 一戸建て
- ガーデニング歴
- 1年半
- お気に入りの植物
- バラ、クレマチス、ユキヤナギ、アジュガ、シャガ、ギボウシなど
- ホームページ
- Change My Garden
編集部より
亡くなった奥様を偲ぶため、そしてご自身が今後の人生を前向きに生きるため、本格的にバラの栽培を始めたとのこと。季節の植物を多彩に組み合わせた美しい眺めに心が奪われます。乱貼石にテラコッタの並ぶ明るい雰囲気の中庭や、飛び石でスッキリと整えられた北側の庭も素敵です。前庭のロックガーデンもですが、「石」の使い方がとてもお上手ですね。ガーデニングをはじめられてまだ1年半というのに驚きました。
ひでさんの奥様への想いと共に、未来への希望も感じる、見ごたえのあるお庭でした。