猫の写真をもっとかわいく!プロが教える写真の撮り方

可愛い猫を実物と同じように可愛く写真を撮りたいですよね。
そこで今回は写真の上手な撮り方をご紹介します。
猫を可愛く撮るためのカメラアングル、ブレないための上手な写真の撮り方など、
ちょっとしたコツを猫写真家の佐藤誠さんに教えていただきました!

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目次

写真を撮る前に

写真を撮る前に、幾つかやっておいた方がよい事があります。

1部屋を片付ける

猫は写真を撮るからといってじっとしてくれる訳ではないので、邪魔なものや映っては困るものがあれば、しまっておいた方が良いでしょう。また、雑多な背景は猫が目立たなくなってしまいますので、そんな時はできる範囲で前もって片付けをしておいた方が良いと思います。

邪魔なものや映って困るものは
しまっておきましょう

すっきりと片付いていると
猫が引き立ちます

2猫の行動をよく観察する!ポイントはごはんの時間の前後

普段から猫の行動をよく見ておくと良いでしょう。どんな所でどんな風に過ごしているのか知っておくと、撮りたいと思う場所と時間帯が自然と決まります。
また、ご飯タイムの前後の様子も重要です。ご飯を食べてお腹いっぱいになると動きが活発になる猫と、逆に穏やかになって寝てしまう猫がいると思います。撮りたいイメージによってはご飯を食べさせる前に撮らせてもらった方がよい表情の場合もあると思いますので、日常のご飯タイム前後の様子はよく観察しておいた方が良いです。

写真を撮る時は・・・

1カメラを恐がらせない

写真を撮っている最中の突然の大きな物音は、ビックリして逃げ出してしまうだけでなく、その後の写真撮影に対する影響が心配されます。カメラを見ていた時にビックリして、それ以降、カメラを見るだけで逃げ出してしまうといった猫もいます。
また写真を撮ろうとカメラを構えた姿を見て、やはり怖がってしまうという事もあります。写真を撮っている間は終始和やかに、楽しい一時となるように心がけましょう。

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2常に声掛けして、あとは猫に任せる

写真を撮っている間は、できるだけ猫に優しく声をかけるようにします。「こっち向いてねー」や「はい、ポーズ」など、楽しく呼び掛けてあげましょう。
しかし、猫の行動は気まぐれそのもの。飼い主さんは猫の自由で奔放な行動を楽しみ、猫の目線や気持ちを考えて、その姿を見つめてあげて下さい。
そして、シャッターチャンスに遭遇したら、迷わずシャッターを切りましょう!

実際に写真を撮ってみよう

基本的に部屋の中で猫の写真を撮るには、部屋の明るさがある程度必要です。
晴れている日であれば、時間帯としては朝から午後夕方頃までは出来るだけ自然の光で撮ると、生き生きとした姿や表情をねらう事ができます。
晴れていても日陰になってしまう場所や、曇りの日の室内は暗い状況となってしまうので、窓際など部屋の中でも一番明るい場所で撮るとよいでしょう。

朝や夕方は猫の穏やかな表情が良く出ます

撮る時は、フラッシュを使わず自然の光で撮る方が綺麗に撮れます。
晴れている日は、朝の時間帯と夕方頃の太陽の光は比較的黄色っぽい色をしていますので、猫の穏やかなイメージを撮るのに似合いそうです。
一方、お昼前後の太陽の光は白っぽい色をしていますので自然な色で撮影でき、こちらは穏やかさとは逆に、猫の活動的な写真を撮るのにおすすめです。

お昼の光は活動的な表情が良く出ます

ワンランクUP!POINT

光の当たり方としては猫に対して横側からが理想的だと思います。少し横からの光は猫を立体的に浮き立たせてくれますので、猫の表情や、しなやかな体のラインを写真に撮るのに適しています。

また、撮る時の目線の高さですが、しゃがんだりしてできるだけ猫の目線と同じ高さから写真を撮ると、猫が主役の印象的な写真を撮る事ができます。写真を撮る際は、出来るだけ近づいてみましょう。スマホや一眼レフなどカメラによって近づける距離の限界がさまざまですので、カメラの説明書を参照していただくか、何回か実際に撮ってみて、ボケない距離を把握しておきましょう。

また、カメラに「マクロ」という撮影モードが付いている場合は、通常より更に近づいて撮る事ができます。画面いっぱいに猫の顔を撮るときなどに活用したい機能です。
猫の目線の高さから撮る時、少し下の方から猫の顔を仰ぎ見るような角度で撮るとトラやライオンのような堂々とした姿を撮ることができます。
また逆に顔を見下ろすように取ると、顔が大きく体は小さめに写って可愛らしく撮れます。

見下ろした感じで撮ると、凛々しい顔に

見上げた表情は可愛らしく

写真のお悩みQ&A 〜こんなお悩みありませんか?〜

Q1 写真を撮ってもブレてしまいます。上手く撮る方法はありますか?

1撮影する時は明るい場所で

動きの速い猫の写真を撮るときは、できるだけ明るい場所で撮るようにしましょう。日陰の室内や夕暮れ時などの比較的暗い場所で撮影して写真がブレてしまうのは、周囲の明るさが足らずカメラのシャッタースピードが遅くなり、猫の動きが残像として映ってしまうためです。
そこでシャッタースピードを速くするために、周囲の明るさが必要になります。直射日光があたっている必要はありませんが、できるだけ明るい場所で撮るようにしましょう。
また最近のデジタルカメラには「ISO感度設定」という機能が付いたカメラがあります。ISO感度の値を大きくする事でも、暗い所でもシャッタースピードを速くする事ができます。

2手ブレを防ぐ

シャッターボタンを押し下げる際に起こる「手ブレ」も写真がブレる原因です。最近では「手ブレ補正機能」を持ったデジタルカメラもありますが、それでも全ての手ブレを解消できるわけではありません。
基本はカメラ本体をしっかりと持ち、ブレないように注意して、ボタンを押し下げるというより手を握りしめる感覚でシャッターボタンを押す事です。この時、壁など身近な物に寄り掛かったりして自分自身もしっかり固定した方が、よりブレずに撮る事ができます。また、室内で撮るときは基本的にはズームは使わない方が無難です。ズームを使うとそれだけ手ブレを起こす確率が増えますので、近づきたい時は自ら動いてカメラの位置を近づけましょう。

3フラッシュを使う

フラッシュ(ストロボ)を使う事も効果的です。昼間の明るい時間帯でもフラッシュは役立ちます。素早く動き回る猫は明るい昼間であってもブレてしまう事があるので、カメラの設定で強制的にフラッシュが光るように設定する事で、ブレずに撮れる確率がグッと上がります。
ただし、カメラ内蔵のフラッシュをたくと平面的な写真になり易いので、室内であれば照明を点灯するなどして、できるだけ周囲を明るくしておきましょう。

ワンランクUP!POINT

もしカメラに取り付ける事のできる外部ストロボをお持ちの方は、天井や壁に向けてフラッシュを発光させて反射光で撮影する「バウンス撮影」という方法に挑戦してみて下さい。同じフラッシュ撮影でも「バウンス撮影」は光に敏感な猫の目に負担をかけない優しい方法と言えます。

Q2 写真を撮ると、猫の目が反射して光って写ってしまいます。
反射しないようにするにはどうしたらよいですか?

1フラッシュをたかない

猫の目が光って映るケースの多くは、猫がカメラの方をまっすぐ見ている時で、且つカメラ内蔵のフラッシュが光っている場合が多いと思います。一番手軽な方法は、フラッシュを光らせない事です。

2夜間や暗い場所では、フラッシュありで目線をそらす

夜間や暗い場所ではフラッシュなしでは写真を撮る事が難しくなります。こんな時は、猫の視線を少し逸らせてあげましょう。猫じゃらし等、猫が注目するアイテムを使って猫の視線をカメラの少し横や、カメラを構えているあなたの少し後ろの方を注視するようにしてみます。一人で撮る時は、片手にカメラ、片手にねこじゃらしといった格好になりますが、手伝ってもらえる方がいれば役割分担をして撮ると良いでしょう。

3赤目防止機能も使う

また猫の目の反射は、人間の写真でいうところの「赤目」と同じ現象とも言えます。カメラによっては「赤目防止(軽減)機能」がついているものがありますので、この機能を使ってみる事もおすすめします。

赤目防止機能なし

赤目防止機能あり

ワンランクUP撮影術 〜もっと写真を撮ってみよう〜

1猫の目を中心に写真構成を考えてみる

猫の目は特徴があると同時に、その魅力の象徴となっている部分です。猫は目によって様々な表情を見せてくれます。
例えば、夜間あるいは暗い場所で見せる瞳孔が大きく開いた状態の目は、まるで人間の目のように見え、少し横を向いた視線は特徴ある口元と相まって微笑んで、笑顔が見える事もしばしば。猫の表情ある写真を撮る際には目を中心に考えるのもおすすめです。

人間のような目の表情

横を向いた姿はまるで微笑んでいるよう・・・

2目線や距離を変えて、たくさん撮ってみる

猫が大人しく座っている場合や、スヤスヤと熟睡している時など、ゆったり写真を撮る事ができる時は、猫の顔や体に画面いっぱいに近づいた写真と、逆に離れた所から見てどんな場所で座っていたり寝ていたりするのかがわかる、少し説明的な写真の2種類を撮っておくと、同じシーンの写真でも違った雰囲気で見る事ができ、連続して見たときにメリハリがついて面白くなります。また、肉球だけ、尻尾だけといった猫を象徴する部分写真もバリエーションの一つとして撮ってみましょう。

様々なカメラアングルや位置から撮る事によって猫のいろんな表情の写真が撮れます。

編集部よりワンポイント

スマートフォンで撮影した画像をブログやサイトに投稿した時に、画像が横向きになってしまうことありませんか?
これは、勝手にスマートフォン側で画像を回転して投稿する設定になっているためです。
こんな失敗を減らすためには「ホームボタンを右」にして撮影すると、投稿した時に正面に表示されます!ぜひ参考にしてみてくださいね。

※スマートフォンの機種によっては、画像が横向きにならないものもあります。

最後に…

猫を写真に撮る時は、とにかく楽しみながら自然体で接するように心がけると、カメラを通じて普段とはまた違ったコミュニケーションが生まれて、猫との距離がグッと近づきます。今まで知らなかった猫の一面を知る機会にも恵まれます。また、猫の仕草や行動のほとんどはトラやライオンといった野生のネコ科の動物とほぼ同じです。身近にある、決して失われる事のない野生を捉える事もまた楽しみの一つと言えると思います。

教えてくれた人 写真家:佐藤 誠(さとう まこと) さん

1972年・長野県生まれ。
広告制作会社でのデザイン・編集を経て、1997年よりフリーに。グラフィックデザインを軸に各種デザインに取り組む一方で、作品としての写真活動にも注力する。2003年より野良生まれの猫三匹「キンタ・はな・ギンタ」の日常をテーマに写真を撮り始める。

「キンタ・はな・ギンタ」の「猫ライフ写真」であなたをホッと和ます「CatLife」はこちらから http://catlife.jp/

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