犬の陰睾(潜在精巣)

犬の精巣は出生時には腹腔内に深く潜在しており、精巣下降(精巣が陰嚢内に下降すること)が完了するのは生後約30日です。ところが片側または両側の精巣が陰嚢内に下降しないで、腹腔内または鼠径部(内股の部分)に停留することを陰睾(潜在精巣)といいます。

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目次

原因

劣性遺伝といわれています。

症状

停留している精巣は正常のものより小さく柔軟です。老齢になると腫瘍化することもあります。正常な精巣と比較すると腫瘍になる確率は13倍程度というデータもあります。
中でもセルトリノーマ、セミノーマといった腫瘍になりやすいと言われています。

セルトリノーマは悪性腫瘍で放置した場合は転移して死に至る事もあります。腫瘍化してエストロジェンというホルモンを過剰に放出した場合、骨髄がこの影響で機能不全をおこす事もあります。一度この影響でダメになった骨髄は元には戻りませんので、回復する見通しは少ないです。
腫瘍化しても死に至るまでは1〜2年ほどかかりますのでその前に切除すれば完治も可能です。

やっかいなのは腹腔内に精巣が停留している場合で、腫瘍化しても外部からは分かりません。ホルモンの影響でオカマになり、雄の後を追いかけるとは言われていますが、ハッキリと分かるものでもありません。症状が出たときには“手遅れ”というのが精巣腫瘍です。

潜在精巣の場合、体温が高くて精子形成にとって不適となりますが、精巣からのホルモン機能は失われません。したがって、両側性の潜在精巣ではほぼ正常な性欲は示しても、生殖能力は失われています。片側のみ停留している場合は生殖能力はあります。しかし、繁殖するべきではありません。

治療

正常な位置に戻すことはできませんが、停留している精巣は腫瘍が発生しやすい4歳くらいまでに切除すべきです。

予防

遺伝するため、繁殖に用いないことが重要です。

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