今回は『Go in』というコマンドをトレーニングしてみましょう。これは、前回と同様にドッグカフェで活用できますし、さらにお散歩中にベンチで休憩する時にも用いることができます。 盲導犬は、公共機関で休憩する時、ハーネスを持つ人の足の下に入ります。これは、第11回・第12回のハウストレーニングでも紹介したように、お出かけ先で人がつくってあげる簡易的な休憩所になります。つまり、犬にとっては落ち着く場所が得られるわけです。
さらに、歩行者の邪魔にならず、見た目もとてもスッキリとしますので、周りの方へ好印象を与えます。
おりこう犬プロジェクト!動画deトレーニング! #19 Go in - YouTube
Step1:足の下に誘導して『Down・Stay』
手にご褒美を持ち、足の下に誘導します。そして、『Down・Stay』の合図をだしましょう。この時の誘導する手の動きは、毎回同じにすると効果的にトレーニングできます。
さらに、前回の『Mat』を活用してトレーニングすることもできます。足の下にマットを敷き、『Mat』の合図を出します。そうすることで、人の足下に入り休憩することを学習します。
Step2:言葉の合図(コマンド)を教えていきましょう。
手の誘導でトレーニングされた方は、『Go in』と言ってから、手の誘導をしていきます。そして、『Go in』から手の誘導までの間隔を2〜3秒程度空けていきましょう。そうすることで、『Go in』の言葉の合図を学習していきます。
『Mat』の合図でトレーニングされて来た方は、『Go in』と言ってから『Mat』と言うまでの間隔を2〜3秒程度空けるようにしてトレーニングしていきます。
自分の愛犬は、盲導犬ではないからこのトレーニングは必要ない、などと考えないでください。皆さんの愛犬も盲導犬も同じ<犬>という動物です。さらに、家庭犬が周りの人に好感度を持ってもらえるようにトレーニングすることが、補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)の社会的受け入れ促進につながるのです。
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長谷川 成志(Dr. Masashi Hasegawa Ph.D.)
博士(学術:動物人間関係学分野)
麻布大学獣医学研究科共同研究員
(株)Animal Life Solutions 取締役 -
アシスタントドッグ育成普及委員会(H13〜17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。2009年10月には世界的なドッグトレーナーの資格CPDT-KAを取得。「人が犬を学び・犬が人社会のルールを学ぶ」をコンセプトに掲げた犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール?」を麻布大学と共同で企画、運営し、講師として活動。さらに麻布大学動物応用科学科の動物トレーニング実習にて、東日本大震災で被災犬となった犬達などの健康管理とトレーニングのサポートを行っている。
スタディ・ドッグ・スクール?