今回は、『Stay』のトレーニングに挑戦してみましょう。コマンドは『マテ』でも構いません。一般的に『マテ』の合図を出すのは、愛犬にゴハンを与える際に、「まてよぉ〜〜。よし」として与える時です。これは、「おあずけ」のトレーニングとなり、今回のトレーニングとは異なります。というのも、目の前にゴハンが置かれていれば、今から必ず食べられる状況を作ることになり、お散歩中など、いざ食べ物がない状況ではいうことが聞けない、ということになりかねません。ですから、極力ご褒美は見せないでトレーニングすることが大切です。
おりこう犬プロジェクト!動画deトレーニング! #09 - YouTube
『Stay』のトレーニングで重要なことは、どの段階で愛犬が動いたのかを確認することです。そして失敗した際、ご褒美がもらえない合図として「あ〜あ」と言うようにしましょう。そして次は、動かずに待っていられる段階に誘惑のレベルを落とし、動かずにいられたら褒め言葉をかけてご褒美を与えましょう。失敗の後に成功させることで、『Stay』というのは動かずにいることだ、と学習してくれます。しかし、
『Stay』=リードの範囲、飼い主さんが離れて戻って来るまで動かずにいること。
といつまでもワンパターンにトレーニングすれば、愛犬の『Stay』に対する認識は、そこでストップします。そこで、
『Stay』=様々な状況下で、褒めてもらうまで(解放の合図があるまで)、待っている。
と学習させることで、愛犬の『Stay』に対する認識は一変します。すなわち、誘惑のレベルをドンドン上げていくことが大切です。まずは、今回のトレーニングをしてみてください。地道にやって、愛犬が出来るようになったとき、何とも言えない感動が待っています。楽しみながらトレーニングしましょう。
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長谷川 成志(Dr. Masashi Hasegawa Ph.D.)
博士(学術:動物人間関係学分野)
麻布大学獣医学研究科共同研究員
(株)Animal Life Solutions 取締役 -
アシスタントドッグ育成普及委員会(H13〜17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。2009年10月には世界的なドッグトレーナーの資格CPDT-KAを取得。「人が犬を学び・犬が人社会のルールを学ぶ」をコンセプトに掲げた犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール?」を麻布大学と共同で企画、運営し、講師として活動。さらに麻布大学動物応用科学科の動物トレーニング実習にて、東日本大震災で被災犬となった犬達などの健康管理とトレーニングのサポートを行っている。
スタディ・ドッグ・スクール?