猫が夏を快適に過ごすための暑さ対策ガイド

猫が夏を快適に過ごすための暑さ対策ガイド

日本のような高温多湿の環境は猫にとっても過酷なもの。特に長毛種や子猫・シニア猫は暑さに弱く、熱中症や脱水症状のリスクも高まります。

この記事では、エアコンの使い方から水分補給、ひんやりグッズの活用、停電時の備えまで、猫が夏を快適に過ごすための暑さ対策をわかりやすく解説します。

目次

  1. 猫は暑さに強いって本当?
    1. 猫のルーツと暑さへの耐性
  2. 猫の暑さ対策
    1. エアコンで快適な室温を保つ
    2. 温度だけではなく湿度にも注意
    3. 水飲み場は複数個所に
    4. 空気を循環させる
    5. ブラッシングをする
    6. 自由に出入りできるようにしておく
  3. 子猫やシニア猫には注意
  4. 故障・停電への備え
    1. 飲み水をたくさん用意しておく
    2. ひんやりグッズを用意する
    3. 直射日光を遮った場所を確保

猫は暑さに強いって本当?

夏のベンチで寝る猫

猫のルーツと暑さへの耐性

猫は暑さに強いと言われることがありますが、それは猫の祖先がアフリカや中近東の乾燥地帯に生息していた「リビアヤマネコ」であることに由来します。

しかし、現代の猫は室内飼いが主流で環境も大きく異なります。特に日本の夏は「高温多湿」であり、リビアヤマネコが暮らしていた乾燥した砂漠とは全く違う環境です。湿度が高いと体に熱がこもりやすく、猫にとっては非常に過ごしにくい環境になります。

また、猫は汗腺が鼻の一部と肉球にしかなく、体温調節が苦手な動物です。「猫は暑さに強い」と思い込んで対策を怠ると、熱中症や脱水症状を起こす危険性があります。

猫の暑さ対策

窓際で寝る猫

エアコンで快適な室温を保つ

猫にとっての夏の適温は、人間が少し暑いと感じる27~28℃が目安です。 これは猫の平熱が38~39℃と、人間よりも2℃ほど高いためです。 そのため、室温も人間が快適と感じる温度よりも2℃ほど高い27~28℃だと考えられています。

また、猫に直接風が当たると体温が奪われすぎてしまい、体調を崩す原因になるため風向きには十分注意しましょう。

温度だけではなく湿度にも注意

猫にとって快適な湿度は、人間と同じく40~60%が目安です。湿度が高くなると、体に熱がこもりやすくなるため注意が必要です。 温度だけでなく湿度にも気を配り、除湿機や湿度計を活用して快適な環境を保ちましょう。

水飲み場は複数個所に

猫は先祖が砂漠で暮らしていたため、あまり水を飲む習慣がありません。しかし、夏の暑い時期は猫にとっても水分補給がとても重要です。水分が不足すると、熱中症や脱水症状を引き起こす原因になります。

水飲み場は、猫がよく過ごす場所の近くや、移動の動線を考えて複数箇所に設置するのがおすすめです。急に新しい場所に置くと警戒して飲まないこともあるため、暑さが本格化する前から設置して慣れさせておくことが大切です。

空気を循環させる

冷たい空気は重く、部屋の下にたまりやすいため、人間が快適に感じていても、床付近で過ごす猫にとっては寒すぎることがあります。特に長時間同じ場所で寝ている猫は、冷えすぎによって体調を崩すことも。 エアコンと扇風機やサーキュレーターなどを併用して空気を循環させることで、室内全体の温度を均一に保つことができます。結果的に節電にもつながり、猫にも飼い主にもやさしい暑さ対策になります。

ブラッシングをする

夏は抜け毛が増えやすく、こまめなブラッシングが大切です。不要な毛を取り除くことで、体にこもった熱を効率よく逃がすことができます。 特に長毛種の猫は毛玉ができやすく、毎日のケアが欠かせません。 また、ブラッシングには血行を促進する効果もあり、猫とのスキンシップの時間としてもおすすめです。

自由に出入りできるようにしておく

猫には自分で居心地の良い場所を選んで移動する習性があります。 暑い時期には、風通しの良い場所や冷たい床を好む傾向があるため、部屋のドアや仕切りはなるべく閉め切らず、自由に行き来できるようにしておくことが大切です。

子猫やシニア猫には注意

子猫

子猫やシニア猫は、どちらも体温調節が苦手で暑さに弱い傾向があります。 体力が十分でないため、暑さによるダメージを受けやすく、熱中症や脱水・食欲不振などのリスクも高まります。 また、自分で快適な場所に移動して体温を調整するのが難しい場合もあるため、こまめに様子を確認し、涼しく過ごせる環境を整えてあげることが大切です。

故障・停電への備え

猫 水飲み

故障や停電でエアコンが停止した場合、室温はあっという間に上がってしまいます。 飼い主が不在の場合、猫は自分で体温調節する必要があるため、もしものときに備えて下記のような対策をしておきましょう。

飲み水をたくさん用意しておく

停電時は自動給水器が使えなくなる可能性があるため、電動ではないものも含めて複数の水飲み場を用意しておくと安心です。 陶器やステンレスなど、猫が好む素材の器を選び、水が飲みやすい環境を整えましょう。

ひんやりグッズを用意する

万が一エアコンが止まってしまった場合に備えて、ひんやりグッズを用意しておくと安心です。 接触冷感のペットベッドなど、猫が自分で涼しさを感じられるようなアイテムを取り入れることで、熱中症の予防につながります。

直射日光を遮った場所を確保

窓際は遮光カーテンやすだれなどで日差しを遮り、室温の上昇を防ぎましょう。 猫が好んで過ごす場所には、日陰を作る工夫をしておくと停電時でも安心です。

おすすめアイテム

猫は自分で「暑い」「寒い」と言えないからこそ、飼い主の気配りが何より大切です。 エアコンの使い方や湿度の管理、水分補給の工夫、ひんやりグッズの活用など、ほんの少しの工夫で猫の快適さはぐっと変わります。 特に子猫やシニア猫、そしてお留守番中の猫には、安心して過ごせる環境づくりが欠かせません。 大切な家族である猫が暑い夏を元気に乗り切れるよう、快適な環境を整えましょう。

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