白内障が多く見られる犬種
ビーグル、マルチーズ、ボストン・テリア、パグ、シュナウザー、ウェルシュ・コーギー、プードル、ダックスフンド、シー・ズー、ヨークシャ・テリア、シベリアン・ハスキー、柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、ダルメシアン、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー
原因
白内障はいろいろな原因があり、原因別に次のように分類されます。
若年性白内障:5歳以下に見られ、遺伝が関係していると考えられています。老年性白内障:6歳以降に発症し、進行は緩やかです。これは病気というよりもむしろ、老化現象の一つとして考えられています。
外傷性白内障:水晶体に傷ができ、そこから混濁が広がっていきます。
続発性白内障:他の眼の病気と関連して起こる白内障です。
代謝性白内障:糖尿病やその他のホルモン疾患に関連して起こる白内障です。
症状
白内障には、初発の白内障、未熟な白内障、成熟の白内障、そして最後に過熟の白内障とさまざまな過程があります。
初発〜未熟の白内障では水晶体の混濁の範囲が小さいため、視力障害は軽度で日常生活にはそれほど影響がありません。
痛みはありませんが、進行すると視力の低下は顕著になり、柱や壁によくぶつかるようになったり、ちょっとした物音にも驚くようになって性格にも変化が見られるようになります。
治療
<軽度の場合>
点眼薬や内服薬によって病気の進行を防ぐ治療を行います。
<重度の場合>
視力回復には手術が必要になります。いったん白内障が進行して水晶体が混濁すると、薬などで元の透明性を回復することはできないからです。
現在では、多くの場合、濁った水晶体の中身だけを取り除き、残した薄い膜(水晶体嚢)の中に視力を補正するための「眼内レンズ」を挿入する手術が行われています。しかし手術の成功率はあまり高くはありません。技術面では人間同様に手術できるのですが、ワンコの場合は術後のケアが難しいためです。
※若年性白内障の場合は、重度でも内科的治療が効く場合があります
※症状の進行した段階ほど、治療をしても効果が上がらないケースが多くなります。
対策
白内障治療のポイントは早期発見です。白内障が生じやすい犬種(前述)では、特に日頃からのチェックが重要です。
また、ワンコの目が白くなる状態のすべてが水晶体の混濁=白内障というわけではなく、治癒が可能な他の眼の疾患である場合もあります。まずは気がついた段階で病院の検査を受けましょう。