気温が高くなり、ペットの臭いも気になってくる季節。
犬に付く虫も放っておくと危険な病気になることも・・・。
今回はそんな梅雨の時期に注意したいことについてみていきましょう。
1.虫(ダニ、蚊、マダニ)に注意
暖かくなって出てくるのは虫。蚊、ノミ、マダニ が犬ではよくやられます。
蚊でフィラリアに感染するのはご存知の通りですが、月に1回の投薬でフィラリアは簡単に予防できます。
蚊取り線香や電気蚊捕りで予防をして、気管支炎をおこす犬もいますからこれらを使用する場合は換気に気をつけてください。
ノミは現在犬につくものはほとんどが猫ノミです。
猫がうろつく場所を散歩する場合は結構ノミをもらいますからたまにチェック。生きたノミを見つけるのはかなり難しいですから、ノミの痕跡を探します。
2.ノミの発見・駆除・予防
(1)ノミの発見方法
ノミの痕跡を探す…それはウンチ。血液が食事なのでウンチは黒っぽい色をしています。砂状になっていることが多いですが、クルクルっとカールをした巻きグソ…?というのにもお目にかかります。毛をかき分けてこのノミ糞を探してノミの寄生の有無を判別します。
(2)ノミの駆除と予防
ノミの駆除と予防には首輪、スポットオンタイプ、内服薬の3種類があります。駆除する場合はかかりつけの動物病院にてきちんと診てもらうようにしましょう。
予防はある種の首輪、スポットオンタイプの薬でできますのでかかりつけの先生に相談すればすぐに処方してくれるはずです。ちなみに市販薬のノミへの効果は以下のとおりです。
<駆除法>
内服薬で駆除・・・内服の薬は卵が孵化しないのでノミが増えないというものですから現在寄生している成虫には効果がありません。
首輪で駆除・・・首輪もペットショップ、ホームセンターで売っているタイプは効果が薄いものが多いので注意です。首輪をかじって中毒になることもありますのでゆるすぎないように装着するのがコツです。
スポットオンタイプで駆除・・・最近はスポットオンの類似薬もホームセンターで見かけるようになってきました。ノミが落ちないばかりか重症の接触性皮膚炎をおこすものがありますのでこちらも要注意です。
3.ノミアレルギー性皮膚炎(マダニ)
ノミで痒いだけではなくノミアレルギー性皮膚炎というのもこの時期からよく見かけます。1匹ノミが寄生しただけで広範囲にかゆみが発生します。後発部位は腰から尻尾の付け根あたりです。夏場のアレルギーのトップはノミなのです。
マダニは草むらに顔を突っ込む犬によく見かけます。よくつく場所は目の周りと耳の裏です。吸血前は3mmほどの大きさしかありませんが、1−2日で10mmほどまで大きくなります。
もし、ダニが寄生しているのを見つけてもすぐに引っこ抜いてはダメ。かなりの確率で皮膚に食い込んでいるダニの頭部がちぎれて残ってしまいます。局所反応が強くでるので数週間にわたって腫れが消えません。ダニを殺す薬を塗るなどして弱らせてから優しく引きぬきます。
西日本ではダニによりバベシアという原虫が赤血球に寄生することもあります。山に行ったあとに血尿や黄疸が出て貧血を起こす。こんなときは病院で診察が必要です。東北地方では発生がほとんどありません。
4.外耳炎
<換気が悪い=耳の垂れた犬に多い傾向>
換気の悪い部屋だとカビが発生したりしますが、同じような現象が犬でもおこります。
通常の耳は大して汚れるものではありません。外耳炎になると掃除をしても3日たつとまた真っ黒や黄色の耳垢が出てきます。これが普通だと思っている人もかなりいますから要注意。
耳を痒がるだけではなく頭を良く振るというしぐさもチェックしてあげてください。
臭いも特有の納豆と3日はいた靴下がミックスされたような臭いがでてきます。
放置すると化膿性外耳炎にまで進行したりすることもあります。
耳の穴から生えている毛を抜くだけでもかなり風通しがよくなり予防になりますから通風性を確認してみるといいでしょう。
○アレルギー性皮膚炎も外耳炎の原因に
夏季に外耳炎が増加するもう一つの原因にアレルギー性皮膚炎があります。体内で作る副腎皮質ホルモンの値が夏季は減少するので余計にアレルギーが出やすくなります。アレルギーで耳道内の皮膚分泌物が亢進して外耳炎の原因になりやすいです。
最後に…
ノミ、ダニは『駆除』よりも『予防』が大切だということはおわかりいただけましたか?
ペット用のシャンプーなどで愛犬の体を洗ってあげましょう。