猫の条虫症

条虫は小腸の粘膜に吸着する寄生虫で、今回は主に見られる3種類について紹介します。
条虫症サナダ虫とも呼ばれます。真田紐という平たい紐に似ているためにその名がついたのでしょう。
英名はテープワーム、これも形からとった名前ですね。

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目次

    条虫症の種類と中間宿主

    1.マンソン裂頭条虫
    きし麺のような形をしていて、成虫になると体長250cm、体幅1.2cmにもなります。
    中間宿主はカエル、ヘビ、鳥類、哺乳類で、これらを捕食することにより感染が成立します。
    2.瓜実条虫
    米粒が連なったような形で長さが15〜80cm、幅は2〜3mmです。
    ノミが中間宿主で、グルーミングで毛と一緒にノミを飲み込んで感染します。
    3.猫条虫
    15〜60cm×5〜6mmほどの虫体で、中間宿主として主なものはドブネズミです。

    症状

    腸粘膜に頭を突き入れて吸着しているので、粘膜に剥離や炎症が見られますが、とくに激しい症状は認められません。
    寄生数が多い場合には下痢や嘔吐を起こすことがあります。
    時には虫体を肛門外に引きずる様子や、肛門の違和感からお尻を地面にこすり付けて前進するのが観察されます。
    通常は便の表面や肛門周囲に付着しているちぎれた虫体(これを片節といいます)が発見され、感染がわかることが多いです。

    診断

    ・糞便検査
    ・肛門周囲の検査(片節が見つかることがあるため)
    ・片節の観察

    治療

    プラジクアンテルの注射または内服
    マンソンの場合は数メートルに達するほど大きいために投薬量も3〜5倍量必要

    予防

    ・室外に出さない
    ・ノミの駆除

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