猫の膿瘍(アブセス)と蜂窩織炎(フレグモーネ)

主にケンカの傷により起こる病気で、膿瘍は皮膚や皮下組織に膿が溜まり、蜂窩織炎は筋肉内に侵入するなどさらに拡大して正常組織との境界が不明瞭になります。ぱっくりと切れた大きな傷では発症せず、小さなケンカ傷ほど発症の危険性が大きいです。

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目次

    原因

    歯や爪など鋭くて細い物が皮膚を貫通すると口の中や皮膚表面の細菌が皮膚の中に侵入します。傷口はすぐにふさがるものの、内部に侵入した細菌は3〜5日でどんどん増殖して膿を形成します。これらの細菌の多くは嫌気性菌といって空気が嫌いな細菌類です。猫がケンカをした事を忘れた頃にぽっこりと腫れてきます。
    蜂窩織炎は脚などの皮膚のたるみが少ないところに起こりやすい傾向があります。

    症状

    軟らかい腫れ物が顔面、四肢、尾根部、頸部などに見られます。放置した場合、どんどん大きくなり最終的に口が開いて内部から膿が排泄されます。早期に開口すると症状も軽くすみますが、開口が遅れるほど多量の膿瘍を形成して重症になっていきます。大量に排膿された時点で飼い主があわてて来院するケースも多いです。
    皮膚が厚い猫ではなかなか自然開口せず、お尻全体に膿瘍がまわって皮膚が埋まるまでに数ヶ月を要する事もあります。また頭頂部は皮下組織が薄いために治癒に時間がかかります。

    診断

    多くは触診で診断可能です。
    あまりハッキリしない場合、腫れている部位を切り取って膿があるかどうかを調べます。

    治療

    1.切開して排膿(膿の除去)し膿瘍内部を消毒
    2.抗生物質の投与

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