猫の狂犬病を防ごう!

猫の狂犬病は犬の病気だから猫には関係ないと思っていませんか?狂犬病は、犬の飼い主だけの問題ではありません。実は狂犬病はすべての哺乳類に感染する危険性があるのです。日本では狂犬病は発生していませんが、万が一のためにワクチン・予防接種をしておくことが大切です。猫が狂犬病になったらどうなるのか!?今回は猫の狂犬病の症状や治療法・予防法などをみていきましょう。回は猫の狂犬病の症状や治療法・予防法などをみていきましょう。

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目次

    猫の狂犬病を防ごう!

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    狂犬病は犬の病気だから猫には関係ないと思っていませんか?
    狂犬病は、犬の飼い主だけの問題ではありません。
    実は狂犬病はすべての哺乳類に感染する危険性があるのです。
    今回は猫の狂犬病の症状や治療法・予防法などをみていきましょう。

    1.狂犬病とは?

    狂犬病はラブドウイルスという病原体のウイルスによって感染する人獣共通の感染症です。感染経路は、狂犬病にかかった動物に噛まれた部分から、ラブドウイルスが侵入することで感染します。感染した犬は神経細胞を犯され100%死亡するという非常に危険な病気です。
    普通、犬の感染症が猫や人に感染することは希ですが、ほとんど全ての哺乳類に感染する可能性があります。

    <狂犬病の感染が発見された動物の例>
    米国・・・アライグマ、スカンク、コウモリ、猫
    ヨーロッパ・・・キツネ、猫
    アフリカ・・・ジャッカル

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    <猫の狂犬病の症状>
    狂犬病は、感染後に2〜3週間ほどの潜伏期間がありますが、早ければ数日、長い場合は1年以上にもなることがあるそうです。
    では、猫が狂犬病を発症した場合、どのような症状が起こるのか見ていきましょう。

    ・顔つきや性格に変化がある
    ・瞳孔が開く
    ・神経過敏
    ・全身麻痺
    ・痙攣
    ・呼吸不全
    ・発熱

    狂犬病になった猫は狂騒型と沈鬱型の2つのタイプに分かれます。ほとんどのケースは狂騒型といわれており、その中でも前駆症状期、狂躁期、麻痺期の3つのタイプに分かれます。

    狂騒型(きょうそうがた)・・・噛みつき騒ぐ
    沈鬱型(ちんうつがた)・・・ショボンとしてしまう

    ◆前駆症状期
    鬱の状態になったかのように物陰にかくれる。沈鬱状態。

    猫の画像

    ◆狂躁期
    攻撃性が強く、辺り構わず噛みつき、わけもなく吠えまくる。
    突然攻撃的になったり孤独を好んだりし、破壊行動がよく見られる。猫の場合、口から大量のよだれを流します。

    ◆麻痺期
    距離感がつかめなくなる。筋肉の痙攣、異常な歩行。嚥下麻痺から物を飲み込めなくなる。発症した動物は7−10日以内に100%死亡します。
    狂犬病は水を見ると怖がって逃げることがあります。狂犬病を hydrophobia(恐水症)と呼ぶ事がありますが、酷い場合は水を見ただけで痙攣する、という病気です。これは嚥下麻痺から水を飲み込めなくなり、水を飲む度に気管に水が入るために窒息しそうになりかなり苦しい思いを繰り返すために、最後には水を見ただけで怖がるという理由からついた名前です。

    2.狂犬病の治療法は?

    狂犬病の可能性がある犬に咬まれて感染し、症状が発症するまでは何日間かの時間があります。発症前に何度もワクチン接種をすると発症をまぬがれることもあるそうです。
    しかし、狂犬病になってからの治療法は確立されていないというのが現状です。

    3.狂犬病の感染を防ぐには?

    狂犬病に感染している動物に噛まれても発症前にワクチンを接種すれば発症に至りません。しかしワクチン接種についての知識が広まっていなかったり、ワクチンが手に入りにくい地域では、残念なことに犬の殺処分が行われています。
    中国の雲南省牟定県では狂犬病対策として2006年9月に県内の犬を5万頭以上殺処分したそうです。中国での犬の狂犬病予防率は3〜5%だそうです。これでは狂犬病の蔓延を防ぐことはできません。

    ワクチンの画像

    一方の日本ですが、予防率は40%ほどだろうと予測されています。
    もしも、日本に狂犬病の犬が侵入した場合、半分以上の犬に感染するのか?と心配になりますが、疫学的にいうと、予防接種率が50%を越えていれば感染がそう簡単に広がることはないそうです。放し飼いの犬はそう居ないですし、爆発的に広がる心配はないでしょう。

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    日本では犬にだけ狂犬病の注射を接種しますが、猫であっても海外へ渡航する時や帰国時に、狂犬病ワクチン接種を義務付けられることがあります。
    犬はリードで繋がれていますからそう簡単に人や他の動物を噛んだりしませんが、猫は自由に動きますので、万が一感染が広がった場合は猫の方が危険かもしれません。

    4.海外旅行ではむやみに現地の犬猫に近寄らない

    海外旅行に行くときにはむやみに現地の犬猫に近寄らないことが我が身を守る最善の策となります。

    <もし海外で犬や猫に噛まれた場合の対処法 >
    傷口を絞り出すように徹底的によく洗います。唾液中にウィルスが入っているので、身体に侵入するウイルスの量を減らすのが大事です。
    狂犬病ウイルスは消毒が容易で、アルコールなどでも簡単に死滅します。何もなければ洗剤でもよいです。

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    ウイルスの量が少なければ感染しない場合もあります。
    噛まれて感染してもワクチンを接種すれば多くは発症をまぬがれます。初回ワクチン接種をゼロ日として0,3,7,14,30,90日の6回ワクチン接種というのがプログラムです。
    海外旅行に出る前に狂犬病のワクチンを接種していた場合は、噛まれてからもう一度注射するだけでよいそうです。

    2.狂犬病の感染地域は広い!

    狂犬病がどんな地域で出ているかっていうよりもほとんど世界中で出ているので、出ない国を挙げた方が簡単です。

    <狂犬病が発生していない国>
    意外に少なく、多くは島国です。
    私たちの日本もそうですが、他は台湾、ニュージーランド、オーストラリア、ハワイ、グァム、イギリス、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィージーといった国が挙げられます。

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    <狂犬病が発生している国>
    アメリカやEC諸国など先進国でも狂犬病は未だに発生してるんですね。
    2014年のデータでは、狂犬病で死亡した人は世界で毎年60,000人、動物に噛まれた後にワクチンを接種している人は1,000万人。
    中国では、2008年に、すべての犬に狂犬病予防接種を義務づけましたが、2008年の狂犬病による死者は、2,400人を超えているそうです。

    最後に…
    狂犬病は猫にとっても人にとっても無関係の病気ではありません。狂犬病について正しい知識を持ち、冷静に行動しましょう。

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