メロンと言えばデザートの王様!余分な塩分の排泄を促すカリウムや便通を整える食物繊維に加え、話題の健康成分「ギャバ」を豊富に含みます。体内への吸収が早いショ糖・果糖といった糖質が多く、水分もたっぷり!夏バテ防止にピッタリです。日光が大好きですから、日当たりが特に良い場所で育ててください。
種まき 4月上旬
ペーパーポットなどを用い、ひとマスに1粒ずつタネをまきます。タネまき後はすぐに、ビニールトンネルや育苗器で保温します。
【ポイント】
ある程度大きくなってきたら、苗が倒れないよう仮の支柱を立てます。
メロンのコツ1 種まき
直まき、育苗どちらもできます。直まきの場合は4月上旬、株間20〜25cmおきに1ヶ所2〜3粒ずつタネをまき、直ちにビニールトンネルで保湿します。
定植 4月下旬
本葉3枚まで育ったら、株間23cmで定植します。
メロンのコツ2 定植
育苗する場合はペーパーポットやセルトレイなどにタネをまき、4月下旬に定植します。手軽に始めたいなら、市販苗を購入するとよいでしょう。双葉が付いていてがっちりした苗(あれば接木苗)を選びます。
プランターは根がたくさん張れるよう、深くて大きいものが向いています。メロンの根は酸素を欲しがるので、通気性のよい培養土を入れて栽培しましょう。
定植する際はサイドに溝を作って真ん中を高くし、土をカマボコ型にします。低温では生育が遅いので、5月上旬まではビニールトンネルで保温してください。晴天の日はトンネル内が高温になりすぎるので、ビニールの裾を2〜3cm開けて換気します。
<プランターサイズと株数>
■2穴付ベジタブルプランター500
(幅約50×奥行約34×高さ約26.3cm)
株数:2株
■ベジタブルプランター650深型
(幅約65×奥行約45×高さ約38cm)
株数:3株
団粒構造で保水・通気・排水性に優れたゴールデン粒状培養土の野菜用です。
肥料・水やり 5月
20日ごとに3回、条溝施肥します。
【ポイント】
メロンは株元が湿りすぎると病気にかかりやすくなります。水やりの際は株元に与えず、プランターの縁沿いに作った肥料用の溝に施します。
整枝・受粉 6月〜7月
本葉が4〜5枚になったら摘心し、子ヅルを2本伸ばします。
人工授粉します。
メロンのコツ2 整枝・受粉
親ヅルを本葉4〜5枚で摘心します。子ヅルは2本伸ばし、11〜15節に咲いた雌花を授粉します。それまでの孫ヅルは早めに摘み取るようにしてください。実が着いた節より先の孫ヅルも、2葉つけて摘み取っていきます。(果実が大きくなるためには葉が必要です。)子ヅルは25節前後で摘心してしまいましょう。先端の孫ヅル1〜2本は放っておき、あまり伸びるようなら適宜摘心します。人工授粉はその日咲いた雄花を使い、朝10時までに行います。授粉した日を記録してラベルをつけておくとよいでしょう。
育て方は「地這い」「立ち作り」のどちらもできます。
「地這い」の場合はワラやすだれを敷いた上にツルを自然に這わせます。
栽培場所のスペースが少ない場合は「立ち作り」がオススメです。支柱を立てて、まっすぐ上に誘引します。落下を防ぐため、実はネットなどでつるしておきましょう。
収穫 8月
授粉後50〜60日で収穫します。
【ポイント】
品種によって完熟までの日数が異なるので、タネの解説や購入店などで確認しておくと安心です。
収穫後、3〜4日間常温で追熟させると甘みが増します。ヘタ部分が少し柔らかくなったら食べごろです。
メロンのコツ3 病害虫予防
メロンは病気にかかりやすく、虫がつきやすいので、他の野菜以上に注意が必要です。うどんこ病、つる割れ病に対して耐病性のある品種を選びます。 緑肉種は「パンナ」、赤肉種は「レノン」、ミニメロンの「かわい〜ナ」などがオススメです。 また、アブラムシに大変好かれるので予防をお忘れなく。見つけたら、早急に対処しましょう。
アブラムシ
※上岡先生の「プランター菜園のコツ」に掲載されている写真等は、上岡先生が自宅屋上で育てた野菜を撮影したものです。
※栽培スケジュールは、兵庫県明石市が基準となっていますので、皆さんのお住まいの地域に合わせて栽培時期を調整してください。
上岡先生プロフィール

上岡 誉富(うえおか たかよし)
園芸研究家。愛媛県出身、現在は兵庫県在住。農林水産省園芸試験場勤務を経て、兵庫県農業試験場淡路・宝塚分場長で退職。その後、園芸相談などを勤めながら園芸研究家として活躍。(株)タキイ種苗「園芸新知識 野菜号増刊 野菜ガイド」で執筆中。自宅でも野菜づくりを実践しており、屋上でプランター菜園を始めて15年以上。
著書
『かんたん!プランター菜園のコツのコツ〜上岡流 写真図解でわかる逸品づくり(農文協)〜』
プランターでの野菜栽培の基礎の基礎から48種の野菜の作り方までが、分かりやすく豊富な写真と図で解説。上岡先生のプランター野菜づくりのコツをもっと知りたい時はこの本を!