ほとんどの果菜類は自然に果実が実ります。
ひとつの花の中におしべとめしべがあり、その花の中で受粉するトマトやナス、雌花に花粉が着かなくても実が太るキュウリなどがその代表選手です。
しかし、カボチャ、スイカといった雄花と雌花が別々に咲く野菜の多くは、人の手で授粉しないと確実には実が着きません。
では、授粉とはどんな風にするのでしょうか?今回は授粉について勉強します。
1.人工授粉しましょう
自然界では、ハチなどの昆虫が花の蜜を吸うために飛び回るうち、足などに付けた花粉をめしべへ移すことで受粉が完了します。
野菜づくりの場合は、媒介昆虫を待つだけでは、受粉できないかもしれません。また、受粉が遅れて着果しないことも予想されます。
確実に実を着けさせるため、適切なタイミングで人工授粉しましょう。
2.人工授粉はいつすればいい?
授粉は花粉の活動力が高い早朝(10時頃まで)のうちに行います。
遅い時間になると花粉の活動力が下がるので、実が着かない可能性が高くなります。
3.人工受粉の仕方
(1)おしべを雄花から引き抜きます。
(2) 1で引き抜いたおしべを爪の上に軽くこすりつけて、花粉が出ることを確認します。
(3)雌花のめしべ先端に花粉をこすりつけます。
(4)収穫のタイミングを判断する目安にするため、人工授粉した日付を記したラベルを茎につけます。
ワンポイント
【人工授粉したいのに、雄花が咲いてない!】
カボチャを早まきした場合には、雌花が咲き始めても雄花が咲いておらず、人工授粉できないことがあります。また、やっと雄花が咲いても、雌花が受粉の適期を過ぎていて、結局は実がつかないということもあります。
そんな失敗を防ぐには、あらかじめ雄花が早く咲く品種のものを花粉用の株として何株か植えておくとよいでしょう。1個の雄花で4〜5個の雌花に授粉することができます。