
ベランダでガーデニングを始めて10年目、マンションの大改修工事を機にウサギたちのためのハーブやバラと宿根草中心だったナチュラルガーデンをリセット。せっかくなので、今まで育てたことのない植物にチャレンジしてみようと、新しい視野でガーデンを作ることにしました。
そこで出会ったのが多肉植物や着生植物などの観葉植物。ハーブのように食べられないし、花を咲かせるのが目的でもない植物たちを育てることは、まさに新しいテーマにぴったりでした。
わが家のベランダはあまり奥行きがないので、場所の有効利用をねらって排水溝の上を跨ぐようにハイタイプの花台を3台設置しました。夏場でも直射日光が長時間当たらず明るい窓辺のような場所で、多肉植物たちにもちょうどいいのでは?とサボテン、ユーフォルビア、パキポディウム、エケベリアなどを並べています。
蒸れが苦手な植物たちのために、長雨のときはアクリルの板を渡して透明な屋根を作るなど工夫もしています。
ベランダガーデン
春と秋にはバラ鉢をメインスペースに配置してまめに管理しながら花を観賞しています。以前は20種以上のバラを育てていましたが、今はウィンダーメア、ラヴェンダーピノッキオ、ウォラトンオールドホール、ゴールデンセレブレーションのみ。コロンと丸く咲くタイプが大好きです。このシーズンはたくさん咲いてくれたので、散り際のイングリッシュローズの花を集めてフラワーボウルを作ることもできました。
ポリカーボネイトの柵は壁面デコレーションがしづらい材質なので、ワイヤーでフックを作って工夫しサインプレートを取付けてみました。味気なかった空間に遊び心が加わったようでとても気に入っています。
夏場は柵から50cmほどしか直射日光が当たらないので草花はいまひとつ育ちが悪いのですが、引っ掛けるタイプのプランターにペチュニアの寄せ植えを作り、たくさん花を見ることが出来ました。
このエリアは春〜秋は直射日光が入らない明るい日陰。角なので湿気も適度にこもります。草花は育たないけれど、観葉植物たちにはちょうどいいようで、サンスベリアなどをIKEAのラックにたくさん並べています。これを『ベランダ留学』と呼んでいて、インテリアグリーンの生育を促しきれいに育ったところで部屋の中に持ち込んで鑑賞しています。やっぱり太陽光と風と湿度は植物にとって一番の栄養になりますね。
また、自分のリラックススペースとしてFermobのビストロテーブル&チェアも置いています。この製品は車の塗装を使っているので雨風にとても強いそうです。
こちらは去年12月のガーデン。冬になると多肉植物や観葉植物は部屋の中へ移動するので、ベランダの主役は花たちになります。ビオラ“フロステッド・チョコレート”とハボタン“ブラック・ルシアン”やピンクのチェッカーベリーなどアンティークな色合いの寄せ植えに鮮やかな濃色のシクラメンをアクセントにしてみました。
ベランダの一角に、春の訪れを待てず小さな花畑のように寄せ植えを作って並べてみました。 ベランダ大改修工事の前から大事に育てているクリスマスローズたちはぜんぶで10鉢。冬から春にかけてベランダの主役になります。
多肉・サボテンの魅力
ひとくちに多肉植物といっても、いろんな種類やタイプがあるもんだなぁと、育て始めてから知りました。セダムやエケベリア、カランコエなどベンケイソウ科や、パキポディウム、ユーフォルビア、アガベ、アローディア、サンスベリア、ホヤ、ディスキディア、リプサリス、そしてサボテンなどなど…いろんな多肉植物を育てています。それぞれ好きな環境や水やりのタイミングが違うので、試行錯誤を重ねる日々です。
多肉植物といって最初にイメージしたのはやはりベンケイソウ科のぷにぷにタニクたち。一度やってみ たかった寄せ植えは、作り出すとハマってしまい、かわいいピックや雑貨を使ってデコレーションしながら箱庭のように楽しんでいます。多肉植物と出会って、植物と鉢をコーディネイトしてインテリアとしても楽しむことを覚えました。
変わった形のサボテンやユーフォルビアにハマり「キモチワルイ」がいつのまにか「カワイイ」に。「キモカワ」な植物が増えてしまいました。ユーフォルビア・ラクテアのマハラジャやホワイトゴーストは成長しながらさらに複雑な形に成長して行くそうです。何度も剪定を繰り返してオブジェのようになった柱サボテンは植え替えが大変でしたが愛着もひとしお。いただきもののリメイク缶に入れたウサギサボテンことオプンチア初日の出もどんどん成長しています。
多肉初心者ながらお迎えしてしまったエケベリアの女王“カンテ”。7号鉢のビッグサイズです。この夏花芽があがってきて、咲かせていいものか迷いながらも、思い切って咲かせてみると……色合いがすてきでびっくり!咲いたあとは株に負担をかけないように、すぐに切って部屋に飾って楽しむことにしました。
ぶいくんの庭
ベランダではハーブやレモンも育てています。わが家のウサギ・ぶいくんはイタリアンパセリやフェンネルが大好き。大きな“おばけフェンネルさん”を1本丸ごとムシャムシャ食べてる姿がかわいくてたまりません。ハーブが収穫できない夏は水耕栽培器でレタスやバジルを育ててオヤツとしてあげています。
インドアグリーン
室内の観葉植物コーナーです。ホヤ・リネアリスやリプサリスなど吊り下げるグリーンやビカクシダの板付けや苔玉、チランジア・ウスネオイデスなどを天井や壁面にコーディネイトしています。夏場はビカクシダが『ベランダ留学』しているので、チランジアを雑貨と合わせて飾っています。観葉植物にハマり始めてからは1年ほどですが、こちらがメインかというほど増えました。この一角を眺めてお茶するのが至福の時間です。
胡蝶蘭といえばゴージャスなギフトと思い込んでいましたが、花が3cmほどのミニ胡蝶蘭を育て始めてからイメージが変わりました。1ヶ月以上咲き続けてくれるし、明るい日陰の部屋の中でも元気で水やり回数も少なくていい。手が掛からなくて慎ましやかで、グリーンたちと調和してくれる気さくな雰囲気を持っているんです。今ではすっかり夢中で、胡蝶蘭以外のランも育ててみたいと思うようになったほどです。
プロフィール
vinchaさん
- 住まい
- マンション
- ガーデニング歴
- 10年
- お気に入りの植物
- 多肉植物、ビカクシダ・ランなどの着生植物、バラ、クリスマスローズなど
- ホームページ
- ぶいくんの庭
編集部より
空間を上手に使い、多くの植物をすっきりカッコ良くレイアウトしているvinchaさんのベランダ&インドアガーデンです。多肉や着生植物たちのユニークな姿に、すっかり魅了されました。
夏は多肉植物やサボテン、春と秋はバラ、冬は寄せ植えの花やクリスマスローズと、メインスペースの主役は交代していくとのこと。ベランダは日照や温度・湿度、風通しなど環境が制限されるため、室内も使いながら、季節ごとに配置換えをしていくことがポイントだそうです。こうした丁寧な育て方、いつも心掛けたいですね! これからもvinchaさんならではのお庭づくりを楽しみにしています。