「ナルトとオレオのしあわせ探し」管理人なちゅまるさん登場!

飼い主がいない犬の一時預かりボランティア体験談

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目次

<飼い主さん&愛犬紹介>

飼い主さん:
大阪府 なちゅまるさん
●犬歴:子供の頃から飼っているので25年ほど
●現在一緒に暮らしている愛犬:
ナルト(キャバリア、男の子、推定3歳)
オレオ (ロングコートチワワ、女の子、1歳)
●同居の家族構成:
とうちゃん(夫)、長男(小学生)、次男(幼稚園児)、ワタシ
●住居形態:一戸建て
●ブログ:ナルトとオレオのしあわせ探し
http://naruoreo.blog48.fc2.com/

愛犬を迎えたきっかけは?

<ナルト>
ナルトをウチに迎えるきっかけになったのは、一昨年に行った「動物愛護フェスタ」というイベントで、児玉小枝さんの「どうぶつたちへのレクイエム」のパネル展示を見た事です。
動物管理センターでいのちを絶たれていった動物たちの、誇り高き最後の肖像を写した写真展。「この写真を通して、ことばを持たない動物たちの声なき声が、あなたの心に届きますように・・・」という内容でした。そこで初めて捨て犬の悲しい現実を知り、捨てられたワンちゃんをウチに引き取りたいと思うようになりました。
でもウチのとうちゃんは、とても犬が苦手な人だったので、この人を説得するのが一番の難題。だって、いきなり犬を飼いたいと言われしかもそれが捨て犬なんですから・・・。
そして、なんとか説得に成功して引き取ったのがナルトです。

この写真は引き取って1ヶ月以上経った頃(体重も増えてきて走れる位元気になった頃)のモノです。体重は増えてきたもののなかなか毛が生えてこず、この頃はまだしっぽとお腹がハゲハゲでした。だから当時は、毛の代りにいつも洋服を着せていました。(今は暑がりなので、ほとんど裸族ですが)

<オレオ>
とうちゃんがナルトに慣れて来て、「犬ってかわいいかも〜♪」と思いだしたのを見計らい、2匹目作戦開始!今度も捨て犬を引き取ろうと思いました。
里親掲示板などで次のワンちゃんを探しはじめたのですが、「小さい子供がいるから・・・」という理由でことごとく断られ続け、里親になるのを断念しました。
そこで、捨て犬ではなく一般家庭で生まれたチワワの赤ちゃんを引き取りました。それがオレオと言うわけです。

オレオの懐かしのベイビー時代の写真です。
当時は耳が大きすぎて、垂れ耳ちゃんだったんですよ

飼い主がいない犬の一時預かりボランティアを始めたきっかけは?

犬を飼うということは、思った以上にお金がかかります(ワクチン、フィラリア、医療費、えさ代などなど)。だから我が家では、金銭的にこれ以上犬は引き取れないと思っていました。でも捨てられたワンちゃんや保健所に持ち込まれるワンちゃんを助けるお手伝いができたられたらな・・・って思っていたところ、偶然知ったのが「一時預かり」という制度です。
 
一時預かりというのは、その子に里親さんが見つかるまでの間、仮の家族としてお世話をしてあげるという事なのですが、「これならウチでもお手伝いできる!」と思って早速申し込みました。

チェリオ(繁殖場のチワワ) 預かり期間:1ヵ月半

推定年齢5歳。片目がなく、歯もほとんど抜けてありませんでした。今までずっと檻に閉じ込められていたにも関わらず、温厚で従順でとても性格の良い子。 ウチに来た当時は、トイレも知らずオモチャも知らずお散歩も知らなかったのに、覚えが早くて教えた事をどんどん吸収していってくれました。ナルトとオレオともすごく仲良くしてくれましたよ♪

チョロ松(捨て犬のシーズー) 預かり期間:1ヶ月

通称:チョロじぃ、推定年齢8歳。道路をフラフラ歩いているところを保護されたシーズー。
保護当時はかなり重度の皮膚病で、首から下の毛はほとんどありませんでした。足腰も弱くヨロヨロしていたため当時の推定年齢は15歳。でも、みるみる若返って推定年齢を約半分にした伝説の持ち主。

ぐり(繁殖場のパグ) 預かり期間:1ヶ月

推定年齢8歳。繁殖に使い続けられ、不要になったからと保健所に持ち込まれる所だったバグ。栄養不足で歯がほとんどありませんでした。暑くて...寒くて...汚くて...ただ生かされていたいただけの8年間。でもぐりちゃんは、人が大好きでした。
人懐こくて、控え目で、甘え上手。そんなぐりちゃんが、みんな大好きでした♪

ぷっぺ(放棄犬のチワワ) 預かり期間:5ヶ月弱

推定年齢9歳。放棄犬のチワワ。認知症のご老人に飼われていたため、施設に入ると言う事で手放されました。
9歳という年齢のわりに、トイレもお散歩も何も知らなかったぷっぺ。運動不足で靭帯が切れてしまったり、栄養不足で顎の骨が折れてしまったりと、アクシデント続きだったぷっぺ。それでも、いつもニコニコ♪どこへ行ってもみんなのアイドルでした。

一時預かりをしていてうれしい事は、その子の日々の成長を見られること。
今までずっと繁殖場の檻の中で育ってきた子なんかだと、オヤツもオモチャもお散歩の楽しさも知りません。ずっと檻に閉じ込められていたので、空の青ささえも知らないのです。

そんな子を、少しずつ色んなものと触れ合わせてあげると、どんどんフツーのワンちゃんのようになってくるんです。それを見てるのがとても楽しいです。

そして、もしかしたらもう死んでいたかもしれなかったその子が、新しい家族とめぐり合い、しあわせの第一歩を踏み出す瞬間を見られる事が、一時預かりの一番の幸せでもあります。

一方で、大変な事もたくさんあります。

仔犬のしつけと違って、成犬のしつけは、0からのスタートというよりマイナスからのスタートだからです。
何も知らない仔犬に「トイレ」の場所を教えるのでも大変たと思うのですが、長年「トイレはどこでもしていいもんだ」と思い込んでいる子に、「それは違うんだよ」というところから教えなおさなければなりません。
だから、かなりの根気と忍耐が必要です。

そしていつもマニュアル通りにはいかないので、手を変え品を変え、その子にあったしつけの仕方を探していくのが大変です。

でも、出来た時の喜びもひとしおですけどね。

多頭飼いをしてみたいと思う飼い主さんも多いようです。そんな方に、なちゅまるさんなりのアドバイスを一言。

多頭飼いはホントに楽しいです。犬にとっても飼い主さんにとっても。
 
でもお金もかかりますし、手間もヒマもかけてあげなければなりません。
そこら辺が問題ないのなら、私はぜひともオススメしたいなって思います。

だけど、1匹目のワンちゃんと同じような性格のワンちゃんが来ると思ったら大間違い!
見事にみんな性格が違いますから。

そこがまた多頭飼いの楽しみでもあるんですが、しつけに関してはそれなりの覚悟が必要でしょう。
なぜなら、1匹目で上手くいった方法が、2匹目には全く通用しないことだって往々にありますから。
そこを根気と愛情で乗り越える熱い思いがあるのなら、ぜひとも多頭飼いはオススメです。

体格がかなり違うのに、同じスピードで歩きます。
オレオ(左)はスーパー速足、ナルト(右)は超マイペース。(だからオレオが細いのかも・・・)

「人間LOVEでち♪派」のオレオ(左)と、「オラは一人でゆっくりしたいのだ派」のナルト(右)。
普段はお互い好きな所で好きなことをやっている2匹ですが、一日数回はわんわんスイッチが入るようで、突然2匹で遊びだします。

<編集部コメント>

なちゅまるさんの、一時預かりの経験から得たことはとても多いんですね。たとえば、成犬の子のしつけは、「マイナスからのスタート」ということ。この言葉に、“犬の立場に立って考える”ということの大切さに気づかされました。貴重な体験談を、ありがとうございました!!

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