猫のしっぽからわかる気持ち

猫のしっぽって不思議だなと思ったことはありませんか?猫が興奮しているときには太くなったり、甘える時はピーン!と立ったり…。しっぽを触ると嫌がる子もいれば、喜ぶ子もいます。そんな猫のしっぽについて見ていきましょう。

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目次

1.しっぽからわかる猫の気持ち・感情

猫は尻尾をくねらせたり、太く膨らませたりします。他にはしっぽをピーンと立てたり、振ったりします。
このしぐさには意味があり、気持ちや感情を表しているのです。
短いしっぽの猫もよく見ると、気持ちの変化に合わせて動かしています。
では、どのような気持ちや感情を表しているのか見ていきましょう。

しっぽをピーンと立てる

猫がしっぽをピーンと立てる時は「嬉しい」「甘えたい」といった感情があるようです。
飼い主さんに対してプルプル震わせてピーンとしっぽを振っている場合は、「大好き」といったような愛情表現のサインとも考えられます。撫でられたり抱っこしてもらいたい時にしているかもしれません。

全体的にしっぽを振る

しっぽを全体的にブンブン振っている時は「興奮気味で何かをアピール」したいようです。
大きくしっぽを振ることによって、飼い主さんにおもちゃやフードを「ちょうだい!」「早く!」といった高まる気持ちをアピールしているのかもしれません。
テンションが低い時には「しっぽがだらーんと垂れる」、怒っている場合には「しっぽがブワッ!」となる、恐怖を感じているときには「しっぽを丸める」ということもあるようです。
しっぽの振り方は猫の機嫌によっても変わってくるので、普段の生活でどんな様子なのかよく観察してみてください。

2.しっぽの役割

しっぽの一番の役割は意志表示です。リラックスしているときは毛が寝ていますが、緊張すると毛が立ってしっぽが太く・膨らんだように見えます。これは毛根に小さな筋肉の組織があり、交感神経の興奮により筋肉が引き締まり毛が立つのです。
人でいう「鳥肌が立つ」というのと似た仕組みと考えてよいでしょう。

ちなみに寒い場合、猫の毛は立ちません。怒った場合や甘える場合などにより微妙に尻尾の角度が異なってきます。

3.かぎしっぽの不思議

みなさんは「かぎしっぽ」という言葉を聞いたことはありますか?猫好きの方は知っている方もいると思います。
今回はしっぽの先が曲がった「かぎしっぽ」の不思議についてご紹介します。

尾椎(びつい・尻尾部分の骨)が変形し、根本の部分にクシャッと縮まった形のしっぽの猫が日本には多いです。
このようなしっぽを「かぎしっぽ」と呼ばれます。
医学的には奇形なのですが、アメリカでは「ジャパニーズボブテイル」と呼ばれ、人気のある猫種です。一部、外国の猫にも尾が変形している場合もありますが、圧倒的に日本猫に多く存在します。

遺伝的背景が大きいと思われますが、一方で興味深い説があります。
猫が高齢になりおよそ20歳で尾の先端が二つに割れてきて、二股や猫股という妖怪になるという迷信がありました。

有名な「九州鍋島藩の猫騒動」(お家騒動で殺された主人の仇を猫が討つ話)もこの二股が犯人だそうです。江戸時代、人々は自分の猫がいつか妖怪になりはしないかとほんのちょっぴり不安を抱えながら飼っていました。
そこで「そうだ!尻尾の無い猫だったら二股にならないではないか!」ということで尻尾のない猫が人気を集め、以後日本では尻尾の無い猫の人気が継続したと言われています。

4.しっぽの病気・怪我に注意!

尻尾の付け根は、最もノミが付きやすい

ノミの寄生しやすい場所は何といっても「尾の付け根です」。おそらく猫自身が舐めにくいためにノミの居心地が良いのでしょう。ノミが多数寄生する猫には尾にもノミが寄生します。ノミを探すとしたら尾の付け根からチェックすると発見しやすいです。

この場合、生きているノミ本体は見つかりませんので、ノミの糞を探します。ノミ本体が見つかった場合、すでに相当の数のノミが寄生していると思って間違いないです。

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スタッドテイル

猫の尾の背側には脂の分泌腺が多く集まっています。特にオス猫は分泌が活発で、長毛の場合は尻尾の毛が脂でベタベタになり汚れが付着する事も多いです。この分泌腺に細菌が感染すると巨大なニキビ状になることがよくあります。
ボタンを尻尾に付けたような外観になるために「スタッドテイル」と呼ばれます。

きれいに洗って抗生剤を投与すると治りますが、何度も再発を繰り返しす場合があります。
一般的には去勢をしていないオス猫で分泌が多いと言われますが、メスでも発症する場合があります。

尻尾の神経は太い

背骨の中心には脊髄という太い重要な神経が通っています。骨盤の少し上あたりから1本だった脊髄は木の根状に細い分岐に分かれていきます。
しかし、尾椎の根本の方は脊椎と同様に神経が通る穴が貫通しています。尻尾は通常の皮膚よりも神経が太く、根本の部分を損傷すると痛みが激しいです。
ケンカで尻尾を噛まれ、化膿して内部まで感染が進んでしまうと一大事です。

尻尾の手術は大変

皮膚と同じで尻尾にも腫瘍ができます。尻尾にできもの・しこりのようなものを見つけた場合は腫瘍の可能性が高いです。
尻尾の腫瘍は切り取った後、縫い合わせる皮膚が少ないため、腫瘍が大きくなってしまうと切り取ることができても縫合ができません(1cmまでくらいがきちんと縫える大きさです)。
もしも腫瘍が悪性だった場合は、尾を根本から切り取ってしまう方法があります。

自虐症

原因は詳しく分かっていませんが、自分で自分の尻尾を食いちぎる自虐症という病気があります。
自虐症の猫はだんだん尻尾が短くなっていきますが、この病気はなかなか止められません。
エリザベスカラー(首元に装着するラッパ形状の襟で、これを装着すると自分の体を舐めたりすることができなくなる)を付けても尻尾の先端は口元まで届いてしまうことが多く、やっかいな病気です。

最後に…

普段、何気なく見ていた猫の尻尾にはしっかりと役割があり、奥深い不思議がありました。

尻尾は神経が太く、猫にとってはとても大切な部分です。病気やケガがないか、普段からチェックしていきましょう。

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