猫の肥満注意報!

ペットフード売り場へ行くと、カロリーコントロールを配慮したフードが数多く並んでいます。商品の占める割合を見ると、多くの飼い主さんが愛猫の体重の管理に気を遣っていることが分かります。今回は猫の肥満対策について考えてみましょう。

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目次

太り出すきっかけ

成長期の仔猫はよく遊び、体も日増しに成長していくので、室内飼育であってもエネルギーはどんどん消費されます。しかしシニア世代に近づくと、仔猫のような激しい遊びもしなくなり、一日の殆どを寝ているか、のんびり寛いで過ごします。 加齢とともに代謝が落ちるので、それにつれて体脂肪も増えていきます。 外へ出ることもなく、室内という安全で快適な環境におかれてしまうと、さらにエネルギーの消費が押さえられてしまいます。

おうちの中で遊ぼう!!

可愛さのあまり、つい人間の食べ物やおやつを与えていませんか?

置き餌も、目分量で適当に置かず、一日の必要量にとどめておきましょう。多頭飼育の場合は、仲間の分まで食べる者が現れますので、猫たちの行動をよく把握しておいてください。餌の横取りがあれば、食事場所をわけて、食べ残しは片付けるなどの配慮が必要です。

避妊去勢もホルモンバランスの崩れから、肥満を起こす原因とされています。遺伝的な体質的により、太りやすい猫もいます。引っ越しや同居ペットとの不和など、飼育環境からくるストレスで過食に走る猫もいます。身の回りに変わったことが起きていませんか?

発症頻度は少ないですが、甲状腺機能低下症、クッシング症候群など内分泌系の病気が原因で太る場合があります。

猫は痩せにくい

猫の先祖、リビアヤマネコが獲物を得る方法はエネルギー消費を極力抑えた待ち伏せ型です。獲物の乏しい砂漠地帯で長時間獲物を捜し回るのはエネルギーの無駄遣いになるからです。家猫となった今でも、無駄な労力を避ける生活スタイルは変わっていません。
常に省エネモードで生活している猫に、餌がふんだんにある快適な環境を与えれば太るのは目に見えています。市販のフードは現代の猫の生活事情に合わせた栄養配合になっていますが、猫は体が小さいので、少量ずつであっても与え過ぎであれば着実に太っていきます。

体が重くなれば、動くことが億劫になり、体を動かすのは食べる時と排泄行為だけになってしまいます。犬は運動を好みますし、リーダーである飼い主に従おうとするので、減量のためのプログラムにも喜んでつきあいます。しかし猫は主従関係を持たず、人間とは対等の立場であるため、従わせるのは困難です。

歩くのもやっとなくらいに肥大してしまった猫は、元に戻すのが非常に難しく、寝ている時間が多いために代謝も抑えられ、療法食を与えてもなかなか痩せません。ダイエットには半年や1年あまりという長い時間と根気が必要になります。

また、太っている方が可愛いという風潮や、デブ猫コンテストを開催したり、太っていることをキャラクターとして売り物にするメディアもあるため、後ろめたさを感じていない飼い主も存在します。確かに、ふっくらとした猫は福々しくて可愛いですが、それにも限度というものがあります。

肥満とされる数値は適正体重の15%増からです。この15%を超えると、体のあちこちにトラブルが発生し始めます。 適正体重は成長が止まる満1歳あたりの数値を基準としますが、大型で成長の緩やかな品種は体が出来上がるのに2年以上かかる場合があります。分からない場合は獣医さんの判断を仰ぎましょう。

愛猫はちょうど良い体型をしていますか?

肥満の度合いをチェックする方法に、「ボディー・コンディション・スコア(BCS)」という方法があります。 立たせた猫を真横と真上から見た状態と、背骨、腰骨、肋骨に軽く触れた感触で調べます。 図表を参考にあなたの愛猫をチェックしてみてください。

猫の身体的特徴として、オスは成熟すると顔回りに肉がついて丸くなります。これは闘いの際に首を守るために発達するもので、肥満ではありません。
お腹の皮がたるむのも、敵に襲われたときに深手を負わないためで、つまんでみて僅かの脂肪であれば問題ありません。適性体重なら、お腹の筋肉はきちんと締まっています。お産を重ねたメスもお腹にたるみが見られます。

太らせないために

肥満は万病の元、これは人も猫も同じです。 猫の肥満治療は長い期間を要しますし、糖尿病にかかれば薬代などに費用がかかります。太らせないためには定期的な体重測定、フードも良質のものを選びましょう。 肥満防止のカギは飼い主であるあなたが握っていると自覚してください。

運動に積極的でない猫でも、狩猟本能を刺激されると活発になります。猫は高い所を好むので、キャットタワーを設置してみるのもよいでしょう。登ったり、かくれんぼしたりと、タワーの構造は猫の本能を刺激します。また、じゃらしのおもちゃで誘って遊んであげてください。

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太った猫への注意点

太り過ぎた猫は体を丸めることができず、自分で体の清潔を保つことが難しくなり、皮膚病にかかりやすくなります。毎日、固く絞ったタオルや専用のシートで身体を拭き、排泄後は足の裏や陰部周辺をチェックして不衛生にならないよう気を配ってあげましょう。
無理なジャンプや高い所からの飛び降りはさせないでください。急な階段も危険です。 着地の衝撃は背骨や椎間板、四肢の関節にダメージを与え、脱臼や骨折、靭帯を損傷する危険があります。 高い場所に移動する必要がある場合、スロープや、上がりやすい踏み台を設けるなど配慮をしましょう。

食べなければ痩せるだろうと食餌を抜くのは危険です。食べ物が体に入らないと体を維持するために体中に蓄えられた脂肪が肝臓へ送られますが、エネルギーとして加工される量より、送り込まれる量の方が上回るため処理が追いつかず、余った脂肪は肝臓に沈着し肝機能障害を起こします。この症状を肝リピドーシス(脂肪肝)と呼びます。極端に太った猫ほど肝リピドーシスになる危険度が増します。肝細胞がすべて脂肪に置き換わってしまうと、肝硬変を起こし死に至りますので絶食ダイエットは決して行なわないでください。

ダイエットは太り始めた時期や、原因、太っている期間の長さによって対応が変わってきます。獣医さんと相談して無理のないプランを立てて取り組んでください。 理想の体重に戻ったら、定期的な体重測定をして状態が保たれているかチェックも必要です。

猫の肥満は年々増加傾向にありますが、正しい管理で防ぐことができるものです。 健康で幸せな一生を過ごせるよう、配慮してあげてくださいね

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