原因
マイボーム腺に細菌感染が起きて炎症を起こします。1ヶ所のマイボーム腺で起きる場合もありますが、複数のマイボーム腺が同時に炎症を起こす場合が多いです。片目に出ることもあれば、両側同時に起きることもあります。ニキビとよく似た現象です。人ではものもらいと呼ばれ、名前からすると伝染しそうですが、通常犬から犬へは伝搬しません。免疫力の弱い若齢時に発生する事が比較的多いです。アレルギー体質の犬は出やすいと思います。
症状
瞼の淵が赤く腫れ上がります。二次的に目が開けづらくなったり、目脂や涙が多くなります。痒みを伴う事も多く、手でこすったり瞼の部分を床などにこすりつけたりすると角膜に傷が入る場合もあります。
治療
抗生剤の投与。瞼の疾患なので目薬よりも内服薬がメインになります。
ひっかく場合はエリザベスカラーを装着。痒み、腫れが酷い場合はステロイドも併用されます。
マイボーム腺腫について
5歳以上の高齢犬ではマイボーム腺が良性の腫瘍となって瞼の表面にイボ状に突起として出てくる場合があります。これはマイボーム腺腫と呼ばれます。通常は単発でできるのですが、3つ、4つと増えていく犬もいます。良性腫瘍なので転移したりはしませんが、切り取らないとずっとそのままです。
特に内側のマイボーム腺腫は目に刺激を与えるので不快感を伴い、角膜炎の原因にもなります。数ミリの小さなうちは悪さをしませんが、目脂が増えて目が開きづらくなったら切除をします。簡易に表面だけ削り取る場合、無麻酔で処置も可能ですが、この方法だと時間が経過すればまた同じ部位から出てきます。原因の部分を一部切除して縫合するかレーザーや電気メスで蒸散してしまうと完治します。