原因
犬の場合、約95%は甲状腺自体の機能不全(原発性)が原因と考えられています。
<原発性の原因>
・免疫介在性または遺伝性によるリンパ球性甲状腺炎
免疫介在性とは、自己の組織細胞自身を外から侵入してきた異物と同じように認識し、生体がそれに対する抗体を産生してしまうこと
・原因不明の特発性甲状腺萎縮症
症状
・何となく元気が無くなり、動きが鈍くなる
・寝ている時間が多くなる
・寒さに弱くなる
・食べ過ぎていなくても太ってしまう(基礎代謝が低下するため)
・皮膚の異常
皮膚が乾燥してフケが目立ち、毛が薄くなります。初期の皮膚症状は耳の先や鼻すじに出る場合が多いです。また、お腹の皮膚は色素が沈着して黒く変化します。
感染しやすくなるために二次的な細菌性皮膚炎を患っていることが多く、痒みを伴うこともあります。
・外耳炎を起こす
・軽度の慢性貧血
甲状腺機能低下症の犬のうち、3分の1位に見られる
診断
皮膚の症状が明らかでない場合や、皮膚病があっても鑑別が困難なことがあるため、血液検査による診断がもっとも確実です。
治療
甲状腺製剤を内服することによって、症状は改善されます。
薬による効果があれば、用量を調節しながらホルモン補給療法(足りないホルモンを口から飲んで補う方法)を続けます。治療薬は生涯必要になる場合が多いです。