今回のトレーニングは、飛びつきの予防につながる『On と Off』のトレーニングです。お散歩中に他人に対して飛びつく・お出掛けして帰って来た時に愛犬に飛びつかれる、といった時の対処としては最適なトレーニングとなります。
まずは『On』、つまり人に飛びつくことからトレーニングを開始します。トレーニングの主旨に矛盾しているかもしれませんが、『Off:飛びついた(近づいた)場所から離れる』ということを学習させるには、まず『On』の状態を教えた方が理解させやすいのです。
おりこう犬プロジェクト!動画deトレーニング! #16 On と Off - YouTube
Step1:飛びつくトレーニング
ご褒美を使って誘導し、人に飛びつくことを教えていきます。このとき、飛びついた状態が維持できる様にトレーニングしていってください。人に対して上手に飛びつくようになってきたら、今度はテーブルやカベなどにも飛びつけるようにトレーニングしていきましょう。
※ミニチュア・ダックスフンドのように、背骨の長い犬種には負担の大きいトレーニングとなりますので、低い台などを活用してトレーニングするようにしましょう。
Step2:言葉の合図(コマンド)を教えていきましょう。
誘導の合図で飛びつくことができるようになってきたら、次に言葉の合図(コマンド)を教えていきます。
やり方は『On』と言ってから、誘導の合図を出します。そうすることで、『On』の合図で特定の場所に飛びつけるようになってきます。ただし、どこの場所に飛びつくべきなのか、ハンドサイン等を使って教えてあげるようにしましょう。
今回のトレーニングは、次回の『Off』を教えるためのものです。『On』のトレーニングで完成だとは思わずに、次回のトレーニングにもチャレンジしてください。また今回は人に飛びつくことを教えていますから、指示を出していないのに自発的に飛びつく様になることもあります。そのような時には、背中を向けて一切無視する様にして対処していきましょう。
-
-
長谷川 成志(Dr. Masashi Hasegawa Ph.D.)
博士(学術:動物人間関係学分野)
麻布大学獣医学研究科共同研究員
(株)Animal Life Solutions 取締役 -
アシスタントドッグ育成普及委員会(H13〜17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。2009年10月には世界的なドッグトレーナーの資格CPDT-KAを取得。「人が犬を学び・犬が人社会のルールを学ぶ」をコンセプトに掲げた犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール?」を麻布大学と共同で企画、運営し、講師として活動。さらに麻布大学動物応用科学科の動物トレーニング実習にて、東日本大震災で被災犬となった犬達などの健康管理とトレーニングのサポートを行っている。
スタディ・ドッグ・スクール?