犬は、その姿と大きさは多種多様です。
体重わずか2キロの小さな犬もいれば、30キロを超える大きな犬もいます。
また、とても胴長で足が短い犬や、鼻が短くて目が大きな犬もいます。
大きさや体型によって、その犬がかかりやすい病気、特徴が大きく違います。
今回は小型犬と胴長犬の病気の注意点をご紹介します。
1.小型犬の病気の特徴と注意点
<前脚の骨折に注意!>
犬は着地時に前肢から着地しますが、片足のみで着地した場合は、人が抱いた高さからでも簡単に骨折する場合があります。橈骨、尺骨という腕の骨を同時に骨折する場合が多いです。小型犬は飼い主が抱き上げる回数も多いと思いますが、下ろすときには落下しないように気をつけてください。とくに2kgクラスの犬では要注意です。
注意すべき犬種
(1)ポメラニアン
(2)ヨークシャテリア
<膝の脱臼に注意!>
小型犬は、膝のお皿が脱臼することも多いです(膝蓋骨脱臼といいます)。ふつうは内側に脱臼しますが、ダックスフンドは外に脱臼することが多く見られます。体重が軽い場合は脱臼していても症状が見られず飼い主も気がつかない場合があります。
注意すべき犬種
(1)トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア
(2)チワワ、パピヨン
(3)ミニチュアダックスフンド
2.胴長犬の病気の特徴と注意点
<肥満が椎間板ヘルニアを誘発する!>
胴長短足の体系から背骨のクッションとなっている椎間板が突出したり、脊椎そのものが変形し、脊髄を圧迫して麻痺症状が出ます。原因としては肥満が一番く見られます。食生活には十分注意してください。
ただ、肥満歴がないにもかかわらず3歳で下半身麻痺になってしまい手術をしたというダックスの例もありました。成長期にカルシウムの粉などを与えると悪化する傾向にあります。いずれにせよ、胴長犬は食生活に注意が必要です。
注意すべき犬種
(1)ミニチュアダックスフンド
(2)ウェルシュコーギー
3.犬種別の病気の特徴1〜ミニチュアダックスフンド・チワワ
(1)ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンド多いのは椎間板ヘルニアですが、てんかん発作もダックスではよく見られます。また、ワクチンなどの注射に対するアレルギーも多く見られます。さらに、甲状腺機能低下症(基礎代謝が低下する病気)も多く、ダックスの伝統的なホルモン病と言っていいほどです。
このように、ダックスはかかりやすい病気が大変多いです。健康に問題のある血統でも繁殖が繰り返され、このように病気にかかりやすいダックスたちが多くなったと考えられます。
(2)チワワ
チワワ水頭症のチワワはかなりの数存在します。水頭症とは脳脊髄液が溜まり、脳室が拡張がする病気です。極端に凶暴な性格のチワワの場合、水頭症が原因の凶暴性が出ていることもあります。
チワワは、頭蓋骨の骨が閉塞しない場合が多いのも特徴です。これは水頭症の有無とは関連しません。頭部の打撲時にダメージが大きいという点がありますが、通常生活には支障ありません。
4.犬種別の病気の特徴2〜トイプードル・ポメラニアン・ウェルシュコーギー
(3)トイプードル
トイプードル膝蓋骨脱臼、股関節形成不全(関節が変形する病気)、先天性心疾患(心臓の病気)など病気の教科書にはどの病気にもプードルの名前がでてきます。しかし、膝蓋骨脱臼は多いですが、その他の病気はあまり多くはありません。耳の毛が多いですから外耳炎にも注意が必要。ほかの犬種に比べて痴呆が早く始まる傾向にあります。
(4)ポメラニアン
ポメラニアンはダントツで骨折が多く、ソファから下りただけで骨折したポメラニアンもいます。日常生活では、上下の移動に十分注意する必要があります。ソファに座らせるなら、踏み台になるものを傍に置いてあげるなど、環境に工夫してあげてください。
(5)ウェルシュコーギー
ウェルシュコーギー 椎間板疾患はダックスについで多いです。コーギーは他犬種より乾性角結膜炎(ドライアイ)も多く見られます。目の健康にも気を配りましょう。
最後に…
小型犬は、骨折や脱臼など、足にトラブルが発生しやすくなっています。日常生活で足に負担をかけないように、十分注意しましょう。