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犬の子宮蓄膿症

子宮の内部に膿がたまる病気です。犬では発情後2-3ヶ月でおこりやすく、老犬では頻繁にみられます。秋はこの病気が多いシーズンというのもあって1週間で3-4頭発病して診察する場合もあります。1歳ほどの若い年齢でなることもありますが通常は5歳以降に多いです。高齢の雌で元気、食欲がなく水ばかり飲んで陰部から出血といえばこの病気が怪しいと思われます。

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目次

原因

発情後の黄体期(免疫力が低下します)に細菌が子宮内に、進入し増殖しておこります。卵巣のホルモン分泌バランスが悪いとおきやすい。今まで、しばらく生理がなかったのにしばらくぶりできた後は要注意です。原因菌は大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラなど様々です。

症状

はじめは無症状。病態が悪化するにつれ元気、食欲の減退、吐き気などが現れる。陰部より膿がでてくる場合もあるが、まったくでない場合もあり。出ない方がより深刻。多量の膿がたまった場合腹部が膨らむこともあり。

多くの症例で多飲多尿がみられる。子宮が破れて、腹腔に細菌が漏れ出た場合、腹膜炎をおこし、短時間で死亡します。

診断

レントゲン、エコー等で確認。血液検査で状態を把握します。
白血球が増加します。犬で白血球数が3万を越える病気は子宮蓄膿以外には白血病くらいです。検査時の白血球数が多いときなど10万近い数値になります。
多い分には診断が容易ですが、はじめ白血球が増え、末期には少なくなってきます。
左方移動(白血球の産生が間に合わず、骨髄が未熟な白血球が末梢血中にでてくる状態)をともなう白血球の減少はかなり危険なサイン。
白血球の在庫がなくなってしまうので末期には逆に正常値が出たり、少なくなったりもします。BUNが高い場合も危険です。

治療

手術で膿の溜まった子宮と、卵巣を取り出し、抗生物質で腹腔内を洗浄します。通常は、手術が早い段階で行われればほとんど助かります。
それゆえ発見即手術。脱水、電解質の不正がある場合には、手術前に点滴で補正。症状が重い場合、術後も持続点滴を継続します。
同時に、抗生物質を投与。症状が出てからだと手術が1日遅れるだけでかなり悪化します。見た目は食欲元気があるので手術は3日後になんてのんびりしたことをやっていると命取りになったりもします。

手術なしで治療する場合、抗生物質と子宮頚管を開く注射で膿を外に出させるという方法もありますが、延命効果はありますが最終的に死亡します。
どうしても子宮を残したまま治したい場合は手術にて両側子宮内部に開通孔を作り腹部に固定して抗生剤で内部を毎日洗浄して治癒後再手術で子宮を元に戻すという方法も報告されていますが一般的な摘出手術に比較して手間、費用、安全性すべてマイナスですから繁殖犬で数百万円の雌などという条件でも無い限りは行われません。

細菌が腹腔内にもれて腹膜炎をおこしてしまった場合は深刻です。
子宮を除去し、抗生剤で洗浄した後、腹腔にカテーテルを留置して手術を終えます。その後腹膜炎が治癒するまで毎日5-6回抗生剤で腹腔を還流します。
しかし、助からないケースも多くあります。

予防

避妊手術を受けていれば予防可能。ただし、卵巣のみの摘出の場合は子宮蓄膿になることがあります。

子宮蓄膿はやはりいかに早期発見、早期手術によります。治療費も同じサイズで5万以下で治る場合もあれば、20万かかる事もあります。
やはり、早期発見が大きなポイントとなってきます。本来、切れば治る病気ですが病院に行く前に死んでしまう子が結構います。
一般状態がいいうちに手術できれば入院も短期ですみますし、助かる可能性も高い、おまけに治療費も安くすみます。その為にも日頃からのチェックを心がけることが大切です。

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