1.猫は室内だけで過ごすとストレスを感じるの?
病気への感染や交通事故を防ぐため、できる事ならば一切外出しない室内猫にすることが望ましいと言われていますが、外に出さないとストレスが溜まるのではと心配する飼い主さんもいることでしょう。
しかし、室内だけの生活に馴れた猫にとっては外に出なくてもストレスにはならないようです。外出する猫はストレス発散のために外出するわけではありません。外に自分で決めた自分の縄張りというのがあって、一日に数回、その縄張りに侵入してくるライバルがいないかどうかを見張りに行くという“仕事”をしに行っているのです。室内猫の縄張りは自宅内に限られるので外に行く必要が無く、ストレスも特に溜まらないのです。
2.猫にとって最大のストレスは?
猫にとって最大のストレスは、自分の縄張りを他の猫に荒らされることだと言われています。“室内で多頭飼育”が猫にとっての一番のストレス環境だろうと考えられています。今まで一頭しかいなかった家にもう一頭増えて多頭飼いになった場合は、初めにいた猫のほうにとっては強力なライバル出現となるため、ストレス性の胃腸炎を起こして1〜2週間の食欲不振を起こす事も多いです。
閉鎖環境(室内)で複数飼育した場合に、猫がいつまでも縄張り争いを続けるかというとそうではありません。エンドレスに喧嘩をしていては猫も生命に危険が生じますので、集団での飼育にも順応できるようになっていきます。しかし、ストレスはかかり続けると思われます。
※どんな環境が、どれほどのストレスに感じるかは、(猫の年齢や個々の環境によって)個体差があります。
<飼育場所の変更によるストレス>
縄張りの重要性に関連して、引越しなど飼育場所が変わることも猫にとってストレスになります。“借りてきた猫”というような表現をしますが、自分の縄張り以外では動かなくなってじっとしてしまう事が多いです。犬は飼い主と一緒ならば、比較的安心して外出するのに対し、猫はリードなどをつけて外に連れ出しても、犬のように平気で歩こうとはしません。ストレス発散にと猫にリードをつけて散歩をしても逆効果になることがほとんどですから注意しましょう。
<猫にとって留守番はストレスになるの?>
犬にとっての最大のストレスは信頼する飼い主と離れる事なので、長時間の留守番やペットホテルはかなりのストレスになります。しかし、猫は人に馴れはしますが、犬ほど飼い主との絆を強固に持たないので、留守番が長引いてストレスから体調を崩すことはほとんどありません。
3.ストレスが原因の病気
大変わかりやすい例が伝染性腹膜炎(FIP)の発症例です。 この病気は猫コロナウィルスという、普段は何でもないウィルスが突然変異をおこし、FIPを発症します。変異のきっかけはストレスと考えられています(ただし、コロナウィスルを持つ猫にステロイドを投薬してもFIPは発症しませんので、ストレスによる免疫低下以外に他にも何かが作用していると思われます)。
コロナウィルスを持っている猫はいつ発症してもおかしくはないのですが、発症する猫は複数で飼育されている場合が圧倒的に多いのです。滅多に発症する病気ではありませんが、同じ家で何頭も続けて発症する事があります。これは発症したFIPが伝染しているのではなく、それぞれの猫のコロナウィルスが変異したためと考えられます。
また、ストレスによりリンパ球が減少すると、腫瘍の発症率が上がる可能性もあります。 人に多く見られる“ストレスが原因の胃炎”は、猫でも起こる可能性はありますが、そう多くはありません。
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4.猫のストレス発散法は?
<遊んであげる>
猫は動くものに対して興味をそそられるので、猫じゃらしなどで遊んでやるのは猫にとって良いようです。飼い主とのスキンシップにもなりますよ。
<環境を整える>
猫にとって過ごしやすい場所を作ってあげることもストレス発散につながります。上下運動ができるキャットタワーを準備してあげたり、爪とぎを置くなど過ごしやすい環境を整えてあげましょう。
最後に…
室内で飼うと病気やケガの心配は少なくなりますが、狭いスペースでの密飼育や縄張り争いはストレスの元になることがわかりました。ストレスによって病気を発症する可能性もあるので、あなたの愛猫にストレスのない快適な環境を作ってあげてください!