原因
- 1.ウィルス性鼻気管炎
- ヘルペスウィルスが原因です。感染すると、一時は治癒してもその後再び症状が出ることがありますが、それは神経細胞の中にウィルスが入り、猫が一生ウィルスを持ち続けるためです。
- 2.カリシウィルス感染症
症状
これらの上部気道感染は、ウィルスが涼しいところを好むため、外気にふれる部分である目、鼻、口、等に症状が出ます。結膜炎による流涙、鼻水、くしゃみ、口内炎が見られます。
- 1.軽症の場合
- 症状が出る時と全く無症状な時を繰り返します。猫の免疫力が低下したときに涙目になったり、くしゃみをしたりという場合が多いです。
- 2.重症の場合
- 混合感染でクラミジア等の細菌に感染した場合、重症になってしまいます。40度以上の高熱が1週間ほど続き、小猫では命取りになることもあります。
猫の鼻の骨の空洞にまでウィルスの感染が進み、鼻水を絶えず垂らすようになります。
診断
この病気は流涙、鼻水、クシャミ、口内炎等の外見ですぐわかります。
治療しても効果が見られない時は、エイズ、白血病ウィルス等に同時感染している場合もありますので、血液検査で調べる必要があります。
治療
- 1.軽症の場合
- インターフェロン(抗ウィルス剤)を投与します。1日おきに3回程注射すれば、ほとんど症状は消失します。同時に抗生物質の投与を行います。
- 2.重症の場合
- 骨の空洞にまで感染が進んでいると、空洞なので薬を投与しても血管が分布してないので治療効果があがりません。ドリルで骨に穴を開けて中に薬を流し込むという荒技もありますが、これは一般的ではありません。
しかし、抗生物質と併用でプロポリスを与えると効果が現れる場合があります。また、頻繁に症状が出る場合はインターフェロンの点眼薬を常備しておくとよいでしょう。
予防
ウィルス性鼻気管炎、カリシウィルス感染症ともに3種の混合ワクチンに含まれますので、そのワクチンを接種しておくのが一番の予防です。しかし、接種していても感染は成立してしまいます。「接種していれば感染しても軽症ですむ」というワクチンなのです。
残念ながら、猫カリシウィルスに関してはワクチンの効果が10%程しか期待出来ないというデータもあります。それでもワクチンしてない猫のほうが重症になる確率が高いので、ワクチンは接種したほうがよいでしょう。