食器&キッチンのラクラクお手入れ術

家事全体に占める割合が高いキッチンまわりの家事、とくに皿洗いに注目!より効率よくキレイに仕上げるコツを、時短家事の達人、ももせいずみさんにお聞きしました。

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目次

    みなさんは、一日の中で、どれくらいの時間をキッチンで過ごされますか? 料理と食器洗いで、多い方は、一日3回以上キッチンに立って作業している、という方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、家事全体に占める割合がもっとも高いキッチンまわりの家事、とくに皿洗いに注目! より効率よくキレイに仕上げるためのコツを、時短家事の達人、ももせいづみさんにお聞きしてきました。

    生活コラムニスト ももせいづみさん

    監修者プロフィール

    生活コラムニスト ももせいづみさん

    暮らし、女性のライフスタイルに関するコラムニスト。メーカーで10年間、文化事業の企画などを手がけたのちに独立。心地よい「暮らし」「生き方」「働き方」を実現するために、ニュートラルな視点で発信される具体的なアイディアは、男女問わず幅広い世代から支持を集めている。Allabout「時短生活」ガイドも担当している。

    ももせさんのオフィシャルサイトはこちら >>

    〜ちょっとしたひと工夫で、効率アップ!〜
    食器&キッチンのラクラクお手入れ術

    〜ちょっとしたひと工夫で、効率アップ!〜食器&キッチンのラクラクお手入れ術

    〜いつの間にか自己流になっていませんか?〜
    今さら人に聞けない!
    皿洗い・キッチン家事の基本の「き」を再確認

    日々の家事の多くを占める「皿洗い」をよりスピーディに、かつキレイに仕上げるには?
    料理がもっと楽しくなるような快適キッチンを目指して、自己流になりがちな皿洗い・キッチン家事の基本の「き」を今一度おさらいしてみましょう。

    汚れごとにお皿を分けてから洗っているか

    汚れごとにお皿を分けてから洗っているか

    汚れ別に3つに分け、
    汚れの少ないものから洗いましょう。

    皿洗いの一番の基本は、洗う前に汚れ別に洗いものを分けること。
    1)水洗いだけで落ちる汚れ
    2)油分のない汚れ
    3)油汚れ

    3つに分けます。油で汚れたお皿は重ねないようにしましょう。そして、汚れの少ない1)から順番に洗っていきます。お皿に残った固形物や油汚れは、食器用のへらで取り除いてから洗うようにしましょう。

    食器用洗剤の正しい使い方を知っているか

    食器用洗剤の正しい使い方を知っているか

    薄めた洗剤液で洗うのが正しい使い方です。

    今、ご自宅で使用されている食器用洗剤のボトル裏面にある説明書きを見てみてください。
    使い方と使用量の目安が書かれていて、
    「水1Lに対して○ml」
    「使用のつど薄めて使う」
    「原液をスポンジに含ませて使用する場合は炊事用手袋を使う」
    といった説明書きがきっとあるはず。つまり、食器用洗剤は、本来は「薄めて使う」が正しい使い方なのです。
    薄めて使うことで、洗剤の使いすぎを防げる、環境にやさしい、すすぎが楽になるので水道代が節約できる、手が荒れにくくなるといったメリットが。
    洗い桶があれば、そこに洗剤水を作り、そのなかで油汚れの少ないものから順番に洗うようにしましょう。

    汚れを落とす3つの方法を知っているか

    • 3つ方法の組み合わせで、
      たいていの汚れは落とせます。

      汚れを落とす方法は、
      スポンジなどでこすって摩擦で物理的に落とす方法と、界面活性剤を利用して汚れを吸着、分解、乳化させて化学的に落とす方法、お湯で油汚れを溶かし出す方法の3つがあり、これらの方法を組み合わせることでたいていの食器の汚れを落とすことができます。
      また、汚れの性質に合わせて重曹や酢などを活用してみるのもオススメ。
      詳しくはこちらから >>

    • 界面活性剤とは?

      油と水のように混ざらない物質の境界を「界面」と呼び、界面張力によって生じています。
      この界面張力を出来るだけ低下させ、ものが混ざり合うようにする物質のことを「界面活性剤」といいます。現在はコンパクト洗剤を中心とした合成界面活性剤が多く使われていますが、石けんも界面活性剤のひとつです。
      石けんは紀元前3000年頃から使われている人類が持つ最古の界面活性剤と言われています。

    すすぎに最適なお湯の温度を知っているか

    すすぎに最適なお湯の温度を知っているか

    お風呂の温度と同じ40度前後です。仕上がりの好みに合わせて温度調節して!

    皿洗いに適したお湯の温度は、油汚れが溶け出す40度前後。水切りをよくしてからっと仕上げたいときには、高温ですすぐとよいでしょう。
    油が溶け出す=手の皮脂も溶け出すということなので、肌荒れしやすい乾燥肌の人は、ビニール手袋を必ず使うようにしましょう。

    重曹などの自然素材を上手に活用できているか

    重曹などの自然素材を上手に活用できているか

    重曹と酢があれば、たいていの汚れが落とせます

    汚れは大きくは酸性の汚れとアルカリ性の汚れの2つに分けられます。酸性の汚れにはアルカリ性で、アルカリ性の汚れには酸性で中和させることで汚れは落ちるのです。
    なんにでも同じ洗剤を使うのではなく、まずは汚れの性質を考えるクセをつけましょう。重曹と酢を活用することで、手荒れしにくい、環境にやさしい汚れ落としをすることができます。

    重曹(弱アルカリ性)

    落とせる汚れの種類

    酸性の汚れ:
    油汚れ バターなどの油脂食品 ビール・日本酒など 手あか 湯あか 生ゴミの臭い 腐敗臭 嘔吐物

    その他の用途

    研磨作用:
    研磨剤として汚れをこすり落とせる。たいていの汚れより固く、プラスチックよりもやわらかいので、傷つきやすい素材についた汚れを落とすのに最適。

    消臭効果:
    臭いを吸い取る効果があります。消臭効果は2ヶ月くらい。小さな器にいれてトイレや靴箱、冷蔵庫内に入れ、効果がなくなったら掃除に使うとよい。

    酢(酸性)

    落とせる汚れの種類

    アルカリ性の汚れ:
    石けんカス 尿 電気ポット内部の汚れ 水あか 魚の臭い タバコの臭い タバコのヤニ 野菜のあくによる鍋の黒ずみ

    その他の用途

    静菌効果:
    菌の繁殖スピードを押さえる働きがある。

    必要最低限のキッチングッズで、シンクまわりはシンプル&キレイに保てているか

    三角コーナー、スポンジ置き、洗いかごなど、使わないのに「なければならない」という思い込みにとらわれていませんか?
    ももせさん流シンク&キッチングッズを参考に、本当に必要なものだけを揃えたシンプル&クリーンなシンクをキープしましょう。

    ももせ流シンク&キッチングッズはこちら!

    17にカーソルをあわせると、
    説明が表示されます。

    1 液体石鹸
    合成洗剤ではなく、ナチュラル成分の液体石けんを常備。食器洗い、手洗い、シンク洗いもこれ1本で兼用できるので、シンクまわりがすっきりします。

    2 皿用ヘラ、シンク用のドレッジ
    お皿の汚れを落とす用、シンクの汚れを集めたりや水切りを行う用で2つ常備しています。

    3 薄いスポンジ
    石けんの界面活性成分で油を分解・乳化して汚れを落とすので、あまり泡立たない薄めのスポンジを使用。水切りもよく、雑菌が繁殖しにくいですし、泡がないほうがすすぎも楽ですよ。

    4 鍋・フライパン用のブラシ
    フライパンは熱いうちにブラシで洗えば汚れがすぐに落ちるので、洗剤をつけて洗う必要がありません。

    5 排水口ブラシ
    ストレーナーや排水口の底にぴったりフィットするものを選んでいます。

    6 生ゴミ入れはシンクの外に置いて、ぬれた生ゴミを出さないようにしています。

    7 重曹
    重曹は、油汚れや焦げを落とすときや臭い対策などで大活躍。すぐに使えるように専用容器に入れて置いています。

    キッチングッズ見直しポイント

    三角コーナー
    ぬれた生ゴミを出さない工夫をすることが、臭い防止につながります。シンク内に三角コーナーをはじめとしたゴミ入れは置かないのが鉄則。乾いたゴミを三角コーナーに入れるとわざわざぬらすことになってしまうので、ゴミ入れはシンクの外に置くようにしましょう。

    吸盤付きスポンジ入れ
    シンク内に取り付けるタイプのスポンジ入れは、ぬめりがつきやすく、とくに吸盤のまわりなどは汚れがたまりやすい箇所。水切れのよいトレーなどにまとめてシンクの上に置けば、掃除の手間もぐっと省けます。

    排水バスケットは浅型
    水切りしなければならない汚れは、排水バスケットに落としますが、溜まったらすぐに取り除くという意識を働かせるために浅型バスケットに変更しましょう。

    ももせさんからのメッセージ

    ももせさんからのメッセージ
    いかがでしたか?便利なキッチングッズ、重曹やお酢などの自然素材を組み合わせて、皿洗いやキッチン家事がより快適になるように見直してみてくださいね♪

    〜ちょっとしたひと工夫で、効率アップ!〜
    食器&キッチンのラクラクお手入れ術

    〜ちょっとしたひと工夫で、効率アップ!〜
食器&キッチンのラクラクお手入れ術

    〜ももせいづみさんが指南!〜
    皿洗い・キッチン家事の
    よくあるお悩み10を一挙解決!

    思わず「あるある!」とうなずいてしまう
    皿洗い・キッチン家事まわりのお悩みを10個ピックアップ!
    キッチングッズやナチュラルクリーニングなどを活用した解決法を、ももせいづみさんにお聞きしてきました。

    お皿・調理道具編

    Q1)お弁当箱やプラスチック製の皿のぬるぬるが取れません。

    Q1)お弁当箱やプラスチック製の皿のぬるぬるが取れません

    洗い桶などに40度前後のお湯で洗剤液をつくり、少しの間つけおきします
    そして、スポンジではなく、力が入りやすく、隅までしっかりこすって洗える
    アクリルタワシなど薄手のものでこすり洗い
    します。
    泡たっぷりのスポンジは洗った気になるのですが、
    実は隅までしっかりあたっていないことも多く、洗い残しの原因になります。

    Q2)タッパーについた色や臭いを取るにはどうしたらよい?

    重曹をスポンジにつけて、クレンザーのようにこすり洗いします。重曹には消臭効果もあるので、臭いもさっぱり。
    この方法で、マグカップについた茶しぶなどもすっきりきれいに落とすことができますよ。

    Q3)おろし金の刃に汚れがこびりついて取れません。

    まずは、使ったあと放置せずにすぐ水で流すこと
    時間が経って固まってしまったら、お湯に少しつけてから洗うとよいでしょう。小さい目の部分に野菜の筋などが挟まって取れない場合には、歯ブラシを使ってこすります。
    また、そもそもおろし金を汚さないために、おろし金の上にアルミホイルをかぶせて使うという方法もあります。使い終わったらアルミホイルを取り外すだけでOKなので、洗う手間が省けておすすめです。

    Q4)ワイングラスがピカピカになりません。

    • グラスは、皿洗いの一番最初に洗いましょう。油っぽいスポンジで洗うと、皮膜がついてしまうので、きれいなスポンジを使って洗うこと。
      洗ったあとは、自然乾燥させるのでなく、できれば早めに水分を拭き取って
      タオルや皿拭き用のふきんは毛羽がつきやすいので、リネンのふきんやマイクロファイバークロスを使うのがおすすめ。
      もし、時間が経ってから拭く際には、蒸気にあてて軽く湿らせてから拭くとピカピカになります。

    • Q4)ワイングラスがピカピカになりません。

      グラスに水あかがついて曇ってしまった場合は、2Lの水にカップ一杯ほどの酢を入れた酢水に10分ほどにつけてから拭くときれいに落とせます。
      薄めた酢水なので、臭いが残る心配もありません。
      使い終わった酢水は、シンクの掃除にも再利用できます。

    Q5)鍋の焦げがなかなか取れません。

    鍋に水を入れ、重曹を多めに入れてそのまま沸騰させます。
    2〜3分くらいぐつぐつ煮たら火を止め、冷めるまで放置します。お湯が冷めたら、スパチュラやへらなどを使って焦げを軽くはがしたあと、メラミンスポンジで擦っておとします。よっぽどの焦げでなければ、この方法でかなりきれいに落ちますよ。

    Q6)フライパンを長持ちさせる使い方・洗い方は?

    基本は、空焚きをしない、キズのつきにくい調理器具を使うこと。
    アルミにフッ素加工をしたお鍋は、トマトなど酸が強いものを長時間入れておくと酸化して黒ずんでしまうので注意が必要です。フライパンや中華鍋は、調理が終わったらすぐに流しで水をかけながらブラシでゴシゴシ洗えばほとんどの汚れを落とすことができます。
    料理した後に放置してしまうと、油が固まってしまって洗剤を使わないと落ちなくなるので、料理後はすぐに洗う習慣をつけるとよいでしょう。
    洗ったあとは、調理後のコンロの上に乗せておけば、予熱で乾いてしまうので、拭く手間も省けますよ。

    キッチン編

    Q7)シンクをキレイに保つ方法を教えて!

    酢水をつくり、シンクを湿らせたら、メラミンスポンジで磨いて水を流します。
    酢水の代わりに、料理やお茶を飲むときに使ったレモンを直接こすりつけてもよいです。
    そして、水あかがつかないように、皿洗いが終わったあとはシンクについた水滴を落としておくことも大事。シンク用のへらを用意しておけば、簡単に水分を落とすことができます。

    Q8)台ふきんがなかなか乾かず、すぐに臭くなってしまいます…。

    ふきんは、ぬれた状態で放置してしまうと、すぐに菌が繁殖して臭くなってしまいます。雑菌は、暗く、しめったところが大好きなので、洗ったあと、暗いキッチンに干すのはNG。日中、天日干しして殺菌するのがよいのですが、ふきんをぬらして放置しないように根本を見直してみるのもおすすめです。
    我が家では、台拭きはぬらさず、テーブルに霧吹きで直接水をふきかけてから乾いた布で拭くというスタイルを取っています。乾いた布は多めに用意しておき、まとめて洗濯機で洗ってしまいます。ぬれていなければ、少々放置されても布が臭くなることはありません。

    Q9)調味料入れやレンジの扉、炊飯器のフタがべたべたしてしまいます。

    Q9)調味料入れやレンジの扉、炊飯器のフタがべたべたしてしまいます。

    べたべたの原因は、調理の時に空気中に広く飛散した油が付着して、そこにほこりなどが沈着するから。料理をする際には、必ず換気扇を回しながら行いましょう。
    電化製品についたべたべたは、ぬらしたタオルに石けんを泡立たない程度につけたもので、べたべたをこするように拭き取ります。その後、石けんのアルカリ性を中和させるために、酢水でしぼったタオルで二度拭きすればツルツルになりますよ。キッチンタイルのべたべたも同様に落とすことができます。
    アルカリ成分の石けんを、酸性の酢で中和することが目的なので、中性タイプの合成洗剤は使えません。液体石けんがなければ、浴用の固形石けんをぬらした布にこすりつけたものでもOKです。

    Q10)食器洗浄機を効果的に使うコツは?

    汚れはへらで軽く落としてから洗浄機に入れましょう。その際、汚れはシンクを経由しないように、直接生ごみ入れへ。
    よく、水を使って予洗いをする方がいますが、食洗器は上手に使えば大幅な節水ができるので、予洗いではなくへらを使って汚れを落とすのが合理的。
    乾燥機能を使わず、洗ってすぐに扉を開ければ、お皿は自身の熱で乾いてしまうので節電効果も。
    乾燥させずに扉を閉めっぱなしで放置すると、機内に菌が繁殖することもあるので気をつけて。

    ももせさんからのメッセージ

    ももせさんからのメッセージ
    キッチンは、ちょっと気を抜くとすぐに汚れを貯めこんでしまう場所がたくさんあります。そこをどうやって洗ったりそうじをすればいいのかを考えることも大切ですが、そもそも汚れを貯めんでしまう物そのものが必要なのか? 汚れない方法はないのかな? と根本を見直してみることも大事。いつも汚れてそうじが大変なものは、思い切ってリストラしてみたり、別の道具に変えることで一気に楽になることもあるものです。それは本当に必要? ということから考えてみるのも、大切ですよね。
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