冬に始める寄せ植え
#16 タマネギと季節の花の重ね植え

欧風の窓辺をイメージ
ヨーロッパの窓辺をイメージした寄せ植え。冬の間のタマネギのパートナーは、真っ赤なゼラニウム。春には、鉢底にしのばせておいたチューリップが入れ替わりに花開きます。
組み合わせた植物
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【植付けプラン】
※上から見た配置
- ホームタマネギ 4株
- ゼラニウム(朱赤) 1株
- チューリップ(ゆり咲き系の赤) 2球
プランター&鉢サイズの目安
今回使用したのは、木の葉のレリーフ模様のあるテラコッタ製の長方形(幅40x奥行21x高さ17cm)のプランターです。
組み合わせのポイント
- タマネギは栽培期間の長い野菜です。寄せ植えの相手を途中で替える必要があるので、冬のパートナーには朱赤のゼラニウムを選びました。 ゼラニウムの下にはチューリップの球根が植えてあり、春になると選手交代です。ゼラニウムの花が終わって他の鉢へ移植すると、下からチューリップが芽を出すという仕掛けです。
- タマネギ栽培は、通常、半年ほどかかりますが、今回は約2.5cmにまで育てられた種球を植えたので、ひと月ほど早く収穫できます。
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タマネギ
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ゼラニウム
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チューリップ
鑑賞のポイント
- タマネギの葉と真っ赤なゼラニウムの花、そして鉄細工のオーナメント、木の葉のレリーフのあるテラコッタの鉢の四重奏。
- タマネギの長期栽培に合わせて仕込んだ花の重ね植え。
育て方
- ◆植えつけ時期:
種球からの植えつけは10〜11月ごろ
◆収穫時期:
3〜4月ごろ
- タマネギは日当たりを好むので、プランターの置き場所に注意します。
- チューリップの芽が出る前に、ゼラニウムは他の鉢に移植しましょう。
esssay
野鳥からの贈りもの

冬は絶好のバードウォッチングの季節。
街中に住んでいても、メジロ、ウグイス、アオジ、シジュウカラ、オナガ、キジバトなど、ちょっとした工夫で身近にたくさんの野鳥を呼ぶことができます。
鳥たちの好きな実のなる木や実のつく草を植え、ネコがジャンプできない高さの餌台を作り、安心して水浴びができる浅い水鉢を置いて、ゆっくり時を待てば鳥たちは必ずやって来ます。
私は穀類の穂や実のついた雑草を束ねたバードリースを木の枝に掛けたり、小麦粉に砂糖とナッツとオイルを加えて練ったバードケーキを作って餌台に載せたり、リンゴやミカンをオブジェのように枯れ枝に刺して鳥たちの訪問を楽しんでいます。
自然界に食べものが乏しくなる真冬だけの楽しみですが、春になると庭やコンテナに植えた覚えのない植物がたくさん芽を出して驚かされます。 鳥たちからのお返しのプレゼント、「野鳥の作った寄せ植え」です。
◆「木原先生のおいしい寄せ植え講座」に掲載されている写真は、木原先生が自宅の庭で楽しんでいる寄せ植えを撮影したものです。
◆植え付けと収穫の時期は神奈川県横浜市が基準となっています。皆さんのお住まいの地域に合わせて調整してください。
木原先生プロフィール
- 木原 ゆり子(きはら ゆりこ)
- 京都生まれ。(財)木原生物学研究所勤務を経て、木原記念横浜生命科学振興財団理事。神奈川県在住。自宅の庭に来るリスや野鳥や虫を友に花と野菜を栽培しながら、動植物に関するエッセイを各誌に執筆。
著書に「花もコンパニオンプランツも楽しむ〜オーガニック野菜の寄せ植え」(文化出版局)がある。
