夏に始める寄せ植え
#07 ラディッシュとレタスの時間差収穫

リーフレタスの花輪仕立て
ラディッシュとレタスのタネを同時に播くと、レタスよりラディッシュの生長が早いので競合しないで育ちます。
ラディシュを収穫したあと、レタスはのびのびと葉を広げ、ぐんぐん育ちます。
組み合わせた植物

【植付けプラン】
※上から見た配置
- ≪バスケット型プランター≫
- ラディッシュ タネ直播き → 適宜、間引き後12株に
- 半結球性ミニレタス タネ直播き → 適宜、間引き後6株に
- ≪楕円形プランター≫
- ラディッシュ タネ直播き → 適宜、間引き後10株に
- 半結球性ミニレタス タネ直播き → 適宜、間引き後5株に
ラディッシュは、赤くて丸い品種だけではありません。長卵型やダイコン型、真っ白いものや紅白の染め分けなど多種多様です。いろいろなタイプのラディシュを楽しむのも面白いものです。パセリと混植してもよいでしょう。
プランター&鉢サイズの目安

左奥のバスケット柄のものは、テラコッタ製の長方形プランター(幅33×奥行17×高さ14cm)です。
右手前はテラコッタ製の楕円形プランター(幅33×奥行16×高さ13.5cm)です。
組み合わせのポイント
- ラディッシュとレタス(栽培例は半結球性のミニレタス「マノア」)のタネを同時に播くと、ラディッシュは30日前後で収穫期を迎えますが、レタスは生長が遅いので、ラディッシュの収穫後が本格的な出番になります。
- 「マノア」は半結球性でこぶし大になるミニレタスです。タネ播き後50〜60日で収穫できるので、ラディッシュと寄せ植えすると同じプランターで2度収穫が楽しめます。

鑑賞のポイント
- 地面から頭を出した真っ赤なラディッシュが朝陽に輝く様子は、育てているものだけが知る喜びです。
- レタスの葉の明るい緑とラディッシュの葉の暗い緑の葉陰から、鮮紅色がちらちら見えるので花がなくても寂しくありません。

育て方
- ◆植えつけ時期:
ミニレタス「マノア」 … 3月〜5月、8月〜10月
ラディッシュ … 5月、8月〜10月 - ◆収穫時期:
ミニレタス「マノア」 … 5月〜7月、10月〜12月
ラディッシュ … 6〜7月、9月〜12月
- ラディッシュは、日本語では「二十日ダイコン」といいますから20日で収穫できるような印象ですが、実際にはひと月ほどかかります。
- ラディッシュの葉にはビタミンが豊富に含まれています。モサモサして舌ざわりはあまりよくありませんが、間引いた苗はレタスとともに料理に使って食べましょう。
esssay
間引くということ

タネまきをすれば間引き作業はつきものですが、同じいのちを容赦なく選別するのは心の痛む作業です。選ばれなかった側に自分自身を重ねてしまって、つい指先が止まります。
もとより芽生えたものすべてを生かすことはできませんが、ゴミとして捨てるに忍びず、私は味噌汁の実や炒めものに入れることにしています。
間引く時は、大き過ぎず、小さ過ぎず、強過ぎず、弱過ぎず、平均的なものを残します。見た目の立派なものを残しがちですが、中サイズのものを残した方が勝ち組・負け組がなく全体が揃います。
◆「木原先生のおいしい寄せ植え講座」に掲載されている写真は、木原先生が自宅の庭で楽しんでいる寄せ植えを撮影したものです。
◆植え付けと収穫の時期は神奈川県横浜市が基準となっています。皆さんのお住まいの地域に合わせて調整してください。
木原先生プロフィール
- 木原 ゆり子(きはら ゆりこ)
- 京都生まれ。(財)木原生物学研究所勤務を経て、木原記念横浜生命科学振興財団理事。神奈川県在住。自宅の庭に来るリスや野鳥や虫を友に花と野菜を栽培しながら、動植物に関するエッセイを各誌に執筆。
著書に「花もコンパニオンプランツも楽しむ〜オーガニック野菜の寄せ植え」(文化出版局)がある。
