第8回 キャベツの栽培のコツ

プランターでも、工夫次第でこんなに立派なキャベツができます!

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目次

キャベツはビタミンCやカロテンを多く含むほか、胃腸薬の成分として利用されているビタミンUや疲労回復に役立つ必須アミノ酸のリジンも含まれています。 寒さに強く、氷点下になってもほとんど被害がないので、冬場の健康維持や野菜不足解消に役立つ野菜です。 プランターでは小型で生育が早い品種を選びます。夏まきなら「ロレーヌ」や「サボイエース」、春まきは「春波」「北ひかり」などがオススメです。

種まき 春まき:3月下旬/夏まき:7月下旬〜8月上旬

プランターまたは育苗容器にタネをまき、混んできたら間引きします。

キャベツのコツ1 種まき

容器に応じた大きさに生長するので、大玉を目指すのであれば、<レリーフプランター深型600>以上の土がたっぷり入る容器がオススメです。用土は標準のもので大丈夫ですが、少し重い粘土質を好むので赤玉土を少し足してもよいでしょう。

<プランターサイズと株数&植え方>
■レリーフプランター550
(幅約55.4×奥行約24.1×高さ約18cm)
株数:3株
植え方:1条
■レリーフプランター深型600
(幅約60×奥行約27.2×高さ約26.4cm)
株数:3株
植え方:1条
■ベジタブルプランター深型650
(幅約65×奥行約45×高さ約38cm)
株数:6株
植え方:2条

<タネまきの時期について>
タネまきが遅れると生育が遅くなるため葉の数が増えず、しまった大玉はできません。タネまきは必ず、7月下旬から8月上旬に行うようにしてください。 春まきの場合は株が小さいうちに低温にあうと、トウ立ちしてしまうので、3月下旬以降にタネまき・育苗します。育苗中、ビニールトンネルで保温するとトウ立ちが少なくなります。暖かくなると害虫が増えるので、しっかり防除しましょう。

タネのまき方は直まき、育苗栽培のどちらでもできます。

<直まき>
少量なら、植え替え時の傷みがない分、直まきがオススメです。育苗栽培よりも10日以上早く収穫することができます。

株間15〜20cm、1ヶ所3〜4粒で点まきします。

本葉4〜5枚の頃

混んできたら間引きし、本葉が4〜5枚になる頃、1本にします。

<育苗>

ペーパーポットやセルトレイに1マス3〜4粒ずつタネをまき、混んできたら間引きます。

定植適期の状態

本葉が4〜5枚になるまでに1マス2〜3本にし、株間15〜20cmに定植します。本葉が7枚になるまでには1本に間引きします。

追肥 春まき:4月〜5月/夏まき:8月〜11月

肥料を条溝施肥します。

キャベツのコツ2 肥料

キャベツは肥料をよく吸収するので、肥料切れを絶対起こさないように気をつけます。元肥を施し、その後は20日おきに4回追肥を施します。葉の色が薄いときは、10日に1回液肥を与えると、さらによく育ちます。

左の写真のように結球が始まった頃から、特に生長が旺盛になります。水をたっぷり与えるようにしましょう。

【ポイント】
生育期が長いので、下葉が枯れてきます。病気を防ぐため、枯れた下葉はかき取って株を清潔に保ちましょう。

収穫 春まき:6月下旬〜7月上旬/夏まき:11月下旬〜1月

球がよくしまったら、収穫します。

【ポイント】
結球後、収穫せずに放置しておくと、裂球してしまうので注意!

キャベツのコツ3 収穫

球がよくしまったら収穫です。外葉を押さえて、包丁でキャベツの球を茎から切り離します。
品種によっては柔らかめで収穫するほうがよいものもあるので、タネ袋などの記載を確かめてください。夏まき栽培は寒さにある程度当たった方が、甘味が増します。

※上岡先生の「プランター菜園のコツ」に掲載されている写真等は、上岡先生が自宅屋上で育てた野菜を撮影したものです。
※栽培スケジュールは、兵庫県明石市が基準となっていますので、皆さんのお住まいの地域に合わせて栽培時期を調整してください。

上岡先生プロフィール

上岡 誉富(うえおか たかよし)

園芸研究家。愛媛県出身、現在は兵庫県在住。農林水産省園芸試験場勤務を経て、兵庫県農業試験場淡路・宝塚分場長で退職。その後、園芸相談などを勤めながら園芸研究家として活躍。(株)タキイ種苗「園芸新知識 野菜号増刊 野菜ガイド」で執筆中。自宅でも野菜づくりを実践しており、屋上でプランター菜園を始めて15年以上。

著書

『かんたん!プランター菜園のコツのコツ〜上岡流 写真図解でわかる逸品づくり(農文協)〜』
プランターでの野菜栽培の基礎の基礎から48種の野菜の作り方までが、分かりやすく豊富な写真と図で解説。上岡先生のプランター野菜づくりのコツをもっと知りたい時はこの本を!

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