半円型の支柱にフィルムや寒冷紗などをかけ、その中で野菜を栽培する「トンネル栽培」。不織布などで直接野菜の上を覆う「ベタ掛け栽培」。
初心者にとって難しそうに見えるこうした手法は、野菜づくりにどんな風に役立っているかご存知でしょうか?
今回はトンネル栽培やベタ掛け栽培の効果とその方法を紹介します。
1.トンネル栽培やベタ掛け栽培の効果
防寒・防霜
冬作の収穫期間を長くする、トウ立ちを防ぐ
防暑
日差しを和らげ、気温や地温の上昇を防ぐ
防風
強すぎる風勢を和らげて株を守る
保湿
土壌の水分を保ち、乾燥を防ぐ
防虫
コナガなどの害虫が卵を産み付けにくるのを防ぐ
防鳥
トマトなど野菜の実が鳥に食べられるのを防ぐ
2.トンネル支柱を使った栽培方法
では実際にトンネル支柱を使って組み立ててみましょう!
1.タネまきや苗の植え付け、マルチングは作業前に済ませておき、畝をまたぐように支柱を深く挿し込む。トンネルの高さは40〜50cmが目安。
2.支柱の上にフィルムや寒冷紗を広げて全体を覆う。フィルムの4方の裾にクワで土を載せて、しっかりと留める。
3.支柱と支柱の間に別の支柱を挿し、フィルムを押さえるように斜めにかける。
これで完成です!
3.ベタ掛けの掛け方
ベタ掛けには色々な掛け方があります。そのうち、代表的な2つの方法をご紹介します。
【直掛け】
支柱を使わず、ベタ掛け資材を作物の上に直接掛ける方法。
資材の飛散や害虫の侵入を防ぐために、資材の裾は留めておく。
ハウス内といった風や害虫侵入の心配がない環境なら、裾を固定しない「置き掛け」もOK。
<直掛け>
<置き掛け>
【浮き掛け】
ベタ掛け資材が作物に直接触れないように、資材を掛ける方法。
支柱で作物の上部に空間をつくり、支柱の上にベタ掛け資材を掛ける。
資材の裾を地面に着けず、資材を平らに掛ける「棚掛け」という方法もある。
<浮き掛け>
<棚掛け>
ワンポイント
【プランター栽培ならトンネルやベタ掛けも手軽!】
畑一面に施すのは大変そうなトンネルやベタ掛けも、プランター栽培なら簡単です。
支柱はトンネル用の針金をプランターの両端と中央に3本挿すか、長さ60cm程度の支柱をプランターの4隅に挿せばOK。この時、支柱はプランターの底まで深く差し込むことがポイントです。
フィルムやベタ掛け資材を掛け、裾を固定する場合は洗濯ばさみで留めます。日中蒸れたときはフィルムなどの裾を2〜3cm上げて換気する、夜間は裾をしっかりと留めて保温する、といった調節も手軽に行えます。
トンネルやベタ掛けが初めてという方は、まずプランターでトライし、効果を実感してみてはいかがでしょう。