寒さの恵 -凍み豆腐-

ブログ「農家の嫁の事件簿」で大人気のAKIさんが山村の一日を絵日記風にお届けします。寒い季節になりました。1月の中頃から2月いっぱいぐらいまでは、北国の釜津田は極寒期。

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    寒い季節になりました。1月の中頃から2月いっぱいぐらいまでは、北国の釜津田は極寒期。朝晩の冷え込みは氷点下十数度、日中でも気温がプラスになることは稀で、なんというか、すっぽり冷凍庫の中で暮らしているような感じ。
    もともとは関東の生まれ・育ちなので、こんな寒さは大の苦手。身にしみます。けれど、それなりに寒くないと困るナァ、ということも。

    冷え込みがうんと厳しくなると、こちらでは凍み豆腐を作ります。凍み豆腐は、お豆腐を凍らせてつくる保存食。凍らせることでお豆腐の水分をすっかりぬいて作るのです。
    作った凍み豆腐は、煮付けにしたり、お味噌汁の具にしたり、こちらの盆・正月の定番料理・煮しめにも欠かせません。一度水分を抜いてあるから、料理をするとうんと出汁をすって、じゅわ〜っとアツアツ、美味しいのです。
    その美味しさを引き出すのに欠かせないのが、この冬の寒さ。軒下に、吊るしておくだけであっという間にお豆腐が凍って、凍み豆腐になるから素敵。

    昼間は陽を浴び、朝晩は星空の下で、そして基本的にはきりっと冷えた北国の寒さの中でできる凍み豆腐は寒さの恵。その味を知ってしまったあかつきには、やっぱり寒い季節はそれなりに寒くないと困るナァ、と思わざるをえないのです。

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