- アンケート期間:
- 2011年12月6日〜2012年1月19日
- 回答者数(頭数):
- 1,976名
- 対象:アイリスペット
- どっとコム会員
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、人だけではなく、たくさんの犬や猫も被災しました。
犬や猫のためにどんな対策が有効だったのか、また地震の時の犬や猫の反応はどうだったのか、アイリスペットどっとコムの会員のみなさんにうかがいました。
震災の時に困ったことは何か?などの結果を参考に、ぜひ愛犬・愛猫と『もしも』に備えてください。
Q.自宅はどの程度の揺れに遭遇しましたか?
Q.避難が必要だった方はペットと一緒に避難をしましたか?

≪避難した194名の回答≫
多くの方がペットと一緒に避難していました。
一方で、ペットを自宅に残して避難した方は12%で、うち4%が犬、8%が猫でした。
そのほとんどが室内飼育で、地震で脱走してしまって一緒に避難ができなかったり、ペットの不安感が強くて連れ出すことができなかったりなど、一緒に避難をしようとしても、できなかったという方が多数いました。
普段から、キャリーなどを『安心して過ごせる場所』と教えてあげておくと、緊急時に避難する時にも人もペットも、安心して連れ出すことができますね。
ペットだけ家に残して避難してしまうと、立ち入りが禁止されてしまうなど、その後ペットが連れ出せない場合もあったようです。
避難が必要な場合は、可能な限り一緒に避難することをオススメします。
Q.地震発生前に、犬猫に普段とは違う行動が見られましたか?
- 違う行動とは・・・
- ・飼い主の側から離れない
・いつもより吠える、鳴く
・体を小刻みに震わせる
・普段と異なる場所にいたがる
- ・落ち着きがない
・怯えている
・どこかに隠れる
など・・・


約17%の方が、地震発生前に犬や猫に普段と違う行動が見られたと回答しました。
また震度4以上の揺れに遭遇した方は約23%が違う行動が見られたと回答しました。
これは、地震の前兆として何かしらの変化を感じ取って、普段とは異なる行動を起こしたのではないかと考えられます。
このような動物たちの行動を地震の前兆として受け止めることができれば、
人もペットも、地震から身を守りやすくなるのではないでしょうか。
Q.震災後1ヶ月、ペットに関して困ったことを教えてください
上位10項目 | 回答数 | 割合 | |
---|---|---|---|
1 | ペットの不安が強く、安心させることが難しかった | 228 | 19% |
2 | 水が手に入りにくかった | 175 | 16% |
3 | フードが手に入りにくかった | 173 | 14% |
4 | トレイシーツが手に入りにくかった | 77 | 6% |
5 | 猫用トイレ砂が手に入りにくかった | 69 | 6% |
6 | 食餌をなかなかしてくれなかった | 31 | 3% |
7 | 人と一緒に避難できなかった | 28 | 2% |
8 | キャリーやクレートに慣れていないので、 安全確保や移動時に苦労した |
25 | 2% |
9 | 動物病院に連れて行くことが出来なかった | 24 | 2% |
10 | ペットを衛生的に保つことが難しかった | 22 | 2% |
震度4以上揺れた1203名の回答 |
『ペットの不安感が強かった』という意見が、水やフードなどの物質的な入手困難を差し置いて、最も多くなりました。
震災時の備えとしては、水やフードなどの物質的な準備が先行しがちですが、非常時にも飼い主といれば安心できたり、キャリーの中なら安心できる、といった普段からのしつけや信頼関係を築いておくことも、重要なことだとわかりました。
またその他の意見では、『犬や猫の体調が悪化した』、『とにかく怯えてしまう』、『放射性物質の心配があり、飲み水の確保が難しい』などの声が多く寄せられました。
水に関しては、放射性物質の心配の他にも、人用のミネラルウォーターではミネラルが多すぎるので、ペット用の水の確保が難しかった、というご意見も多数いただきました。
Q.震災の前と後の、災害対策の状況を教えてください


震災後に災害対策をしている方について、人用の備えは震災の前と後を比較すると1.5倍でした。
ペット用の備えをしている人は、人用に備えている人よりも割合は低かったものの、震災前の2倍という数値に。
ペット用に備えが必要だという意識が非常に高まった結果となりました。
Q.震災後にどのようなペット用の対策を行なっていますか
回答数 | 割合 | ||
---|---|---|---|
1 | フード | 1101 | 93% |
2 | 飲み水 | 923 | 78% |
3 | トイレ用品(トイレシーツ・猫砂) | 637 | 54% |
4 | 首輪・リード | 596 | 51% |
5 | 避難用のキャリー・ケージ | 541 | 46% |
6 | おやつ | 526 | 45% |
7 | ウェットティッシュ | 509 | 43% |
8 | タオル | 442 | 38% |
9 | 食器 | 418 | 35% |
10 | ブランケット・マット | 403 | 34% |
11 | 家具の転倒防止 | 371 | 31% |
12 | ワクチン接種・ノミダニの予防 | 345 | 29% |
13 | 観察・迷子札 | 336 | 29% |
14 | ペットの写真 | 211 | 18% |
15 | 避難場所・避難時の行動の確認 | 197 | 17% |
回答者数1976名 |
震災時にはフードや水、トイレ用品などの必需品に加え、避難用のキャリーやリードなど、避難を想定した備えを多くの方が行っていることがわかりました。
また震度4以上の地震に遭われた方の回答も、ほぼ同じ結果となりました。
また、家具の転倒防止はランキングとしては11位でしたが、飼い主にとっても非常に重要な備えです。
実際に宮城県のアイリスオーヤマ社内でも下の写真のように、転倒防止対策の有無で、こんなにも違いがありました。
お留守番をさせることも多いペットのためにも、転倒防止対策をオススメします。
Q.マイクロチップを装着していますか?
回答数 | 割合 | |
---|---|---|
装着済み or 装着を検討中 | 565 | 29% |
装着予定なし | 1281 | 65% |
マイクロチップが分からない | 130 | 7% |
回答者数1976名 |

マイクロチップとは、直径2mm、長さ約11mmの特殊ガラスで出来た棒状のもので、中には世界でただひとつの固体識別の情報(番号など)が入っています。
これを注射のようなものでペットの体内に挿入し、固体識別の情報を登録しておくと、迷子などになった時にリーダーという機械でその情報を読み取り、飼い主を探すことが出来るというものです。
装着している、もしくは装着を検討中の方は、3割以下という結果になりました。
まだまだ普及が進んでいないために、装着しても役に立たないのではないか、という意見が多数ありました。
その一方で、地震の後にすぐに装着しました、という声も。
マイクロチップは、震災時以外にも、脱走してしまったり迷子になってしまった、という時に役立ちます。
Q.震災時のエピソードをお聞かせください
埼玉県 梨陽子さん
猫は3ヶ月ほど食欲が戻らず現在も震災前の体重には戻っていません
宮城県 Loveママさん
マンションの10階で揺れが凄く絶対マンションが倒壊して死ぬと思いましたが、2匹の犬が一緒でずっと抱きしめていたから救われました。もし一人なら気を失っていたと思います。
福岡県 あるとむさん
宮城の実家と連絡がとれなくなり、携帯片手に持ちテレビ画面から離れられないほど不安な日々。そんな私の不安顔を眺め、ずっと膝の上を温め続けてくれた愛犬にどれほど支えられた事でしょうか。
東京都 蒼那さん
最近でも緊急地震速報の音が鳴ると ガタガタと長時間全身震えています。緊急地震速報が鳴ると 即座にクレートに入って待機するようになりました。
千葉県 モン子さん
計画停電も夜間に実施される事が多く真っ暗の室内では寄り添って時間を過ごしました。私の方がペットが居てくれたお陰で励まされた気がします。
青森県 edyさん
犬達(2匹)も一緒に被災しました。津波が来て取り残されましたが、消防の方が救助に来られ、「犬が一緒なんです」と言うと犬達も一緒に救助していただき実家から脱出することができました。
宮城県 mie-1さん
首輪と迷子札の必要性を強く感じました。
福島県 くるみおさん
原発爆発後に避難しようと、公共機関(福島県脱出用臨時バスの類)に望みをかけたが全て「ペットお断り」。また避難所に辿りついても、アパートを探しても、「ペット連れの人は入れません」と断られ、「ペットと共にある事を選ぶ限りどこにもいけないしどの屋根の下にも入れないのか」と悲しくて泣きたくなった。そんなどん底気分の時に親切な一般の方に手を差し伸べて頂いたおかげで、今も福島で愛娘達が一匹も欠ける事なく一緒に暮らしていられる事に、ひたすら感謝しています。
宮城県 ジジラさん
余震が続く中、マンションに残る決断をし、ドアの外側に中に居る人間と猫の数を貼り紙しました。避難所に連れて行けないなら、一緒に残ろう!と決めたことで改めて家族なんだと感じました。
宮城県 ランとマークさん
4歳のダックスと12歳の寝たきりのシーズーと自衛隊のボートで3日目に自宅から助けてもらいました。偶然、津波被害を免れた地域の知人に会い、お世話になり、5日後に水が引き、帰宅しました。その夜中に部屋の布団の上で、寝たきりのシーズーがきゃんきゃんと10回ほど泣き、合図をするように私たち気づかせて、なくなりました。本当に無理してでも家に戻ってきてよかったと思いました。
青森県 柴犬豆ちゃんさん
すぐ津波が来て、愛犬は危うく水に飲まれそうになったが、わんこの不思議な行動(海を見て耳を傾けていた)で、すぐに気がつき、難を逃れた。
神奈川県 NYANKOさん
猫が3匹います。1匹はパニック状態、1匹は身動きせず、もう1匹はどこかに隠れていました。その後、2日くらいは余震が来る前に、威嚇のような声を発したり震えていて、携帯の緊急地震速報よりあてになりました。
Q.応援メッセージなどをお寄せください
大阪府 べ〜ちゃんさん
私もボランティアで被災した犬を支援していますが、飼主様の辛いお気持ちは計り知れないものがあります。無理をしないで下さい。頑張り過ぎないで下さい。泣きたい時には泣いて下さい。
香川県 そらっち55さん
愛するペットを守りたかったのに、守りきれなかった被災者の方々の心痛を思うと、かける言葉がありません。子供の数よりペットの数のほうが増えている日本のような場合、災害時の対応として、ペットの居場所確保の対策も必要ではないでしょうか?
宮城県 ルートママさん
なぜ、仮設住宅でペットを飼えないところが多いのでしょうか。ペットも家族の一員なのに。とはいえ、ペットが苦手の人たちもいるわけだから、このような対応になるのは仕方がないことなんでしょね。頭では分かっていても、複雑な心境です。一日でも早く、ペットと過ごせる日が来ることを願うばかりです。
愛知県 えりにゃんさん
避難所に入るために泣く泣くペットと離れてしまった方、避難の際にペットと共に逃げ遅れてしまい亡くなった方もいると思うと身を切られる思いです。どうか以前のように同じ屋根の下で暮らせる日が来ますように。
茨城県 ニジイロさん
地震後のとっても不安な日々・・・私たち家族は本当にペットに癒されました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう。
福島県 rarirurenさん
ペット同伴可の避難所や仮設住宅を作って欲しい。飼い主と離れ離れになってしまったペットたちが一日でも早く飼い主と再会できますように・・。ペットはただ単なる「ペット」ではないんです。家族同様なんです。癒し癒され・・大切な大事なかけがえのない家族なんですよね。
愛媛県 くりっとさん
早く飼い主と一緒に過ごせる日が来ることを願います。どうぞ、どうぞ少しでも不安や恐怖から開放され穏やかな日々を過ごせますように。
千葉県 えりたさん
テレビで拝見しましたが、胸が締め付けられる思いでおります。ボランティアスタッフのみなさまには頭が下がります。本当にありがとうございます。どうか一匹でも多くの命が幸せを迎える日が早く訪れますよう祈っております。。。
山形県 pasddさん
一日でも早く、飼い主さんといっしょに過ごせるようにと思っています。テレビで見る、ペットたちの悲惨な光景に涙してましたが、ボランティアの方々の活動が救いでした。ありがとうございます。
茨城県 ブーレママさん
震災後に犬や猫を預かりました。被災地で頑張る人を支えたいと思う人が必ずいます。まだまだ引き受けてくれる人はいると信じています。家族を失ったペットたちの不安は計り知れません。続けられる限り、ペットを引き取って里親探しを続けていきます。被災地で働く皆さま、その素晴らしい行動は、被災した人やペットを確実に助けているでしょう。心から尊敬申し上げます。
千葉県 u-tannさん
お金を出して新しくペットを購入する方へ、「お願いです。飼い主が見つからず困っている動物たちがいます。まずそんな子たちを飼ってやっていただけませんか?」
岩手県 ゴンタコさん
避難所の雰囲気はペットを許してはくれないようにみえました。ペットが子どもと同様に受け入れてもらえる日が早く来て欲しいです。
三重県 キューローさん
私にはちっぽけな力しかありませんが、ずっとず〜っと応援し続けます。生きている限り忘れませんよ。必ず復興します。日本中応援していますよ。
愛知県 星猫★ちょびすけ さん
多くのペットたちが幸せになれるよう祈っています。私たちにできること、何かあるでしょうか。
青森県 じゅりいさん
ひとつでも多くの奇跡が起きますように…。
編集部より
いかがでしたでしょうか。
今回は多くの方にご協力いただきまして、貴重なご意見をうかがうことが出来ました。
みなさんからは読みきれないほどのメッセージを多数いただきました。ひとつひとつ、心のこもったメッセージばかりで目頭が熱くなりました。
ここですべてをご紹介できないのが、とても残念です。
震災はいつどこで起こるか分かりません。特にペットに関する援助は期待しにくい状況が考えられますので、可能な備えをしておきましょう。
まずフードや飲み水を中心に、そして避難を想定したキャリーなどの準備をお忘れずに!!普段からキャリーなどに慣らしておくことも重要です。
また、『ペットが地震を予知している可能性』については、まだまだ分からないことが多く、更なる調査が必要です。
あなたも、注意深く「この子はこんなことするかな?」といつもと違う(かもしれない)行動を見つけてみてください。
そして、ひょっとすると思いがけないことを教えてくれ、私たちを救ってくれるかもしれません。
震度4以上の方が全体の60%以上ということで、アンケートに答えていただいた方の多くは当時、揺れの強い地域にいらっしゃいました。