1.オス特有の発情に関わる病気
精巣腫瘍
精巣腫瘍の代表はセルトリノーマといいますが、悪性腫瘍で転移まで時間がかかるものの放置すると助かりません。本来陰嚢に落ちてくるはずの精巣が途中で止まる事も多く(停留睾丸)、この場合正常な犬に比較して14倍ほどの確率で腫瘍化します。外に出ていれば腫瘍化しても即発見できますが、腹腔内に停留していた精巣が腫瘍化した場合は発見が遅れて手遅れになりやすいです。このような犬の場合は腫瘍化が始まる4歳くらいまでに停留していた精巣を含めて去勢する必要があります。
肛門周囲腺腫
肛門の廻りの分泌腺に発生する腫瘍でメスでもできますが、圧倒的にオスに多いです。悪性の場合は肛門周囲腺癌になります。
前立腺肥大・腫瘍
膀胱の後ろに位置する前立腺が高齢化とともに肥大して排尿、排便障害などを引き起こします。
会陰ヘルニア
尾の付け根の筋肉が弱くなり、やぶれて皮下に腹腔内の臓器が飛びでてくる病気です。
片側の時もあれば両側に起きる事もあります。肛門脇が大きく膨らんで排便障害、排尿障害を引き起こします。
これらオス特有の病気は発症前に去勢手術をすると予防する事が可能です。
包皮炎
包皮(陰茎の亀頭部を覆う薄い皮膚)の内部に細菌が繁殖して膿が溜まります。多くは放置しても問題ありません。
2.メス特有の発情に関わる病気
子宮蓄膿症
5歳以上のメス犬に頻発する病気です。子宮に膿が溜まり放置した場合、腹膜炎を起こしてほぼ助かりません。しかし、早期であれば多くは手術で治ります。メス犬の高齢疾患で最も注意すべき病気です。避妊手術で予防可能です。
乳腺腫瘍
犬の腫瘍では非常に多い病気です。犬の乳腺腫瘍の悪性度は50%。つまり半数は放置すると転移して死亡します。しかし、発情が3回くるまでに避妊手術を受けた犬では乳腺腫瘍の発生がほとんどありません。3回以上発情した犬の場合でも、やはり若いうちに避妊された犬ほど発症率が低くなります。
膀胱炎
雌の尿道は太く短い為に雄に比較して細菌感染に弱く膀胱炎になりやすい傾向があります。
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3.発情期と寿命
<発情期>
◆メスの発情
犬の場合、メスは年に1〜2回の発情期を迎えます。春と秋に2回と思っている人が多いですが、必ずそうなるわけではありませんし年に1度の発情でも正常です。人の生理とは仕組みが異なり、人では排卵後に血が出るのに対して犬の場合は排卵前に発達した子宮から出血します。発情期間は2週間ほど続きます。
◆オスの発情
一方でオスには発情期という決まった時期が存在しません。発情したメスにつられて交尾をすることになります。近所に発情したメスがいたりするとそわそわして脱走することもあります。
<飼育にかかるコスト>
ペットショップでのオスとメスの価格差はあまり無いように思います。
避妊の料金と去勢の料金ではメスの避妊手術の方が1.5〜2倍ほどコストがかかります。
しかし食費は大型犬の場合、体格が大きいオスの方がかさみます。また、フィラリアなどの薬の価格も体重が多いとその分高くなる傾向にありますね。
<交配>
◆メスの子にオスの相手を探す
ペットショップで種付けしてくれますし、お婿さん募集をした場合、相手の応募も多いです。
◆オスの子にメスの相手を探す
一方でオス犬を飼育していて子犬が欲しくてお嫁さん募集をした場合は、ほとんど相手が見つかりません。どうしても欲しい場合はメス犬をもう一匹購入するという人が多いですね。
<寿命>
人間の平均寿命では女性の方が長生きですが(日本の場合)、犬では性差による平均寿命の差はあまり無いと考えられています。
4.体格と性質
<体格>
ほぼ全犬種においてオスの方が大きくなります。血統でのばらつきはありますが、兄弟間ではオス・メスの体格差がかなりはっきりします。
猫は顔つきで性別の見分けがある程度つくのに対して犬の場合は顔つきや体型でオス・メスの見分けをつけるのは困難です。
身体的特徴としてはメスの方が膀胱の許容量が多いのでおしっこを我慢できる時間が長いです。
<性質>
◆縄張り意識が高いのは?
オスは縄張り意識も強く、支配欲も強い傾向にあります。このため、優位性攻撃をとるのはオスの方が多いです。甘やかされ過ぎて噛み付き犬になる傾向はオスの方が高いですね。
◆マーキングしやすい傾向があるのは?
マーキングもオスの方が激しいです。去勢手術である程度は軽くなるものの、クセとして憶えた場合は完全に消えない事が多いです。メスにもマーキングはありますがオスほど頻繁ではありません。
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◆従順で飼いやすいのは?
メスは従順で訓練もオスよりも受け入れやすいです。大型犬種では犬が先導して飼い主が引きずられながら散歩をする光景をよく眼にします。これもオス犬に多いです。よく吠える犬というのもオスの比率が高いと思います。家庭内飼育を考えるとメスの方が一般的には飼育しやすいです。
◆番犬向きなのは?
しかし、使役犬などで体力が必要だったり、番犬などにしたい場合はオスの方が向いているでしょう。
最後に…
オスでもメスでも、ペットとしてはどちらもかわいいに違いありません。しかし性質・なりやすい病気などに違いがあるので、その点に気をつけて飼育してあげてください。
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