原因
1.先天的要因(1歳以下の子犬に多く見られる)
好発犬種:ビーグル、アメリカンコッカースパニエル、ボストンテリア、プードル、短頭種など瞬膜が外転して本来内側にある涙腺が目元に露出します。こすったりする刺激で二次的に涙腺は腫れて真っ赤な色に見えます。
2.外的要因
外的要因で高齢になってから発症する場合もあります。瞬膜の軟骨が外転した場合は治療が大変です。
症状
飛び出した瞬膜が外部からの刺激により炎症を起こして、慢性的な不快感をもよおします。
気になって犬が自分でこすったりしているうちに結膜炎や角膜炎など他の眼疾患を引き起こすことがあります。細菌感染を併発すると、瞬膜が本来の大きさの数倍に膨れることも珍しくありません。
診断
患部の外観から判断することが可能ですが、腫瘍や嚢胞の形成など他の眼疾患との鑑別が必要になります。
治療
反転した瞬膜をピンセットなどを用いて手で整復します。しかしすぐに再脱出することが多いです。点眼薬などの内科的治療で、ある程度の症状軽減は期待できますが、効果があがらない場合または根治を目指す場合には、外科手術による瞬膜突出部位の整復、縫合が必要です。外科的処置でも30%の割合で再脱出が見られるという報告もあります。
以前は脱出した涙腺を切除していましたが、涙の量が足りなくなりドライアイになる事がありますので、現在では切除は余程の事がなければ選択されません。