今回は、愛犬とアイコンタクトをし続ける『Watch』のトレーニングにチャレンジします。
他の犬や人が気になり吠えてしまう犬にとっては、相手を視界に入れないということが、吠えを予防する対処方法となります。また本来、イヌという動物にとって目を合わせるということは、相手に対する威嚇を意味し、初対面の相手とは目をそらします。一方、人ではコミュニケーションを取る際には相手の目を見ながら、というのが常識です。つまり、イヌとヒトでは根本的なコミュニケーション方法が異なるのです。すなわち、人が犬の目をみながら挨拶しようとする行為は、警戒心から犬が吠える、ということを引き出すことにつながります。そこで、今回のトレーニングを、飼い主さん以外の人にも協力してもらえれば、目が合った他人に対する吠えを予防することができます。
おりこう犬プロジェクト!動画deトレーニング!#21 『Watch』 - YouTube
トレーニングステップ1
まずは、ほんの一瞬で構わないので、目が合ったタイミングに褒めていきます。そして、徐々に目が合っている時間を延ばしていきましょう。初めから長時間、アイコンタクトをしようとしても難しいため、少しずつ、が大切です。
トレーニングステップ2
『Watch』という、言葉の合図を教えていきます。トレーニング方法は、動画を参考にしてください。基本は、言葉の合図後にハンドサイン、です。繰り返しトレーニングすることで、言葉の合図を学習します。『Watch』と言いにくい場合には、『見て』などと言葉を変えても良いでしょう。
動画の最後にお話していますが、愛犬には色々なコマンドをトレーニングしてください。いつも愛犬からの要求(ご褒美ちょうだい、だっこしてちょうだい等)に応えてしまうと、皆さんに対する要求の頻度が増え、わがままになっていきます。そこで、人発信のコミュニケーションを取ることで、愛犬は自然と人からの指示を受け入れやすくなり、人に対する期待感がアップします。
今までのトレーニング内容は、あくまで一例ですので、様々なトレーニングにチャレンジして、愛犬との生活を楽しんでいってください。
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長谷川 成志(Dr. Masashi Hasegawa Ph.D.)
博士(学術:動物人間関係学分野)
麻布大学獣医学研究科共同研究員
(株)Animal Life Solutions 取締役 -
アシスタントドッグ育成普及委員会(H13〜17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。2009年10月には世界的なドッグトレーナーの資格CPDT-KAを取得。「人が犬を学び・犬が人社会のルールを学ぶ」をコンセプトに掲げた犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール?」を麻布大学と共同で企画、運営し、講師として活動。さらに麻布大学動物応用科学科の動物トレーニング実習にて、東日本大震災で被災犬となった犬達などの健康管理とトレーニングのサポートを行っている。
スタディ・ドッグ・スクール?