今回は、『Stay』のトレーニングをさらにレベルアップしてみましょう。「家のコには無理」などと言わず、まずは挑戦してみてください。どんなコでも、それぞれ素晴らしい能力を持っていますし、きちんと学習のステップを踏むことで、愛犬は必ずみなさんに応えてくれます。
『Stay』の基本は、失敗した段階を確認し、次は成功をさせることです。つまり、飼い主さんの観察力が問われるトレーニングとも言えます。ゴールをイメージして、その一連の流れを動画のコマ送りの様にとらえると良いかもしれません。そして、愛犬がどのコマで動いてしまい、その前のコマはどの状態なのかを確認するようにしましょう。皆さんが、自分と愛犬の動きを客観的に見る癖を身につけることで、トレーニングが上達し、愛犬に対する理解も深まります。
おりこう犬プロジェクト!動画deトレーニング! #10 - YouTube
今回までトレーニングしてきた内容は、飼い主さんと愛犬との関係作りに役立つだけでなく、日常生活の様々な場面で活用することができます。
『名前』を呼ぶトレーニング(第4回)
動く物(他の犬、猫や鳥など)を見た時に吠える犬であれば、動く物に意識が向いた時に名前を呼び、人に注目させることで、吠える行動を予防することができます。
『首輪を持つトレーニング』(第5回)
予期せぬことが起こり(例えば地震など)、リードを離してしまった時に、直ぐに捕まえやすくなります。
『Sit』『Down』『Stay』のトレーニング(第6回〜第10回)
ドアの出入りの際や他の飼い主さんと立ち話をするとき、横断歩道で止まったとき、靴を脱ぎ履きするとき、リードの着け外しのとき等々、様々な場面で活用することができます。
日常生活で活用しよう #01 - YouTube
いままで頑張ってトレーニングしてきたことを、是非とも日常生活で活用してください。繰り返しトレーニングすることで、愛犬は各場面ですべきことを理解し、自発的に飼い主さんに意識を向け、座ったり伏せたりするようになります。せっかくですから、周りの飼い主さんに「あら〜、よくしつけのできたワンちゃんねぇ〜」と感心してもらえるように頑張ってみましょう。
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長谷川 成志(Dr. Masashi Hasegawa Ph.D.)
博士(学術:動物人間関係学分野)
麻布大学獣医学研究科共同研究員
(株)Animal Life Solutions 取締役 -
アシスタントドッグ育成普及委員会(H13〜17年度 住友生命支援事業)の奨学生としてアメリカの介助犬団体Summit Assistance Dogsに留学し、Certificate of Achievementを取得。2009年10月には世界的なドッグトレーナーの資格CPDT-KAを取得。「人が犬を学び・犬が人社会のルールを学ぶ」をコンセプトに掲げた犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール?」を麻布大学と共同で企画、運営し、講師として活動。さらに麻布大学動物応用科学科の動物トレーニング実習にて、東日本大震災で被災犬となった犬達などの健康管理とトレーニングのサポートを行っている。
スタディ・ドッグ・スクール?