犬の心疾患

これから迎える夏場は気温も上昇し、心疾患を持つ動物には、なおさらきつい季節です。
できるだけ涼しいところで過ごさせてあげましょう。またちょっとでも疲れやすい、咳をする等の異変を感じたら、すぐに病院にいって診察をうけましょう。
症状が出る時点でかなり病気が進行している場合が多いです。

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目次

心疾患の症状

犬にも人と同じ様に心臓病は起こります。飼い主さんが気づく症状でいうと、以下のようなものがあります。

・運動にたえられない、疲れやすくなった。
・呼吸が荒い
・咳をするようになった
・歯茎の色が真っ白。
・突然失神した。

心疾患は大きく分けて先天性心奇形による場合と、加齢による変化に伴って起こるものがあります。

先天性の心疾患:『先天性心奇形』

先天性の心奇形の場合、その程度や奇形の種類にもよりますが、他の同腹仔よりも体格が小さかったり、ある程度大きくなっても、突然死をおこしたりする事もあります。

加齢による心疾患:『僧坊弁閉鎖不全症』

ある程度年を取ってから起こる心疾患になる場合、犬では僧坊弁閉鎖不全症といわれます。この心疾患について簡単に述べようと思います。

僧坊弁とは肺から酸素を含む血液がかえってくる左心房と全身に血液を送る左心室との間にある弁を指します。外見が僧侶がかぶる帽子の形に似ている為僧坊弁と呼ばれています。『Mitral Insufficiency』、『Mitral Regurgitation』などの略からMI、MRの略語で呼ばれる事が多い病気です。

左房と左室での血液の流れが弁の閉鎖不全により逆流が生じて本来は大動脈から全身に行くべき血液が左心房内に一部逆戻りしてしまいます。全身に行く血液が減るのと逆流した圧力で肺静脈の圧力が高くなるので症状が現れます。
代表的な症状は肺水腫といいますが肺の血管から水分が肺胞内に流れ込む状態になる事が多いです。溺れているのと同じ状況に陥るわけです。喉に何か詰まったような咳を繰り返し放置すると窒息で死亡する場合が多いです。
この病気は比較的小型犬種に多く、マルチーズやポメラニアン、ヨーキー、プードルなどが好発犬種です。
また、キャバリアは遺伝的にこの病気になることが運命づけられています。

治療

治療は強心剤、降圧剤、利尿剤ですが、これらの薬は心臓の補助をするだけで閉じなくなった弁を治すものではありません。投薬中は症状が軽くなり治ったように見えますが薬が切れれば当然症状が出ます。
原則的には一生飲みつつけるのが、心臓薬です。

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