理想の飼い主を目指そう!犬編

愛犬の健康のためには、動物病院を上手に利用することが大切です。そこで今回は獣医さんに、理想の飼い主さん像をたずねてみました!獣医さんが飼い主さんに求めているものって・・・?

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目次

愛犬の健康のためには、動物病院を上手に利用することが大切です。
そこで今回は獣医さんに、理想の飼い主さん像をたずねてみました!獣医さんが飼い主さんに求めているものって・・・?

1.獣医さんから見て、理想的な飼い主さんは?

A.きちんとワクチン接種をする飼い主さん。

カルテを一目見て獣医さんやスタッフが「この飼い主さんは愛犬を大事にしている」「この飼い主さんは愛犬をあまり大事にしていない」なんて一目で判断する材料があります。一瞬にして飼い主さんのレベルを見抜く目印。なんだと思います?カルテの厚さ?支払った金額の累積?そんなものではありません。

それはワクチンのシール。たいていの病院ではワクチン接種後、ワクチンのシールをカルテに貼り付けます(飼い主さんが受け取る証明書にも貼っていますよね?)。

カルテをぱっと見てワクチンシールが毎年ちゃんと貼ってある飼い主さんは獣医さんから見て、きちんと手間をかけている良い飼い主さんだという印象があります。逆にワクチンシールが無い患者さんは「この人は病気の予防なんてどうでもいいのだろう=かわいがっていないんだろうな」という印象を持ってしまいます。

同様に、フィラリアの予防をちゃんとしているかどうかも愛犬を大事にしているかどうかの判断材料になります。

2.飼い主側から伝える必要があることとは?

A.どんな症状で困っているのか、何をしてほしいのかを的確に伝えてほしい。

<検査をお願いする時は前もって言ってほしい>
例えば、フィラリアの検査で採血が済んでから、「健康診断の血液検査もお願いします」ってリクエストがとてもよくあります。初めに言ってくれれば一回の採血で済んで犬も楽なのに・・・。

<何を食べさせたか正直に答えてほしい>
ウソをつく飼い主さんもとても多いです。下痢やアレルギー症状などで「何か食べさせませんでしたか?」なんて質問には皆そろって「何も与えていません」と答えるのですが、実際は、その「何か」を食べさせた人が過半数ですね。

正直に言ってもらった方が判断材料になるのですが、大事な我が子(愛犬)の下痢の原因が自分の与えたパンの耳のかけらだったりしたらちょっと罪悪感を感じてしまうわけなのか、ウソをつく方も多いです。

誘導尋問で「人が食べているときにちょっとパンとかやったりしてない?」とニヤっと笑ってたずねると「あ、パンは食べました」なんて答えがよく返ってきます。

グルテンアレルギーなどで下痢や痒みが出る犬の原因はパンが一番多いので、正直に言って貰った方が診断が早くできます。

<薬が効いたかどうかきちんと観察して報告してほしい>
薬が実際飲んでいるときは効いていたのに、薬が切れた数日後に来院して「あの薬は全然効かなかった」という飼い主さんもよくいます。一度こう言ってしまうと覆しにくいのでしょうね。「薬を飲んでいる時は良くなかったですか?」って聞き返すと「飲んでも全く効かなかった」と意地になって言い返してきます。

夫婦で来院していて、

妻 「薬を飲んだら効いてたわ」
夫 「いや効かなかった」
妻 「効いてたじゃない」
夫 「全然効いてないって」

なんて夫婦喧嘩を始める飼い主さんもいました。

「薬を飲んでる間は効いていたけど、切れたら再発した」というのと「初めから全然効かなかった」のでは次に処方する薬が全く変わります。症状が再発して「治療してもらったのに治らないってどういうこと!?」という気持ちもわかりますが、病状は正確に伝えましょう。

3.獣医さんが飼い主さんに求めることとは?

A.治療のための予算が足りないときは、隠さずに相談してほしい。

例えば、子宮蓄膿症などの生命にかかわる状態で緊急に手術が必要な時でも、予算が足りなくて手術を拒む飼い主さんもいます。ところが、手術をしない理由を「もう何年も飼ってやったことだし、切るのはかわいそうだから手術はしません」って言われちゃうと、獣医師も「そうですか・・・」としか言えないわけです。この飼い主さんは予防も何もしてないし、きっと予算足りないのじゃないだろうかと思っても、それを聞くのも大変失礼な話ですから「安くしたら手術しますか?」なんて聞けないわけです。

金銭の問題は個人によってどうしようもないことですからお金が無いのは悪いことではありません。そのときは「これ以上は出せない」とキッパリ伝えましょう。その方が診察する側としてもサバサバしていてよいです。「だったらこれを削って、これはサービスでこの価格でなんとかやりましょうよ」なんて話になってきます(どこの病院でも必ず安くできるというわけではないですけどネ)。

4.「こんな飼い主さんは困る!」っていうのはどんな場合?

A.話を聞かない飼い主さん、ノーリード・ノーケージの飼い主さん。

獣医さんが一生懸命説明してもまったく聞いていない飼い主さんもいます。そういう飼い主さんは同じ質問を何度も繰り返しして同じ答えを何度も言わなければならず、大変です。

また、ノーリード・ノーケージの飼い主さんも困ります。犬が待合室をうろちょろしてオシッコをかけたり、他の患者さんにちょっかいだしたり。飼い主はそれを笑って見てるだけ、なんていうことがあります。さらに凶暴な犬を飼い主さんが制止できないこともあります。マナーを守るだけでなく、きちんと犬をしつけて大人しく診察させることも飼い主さんの大切な役目です。

最後に…
犬の病気を治したいと思う気持ちは飼い主さんも獣医さんも同じです。でも、獣医さんにまかせればいい治療ができるというわけではありません。大切なのは、飼い主さんと獣医さんが協力しあうことなのではないでしょうか。

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