
これはうさぎに多く見られる皮膚疾患で、「足底潰瘍」とか「飛節びらん」ともいわれます。 ほとんどが後ろ足裏のかかと寄りの部分に発生し、炎症、化膿、潰瘍、壊死と、時間をかけて進行し、硬くて乾いた痂皮(カサブタ)を形成します。
【原因】
足の裏が床と接触する時の圧迫で皮膚の壊死が生じるために起こります。 うさぎ自身の原因としては、血統的に足の裏の毛が薄い個体、大型のうさぎ、肥満したうさぎで発生しやすく、環境としての原因は、ケージの床の不適切(素材の問題、湿っていて不衛生)や湿度が高いなどがあります。 足裏の毛の量は遺伝的なもので、親子や兄弟がそろってこの病気になることがあります。 主な原因細菌は黄色ブドウ球菌です。
【症状】
初期には脱毛部が赤くなるだけですが、しだいに進行して潰瘍(皮膚に穴があいた状態)になり痂皮が形成されます。痂皮は円形で硬いものです。痂皮の下に膿がたまり、痂皮が裂けて膿が出てくることもあります。 膿がたまると特に痛むので、歩行に異常がみられます。うさぎは落ち着きがなくなったようにみえます。じっとしているときも、反対側の足に体重をかけるので傾いてみえることがあります。 重症の場合はやせたり食欲がなくなり、菌が全身に回って死亡する可能性があります。 体のチェックをする時は必ず足の裏を確認しましょう。軽度の発赤のうちに対処すれば悪化が防げます。
【治療】
すぐに床を改善します。 床の材質を変えることが大切ですが、治癒するまでの間は、特に柔らかく吸水性にすぐれた床敷きを厚めに敷き、まめに取り替えます。 患部を消毒して、化膿している場合には抗生剤を投与します。 治療を行っても治癒にはかなりの時間がかかります。 また、完全に治癒するまで治療を続けないと、急に悪化することがあります。根気よく治療と看護をすることが重要です。