猫の嘔吐
猫が病院を訪れる理由の一つとして多いのが下痢と嘔吐です。
しかし、嘔吐は、猫によっては頻繁に見られるため、
病院に連れていくべきかどうか迷ってしまう飼い主さんも多いのでは?
今回は、そんな嘔吐のお話です。
1.吐く事は異常なの?
猫では毛玉を吐くという行為がよく見られます。
グルーミングで身体全体を舐めた時に毛を飲み込んでしまいますので胃に溜まった毛を吐き出します。
どの猫も必ず毛玉を吐くわけではなく、全く毛玉を吐かない猫というのもそこそこ居ます。毛足の短い猫やグルーミングをサボリがちの猫では胃に毛が溜まりません。
<体調が悪いと、毛並みが悪くなる?>
「毛並みが悪いから具合が悪そうだ」という飼い主さんの声をよく聞きますね。体調が悪いから毛質が変わるわけではありません。
体調が悪いとグルーミングをしなくなるので毛並みが悪くなるのです。
<毛玉以外にも、病気でないのに吐く場合>
毛玉がなくとも吐く場合があります(病気ではないにもかかわらず)。空腹時の胃液の溜まりすぎとイッキ食いでの急激な胃の膨張が原因です。
2.受診の必要がある時・無い時の見分け方
週に1〜2回程度の嘔吐で何ら症状もなく、食欲も旺盛で体重も変化がない時は、全く病気と関係のない場合も多いです。
<受診の必要があるケース>
毎日のように吐く
1日に4〜5回以上も吐き続ける
吐き気は週に1回程度だが体重が減ってきている
こんな場合は診察が必要です。
3.嘔吐の症状が表れる病気
吐き気が出る猫の病気は100以上ありますが、代表的な病気をいくつかあげておきます。
<パルボウィルス>
ワクチン未接種の猫が突然吐き気が止まらなくなる場合一番怖いのがパルボウィルスです。
嘔吐が始まり5日目くらいには亡くなる事が多いです。
<異物による腸閉塞>
異物による腸閉塞でも嘔吐はよく見られます。水を飲んでさえ吐くようになります。
異物の嘔吐は初めは何度も吐きますが3日ほど経過すると嘔吐の回数が減ってきます。
ここで治ったと勘違いしないように。
腸閉塞で嘔吐が減少する時期ですとかなり体調は悪くなっているはずです。
<腎不全>
高齢猫で嘔吐が多く痩せてきた場合は腎不全の可能性が高いです。
血液の検査ですぐに判定できますね。
<尿毒症>
尿の回数が増えると膀胱炎になっている事が多いのですが、何度もトイレにいきながらさらに嘔吐がみられるときは、完全に尿がでなくなって尿毒症になっていることがあります。
この場合は非常に危険な状態になっていることが多いです。
(腎不全が悪化すると尿毒症になります)
最後に…
ひとくちに嘔吐といっても、原因はさまざま。原因を見つけるには、嘔吐の回数・頻度・体重の変動があるかどうかを確認する必要があります。普段から、愛猫の様子をよく観察しましょう。