第5回 きのこたっぷり炊き込みごはん
主食の選択肢が増えた現代であっても、日本人にとって特別な食材の「お米」。お米は日本の歴史の中で特別な穀物とされ、儀礼や信仰とも深く関わっています。
そういった背景を少しずつ知って欲しいなと思い、子どもたちと一緒に山梨の棚田と自宅のお庭でお米作りをしています。お米が食卓に上がるまでの工程を知ることはもちろん、四季折々の生き物や自然との関わりも体感することができます。

米作りを経験した後は、「ごはん粒」の見え方も変わるはず。我が家では、「ノコサナイ茶碗」というごはん粒が見えやすい子ども用の有田焼茶椀を使い、子どもたちが自分の食べられる分だけをよそうことをルールにしています。
味覚を感じるための味蕾の数は大人よりも子供の方が多いため、子供は味覚にとても敏感。ごはんのほのかな甘味、旨み、食感をダイレクトに感じるうちに、食材の本当の味を覚えて欲しいなと思っています。

第5回でご紹介するお料理は、「きのこたっぷり炊き込みごはん」です。レシピでは4種類のきのこをたっぷり使っていますが、もちろん1種類でもOK。炊いている時からきのこの良い香りがキッチンに広がります。
きのこは炒めてから加えることで、余分な水分が飛び、コクも出ます。おこげもまた美味し。出来立てはもちろん、お弁当でも美味しく召し上がれますよ。
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<材料(作りやすい分量 4人分)>
- 米
- 2合
- きのこ(エリンギ、舞茸、しめじ、えのき等)
- 250g
- 油揚げ
- 1枚
- 万能ねぎ(お好みで)
- 2〜3本
- 酒
- 大さじ2
- 薄口しょうゆ
- 大さじ2
- みりん
- 大さじ1
- だし
- 2合線まで
- サラダ油
- 大さじ1/2
作り方
- @ きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに切り分ける。油揚げは縦半分に切り5mm幅に切る。
- A フライパンに油をひかずに油揚げを入れ、表面に焼き色がつくまで焼き取り出す。そのままフライパンに油をひき、しんなりするまできのこを炒める。
- B 米を研いで炊飯器に入れ、調味料を全て入れた後、2合の線までだしを加える。Aの油揚げ、きのこをのせて通常通り炊飯。器に盛り、お好みで小口切りの万能ねぎを散らす。
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炊き込みごはんを作る時の水加減は「加える調味料と合わせて、いつもの水加減」というのが決まりです。炊飯器であれば、先に調味料を加えてから水加減の線まで水を加えると良いと思います。
きのこなど水分を多く含む具材は、炒めるなどサッと加熱してから加えるとごはんが水っぽくなりません。
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- ごはんソムリエ 秋元薫さん
- 料理研究家、フードアナリスト。
大手食品メーカー経営企画部から料理の世界へ転身。ル・コルドンブルーをはじめとする数々の料理学校で世界各国の料理を学び、インド料理教室のアシスタント等を経て独立。 料理教室の主宰、企業や雑誌へのレシピ提供、レストラン紹介の執筆、お米日本一コンテストの審査員など幅広く活動中。 - HP:kamado http://www.k-kamado.com/home.html