夏のお弁当をおいしくつくるコツ

夏も美味しい、傷みにくい、さらに野菜たっぷりのヘルシーなお弁当づくりのコツを、人気お弁当ブロガー・山根康子さんがご紹介。

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目次

    じめじめシーズンから夏に向けてのこれからの時期、お弁当づくりは、とくに「安全性」に気をつけたいですよね。かといって、抗菌性を重視するために、おいしくなかったり、おかずがマンネリ化したりしてしまってはお弁当ライフの楽しさが半減してしまうというもの。そこで今回は、夏も美味しい、傷みにくい、さらに野菜たっぷりのヘルシーなお弁当づくりのコツを、人気お弁当ブロガー・山根康子さんにお聞きしました。
    目次
    1.たっぷりスタミナヘルシー弁当
    2.ビューティーアップ弁当
    3.夏のお弁当作りTips

    この方に教えて頂きました!

    山根康子さん

    山根康子さん
    フリーランス翻訳者として活動しながら、長男の幼稚園入園を機に簡単ヘルシー弁当をテーマにした写真ブログをスタート。
    肉、魚、卵、乳製品、砂糖、みりん、酒、だしを一切使わないゆるベジを取り入れた健康的なお弁当が大人気。「毎日のことだからこそ気負わない、おかずは3品あれば立派」をモットーにした楽しくて楽チンなお弁当ライフを発信している。
    浅倉ユキ認定・ゆるベジ料理講師。二児の母。
    ●山根さんのブログ「ヒロタン&オトタンのお弁当」はこちらから>>

    お父さんも子供も大満足!おふくろの味「鶏のがぶり」入りたっぷりスタミナヘルシー弁当

    たっぷりスタミナヘルシー弁当完成写真
    お豆やチーズ、鶏肉が入ってボリューム満点ですが、実は野菜もたっぷりなので、メタボが気になるお父さんも安心のお弁当。 メインのおかずである「鶏のがぶり」は、山根さんがお母さまから引き継ぐ「おふくろの味」。
    誕生日やクリスマスのときは骨付き肉で作り、かぶりついて食べたことから「がぶり」という名前がついたとか。
    「簡単なのに豪華にみえるおかずなので、ホームパーティの時などにもおすすめ。タレは多めに作って青菜に和えたりご飯にかけたりしても美味しいですよ!」

    15分で出来る!材料&つくり方

    当日までの下ごしらえ
    ・蒸し野菜を準備。にんじん、大根、蓮根は厚さ5mmの輪切り、ブロッコリーは小房に分け、蒸し器に入れ7分間蒸す。ブロッコリーは茎に竹串が通るようになったら早めに取り出す。
    ・枝豆を茹でて皮をむく。(今回は冷凍枝豆を使用。山根家では前日のおかずからの取り分け!)
    ・「糸こんとピーマンのキンピラ」は、作り置きおかずとして前日の夜に作っておく。作り方はこちら▼
    ・炊飯器の予約タイマーをセットする時に、皮をむいたじゃがいも1〜2個をラップに包んでお米の上にのせ、ごはんと一緒に炊く。 ごはんと一緒に炊く
    ※分量は調理しやすい分量で記載しています。
    枝豆チーズご飯調理時間:約15分

    材料

    ご飯
    茶碗軽く2杯
    梅酢
    小さじ1
    むき枝豆
    30g
    チーズ
    30g
    1. ご飯を器にとり、梅酢を混ぜて冷ましておく。
    2. チーズを枝豆と同じくらいの大きさにカット。枝豆はレンジで温めるか、フライパンで軽く空焼きする。
    3. 冷めたご飯に2を混ぜる。 ごはんに2を混ぜる
    4. ワンポイントアドバイス梅酢はほんのり香る程度なので、お好みで量を調整して。
    鶏のがぶり 野菜添え調理時間:約15分

    材料

    鶏もも肉
    1枚
    塩・こしょう
    少々
    少々
    ●みりん
    大さじ3
    ●牛乳または豆乳
    大さじ3
    ●しょうゆ
    大さじ1
    (つけあわせ)蒸しブロッコリー
    適量
    (つけあわせ)じゃがいも
    1個(炊飯時に茹でたもの)
    1. 鶏もも肉の厚いところに切込みを入れ、塩・こしょうを振る。
    2. 油を熱したフライパンに1のとり肉を皮を下にして入れ、軽く焦げ目がつくまで焼く。その間にじゃがいもに塩こしょうを振り、スプーンなどで潰し、蒸しブロッコリーには塩を振っておく。
    3. 裏返して肉の部分も軽く焦げ目が付くまで焼く。 ごはんに2を混ぜる
    4. 余分な油を切り、●の調味料を上から順に入れる。蓋をして弱めの中火でふきこぼれないように気をつけながら加熱。竹串をさして透き通った汁が出るようになったら火を止める。 ごはんに2を混ぜる
    5. ワンポイントアドバイス余分な脂を捨てるのが冷めても美味しく仕上げるコツ。鶏もも肉は1枚250g前後。お弁当には約1/3程度(80g)を使用。唐揚げ用など小さくカットされた肉を使えば調理時間を短縮できます。
    蒸し野菜のこんがり焼き調理時間:約7分

    材料

    蒸し野菜(にんじん、蓮根、大根)
    適量
    しょうゆ
    少々
    こしょう
    少々
    1. にんじん、蓮根と大根を適当な大きさに切る。
    2. 薄く油を敷いたフライパンで焼く。両面に焼き目がついたら、しょうゆ少々を振りかけ軽く焦がし、すぐに皿に取り出す。
    3. 裏返して肉の部分も軽く焦げ目が付くまで焼く。
    4. こしょうで味を調える。 こしょうで味を調える
    5. ワンポイントアドバイス蒸し野菜はわずか7分でできるので、用意がなければ朝蒸してもOK。
    作り置きに便利!「糸こんとピーマンのきんぴら」の作り方

    材料

    糸こんにゃく
    150g
    ピーマン
    2個
    ごま油
    少々
    ●酒
    大2
    ●みりん
    大1
    ●しょうゆ
    大1
    ●味噌
    大1
    1. ごま油を入れた小鍋で糸こんにゃくをよく炒める。
    2. ピーマンを加えて軽く炒めてから●を入れ、煮汁が少なくなるまで弱めの中火で煮る。
    3. 味噌を加え残った煮汁で溶かすように混ぜてから火を止める。
    こんなアレンジも出来ちゃいます!
    蒸し野菜はアレンジ自在のおかずの素。オリーブオイルで焼いて塩をふれば洋風、ごま油で焼いておろし生姜と塩少々を加えれば中華風に! 焼かずに、「ゆかり」や「青海苔+塩」で和える、しょうゆ少々とたっぷりのすりごまをまぶしていただくのもおすすめです。

    最近体重が気になる方必見!簡単ヘルシーなベジおかず入りビューティーアップ弁当

    たっぷりスタミナヘルシー弁当完成写真
    さっと出来て美味しく、かつヘルシーなおかず入りの、目にも美味しい色鮮やかなヘルシー弁当。 雑穀入りご飯やひじき入りの酢の物など、歯ごたえのあるおかずをよく噛んで食べることで、シンプルでも満足感のあるお弁当になります。 メインの「サラダ風オムレツ」は、卵に、下味をつけた野菜と水分を加えてふんわり焼き上げるのがポイント。「卵の形を丸く整えてから野菜、ピザ用チーズをのせてピザ風に焼いてもおいしいですよ」

    15分で出来る!材料&つくり方

    当日までの下ごしらえ
    ・お米に雑穀ミックスを加えて炊飯器の予約タイマーをセット。
    ・蒸し野菜を準備。3cm角に切ったかぼちゃ1個とブロッコリー1房を3分間蒸す。
    竹串は通るが少し固めに仕上げるのがベター。
    保温調理器を使えば朝でも短時間でもっちりとしたお米が炊きあがりますよ。
    ※分量は調理しやすい分量で記載しています。
    サラダ風オムレツ調理時間:約15分

    材料

    ブロッコリー
    小房1個
    ★オリーブオイル
    少々
    ★塩
    少々
    ★酢(千鳥酢)
    少々
    1個
    ●牛乳または豆乳 (なければ水でも可)
    大さじ1
    ●塩
    ひとつまみ
    少々
    プチトマト
    2個
    1. 小房のブロッコリーを小さく裂き、★をまぶしておく。 ブロッコリーにまぶしておく
    2. 卵を溶き1.と●を加えて混ぜる。
    3. フライパンに油少々を熱して2を流しいれる。はしで軽く空気を入れるように切りながら卵を焼く。
    4. 卵にほぼ火がとおったら縦4つに切ったプチトマトを加え、さらに加熱し卵によく火を通す。 よく火を通す
    5. ワンポイントアドバイスブロッコリーは、卵と混ぜる前に下味をつけておくのが美味しくできるポイントです。
    かぼちゃとオクラの磯辺焼き調理時間:約10分

    材料

    蒸し野菜(かぼちゃ3cm・角オクラ)
    適量
    少々
    しょうゆ
    少々
    海苔(2cm幅に切ったもの)
    適量
    1. オクラはへたの固いところを包丁でむき、塩を入れた熱湯で2分間茹で、半分に切る。かぼちゃは3mmの薄切りにする。
    2. 薄く油を敷いたフライパンで1の表面を焼き、しょうゆをふりかけて軽く焦がしてすぐに取り出す。 しょうゆをふりかけて軽く焦がす
    3. 粗熱がとれたら海苔を巻き、とじ目を下にして置く。 海苔を巻く
    4. ワンポイントアドバイス焼野菜が冷めないうちに海苔を巻いて少し時間を置くと、とじ目も自然に落ち着きます。
    にんじんと長ひじきの酢の物調理時間:約10分

    材料

    にんじん
    30g
    酢(千鳥酢)
    小さじ1
    ◎長ひじきの甘辛煮(3ページ目にレシピ掲載)
    大さじ1
    1. にんじんを千切りにして(スライサーを使うと早い!)酢をまぶしておいて置く。
    2. 1を軽く絞り余分な水分を除き、◎を混ぜ合わせる。 混ぜ合わせる
    3. ワンポイントアドバイスこだわりのお酢(千鳥酢)を使えば三杯酢を作る必要なし!野菜の甘みが引き出されます。
    こんなアレンジも出来ちゃいます!
    「海苔」はおかずリメイクの味方! キンピラごぼう、青菜のおひたしなども「海苔巻き」にするとおしゃれで美味しいおかずに大変身。ハンバーグや焼肉などの「形が崩れちゃった」というときも「海苔巻き」作戦で復活させます!

    傷みにくくておいしい!夏のお弁当づくりTips

    夏のお弁当づくりで気をつけたいポイントは?食材選び、調理法から、忙しい朝の15分で完了するお弁当作りの時短テクまで、あれこれ伺いました。

    Point.1冷めても美味しい食材を使う
    夏は、冷房がきいた部屋や会社の冷蔵庫、幼稚園の保冷庫でお弁当を保管することも多いので、冷めてもおいしい食材を使うのが鉄則。 脂肪が固まるとおいしくない肉よりは魚、たまご、チーズ系、豆類のおかずがおすすめ。お肉を使うときには、余分な脂肪の少ない素材を選ぶか、調理の際に余分な油を取り除くとよいでしょう。生野菜も実は傷みやすいので、火を通した蒸し野菜を使うとよいでしょう。
    Point.2お弁当箱に酢を塗る
    おかずを詰める前に、防腐作用のある酢をお弁当箱に軽く塗っておくと傷みにくくなります。 キッチンペーパーなどに少量の酢をつけて、お弁当箱を拭くようにして全体に薄く塗りましょう。
    Point.3こだわりのお酢を常備
    防腐効果のあるお酢は、料理に合わせて米酢、梅酢を使い分けています。 長年愛用しているのが、京都府・村山醸酢の「千鳥酢」。そのまま飲める程まろやかで深みのある酸味が特徴で、これ1本でおいしい酢の物が完成するのでおすすめ。
    Point.4おかずは青じそで仕切る
    違う種類のおかずが接すると温度や水分の影響で色が変わったり変質の原因になります。アルミや紙、シリコンのカップで仕切ってもよいですが、夏は、防腐効果があり彩りもいい青じそを使うのがおすすめ。我が家では、プランターで青じそを育ててお弁当に使っています。簡単に育てられるし、長い期間収穫できるので多少の節約にもなるかも!?
    Point.5抗菌シートが便利♪
    お弁当用に、わさびやからしの香り成分や銀イオンの効果を利用した抗菌シートがあります。お弁当の上にのせるだけでOKのお手軽対策のひとつです。かわいい保冷剤もいろいろ出ていますので、活用するとよいでしょう。
    Point.6梅干しは散らして入れる
    ごはんは、一番はじめにお弁当箱に詰め、おかずを作っている間にしっかりと冷まします。抗菌効果のある梅干しは、その周辺しか効果を発揮しないので、ごはんの上に散らしてのせるようにしましょう。
    Point.7おかずは汁けを少なく
    おかずの水分が多いと、それだけで細菌が繁殖しやすくなります。我が家では、ごま、クラッシュピーナッツ、あられなどを瓶につめて常備しておき、和え物やトッピングに使いますが、特にナッツ類は汁けを吸ってくれるので、お弁当を盛りつける際に、下に敷くことも。味にコクも増すので重宝しています。

    忙しい朝に使える!山根さん流・お弁当の時短テクニック

    Point.1納豆や玉子豆腐のタレをストック
    納豆や玉子どうふのたれは使わずにストック。卵焼きや野菜のおかか和え、ごま和えを作るときの味付けに使っています。
    Point.2のりは切ってジッパー付き袋で保存
    のりは時間があるときに予め使う大きさにカットして、ジッパー付き袋に入れて保存しています。素早く開け閉めできるスライド式ジッパータイプを使うと便利です。
    Point.3蒸し野菜を常にストック
    毎週宅配で有機野菜を購入していて、野菜が届いたら、その日のうちにまとめて蒸し野菜を作っておきます。朝は、軽く焼いたり、和えたりして味付けするだけでOKなので、調理時間が短縮できます。
    Point.4ホームフリージングを活用
    肉や魚のおかずは、時間があるときにお弁当サイズにカットしたものを多めに作ってフリーザーバックなどで保存。パスタや焼きそばも、シリコンカップに入れて冷凍しておけば、朝、そのまま解凍してお弁当箱に入れられるので便利。肉や魚の味噌漬けなど調味済みの素材をフードーシーラーで真空パックにして冷凍保存しておくのも朝の調理時間短縮テクの1つ。
    Point.5すき間には黒いおかずを入れる
    お弁当を詰めていてすき間ができてしまったら、引き締めカラーでもある黒いおかずを入れます。 出番が多いのは、二番茶で煮るだけの「プルーンの番茶煮」、「甘くない黒豆」、「長ひじきの甘辛煮」など。 時間があるときに多めに煮ておくと便利。
    • プルーンの番茶煮
    • ・材料
      ドライプルーン
      1袋
      番茶(二番茶でOK)
      1〜2カップ
    • ・つくり方
      1. ドライプルーン1袋を鍋に入れ、番茶をひたひたまで注ぐ。
      2. 1を火にかけ、煮立たない程度の弱めの中火〜弱火で15分程度煮る。
      3. 好みの柔らかさになったら火を止め、熱いうちに清潔な容器に移す。
    • 長ひじきの甘辛煮
    • ・材料
      長ひじき
      20g
      ごま油
      大1
      ★酒
      大3〜4
      ★みりん
      大1
      ★しょうゆ
      大1.5
    • ・つくり方
      1. 長ひじきはざるなどに入れて水で洗い、水に15分ほどつけて戻してから水を切る。長ければ5センチ位に切る。
      2. 鍋にごま油を熱して1をよく炒める。★を順に加え、煮汁がなくなるまで弱めの中火で煮る。
    • 甘くない黒豆
    • ・材料
      乾燥黒豆
      1カップ
      5カップ
      重曹
      小さじ1
      てんさい糖(砂糖)
      40〜50g
    • ・つくり方
      1. 黒豆はざるなどに入れ、流水で優しく洗い(こすり合わせると皮がむけてしまうので注意)分量の水とともに調理鍋に入れて一晩置く。
      2. 調理鍋を強火にかけ、沸騰直前に重曹を加え(泡が出てあくが浮く)あくを取る。
      3. 調理鍋に蓋をして、ひと煮立ちさせてから保温容器に入れ、1日保温する。
      4. 調理鍋を取り出し砂糖を加え、再び火にかける。沸騰したら保温調理容器に入れて数時間保温したらできあがり。
    Point.6「寝坊しちゃった!」こんなときはどうする?
    「うっかり寝坊して、お弁当をつくる時間がない!」ときには、3つの具を入れた大きめのおにぎりをつくります。ボリュームがあるので、意外とこれ一個でお腹が満たされるんですよ。子どもは、「どんな具が出てくるかな」と楽しみながら食べているようです。
    山根さんからのメッセージ
    これからの梅雨から夏にかけて、食中毒が心配な季節到来ですが、食材選びや調理で気をつけたいポイントをしっかりと押さえて、お弁当ライフを楽しんでくださいね♪
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