皮膚の構造
皮膚は、「表皮」と「真皮」によって構成されています。表皮の厚さは0.2mm程しかありません。その内側の真皮の厚さは2mm程の厚みがあり、肌に張りや弾力を与えています。真皮の内側には皮下組織があり、表皮・真皮を支え、体温を維持する役割を持っています。
そして、私たちは表皮の一番外側にある「角層」の状態を見て、肌の美しさを判断します。角層は表皮の10分の1、つまり0.02mm程の厚さで外的刺激を緩和し、ウイルスや細菌、アレルゲンなどから体を守るバリアの役割を果たしています。また、体内の水分を調節する働きがあり、角層の水分量によって皮膚の潤いや滑らかさが決まります。
この角質のバリア機能を助けるのが、「皮脂膜」です。皮脂膜は皮脂と汗が混じりあった天然のクリームで、角層の水分の蒸発を防ぐ働きがあります。
ターンオーバーとは
皮膚の細胞は約28日周期で新しい細胞に生まれ変わっています。表皮の内側にある「基底層」で生まれた表皮細胞は、分裂しながら表皮の外側へ向かって移動し、約28日後に角質細胞となります。角質細胞はしばらくその場に留まり、やがて垢(あか)となってはがれ落ちます。この、細胞が生まれ変わるサイクルをターンオーバーといいます。
ターンオーバーは早くても遅くても肌トラブルの原因になります。例えば、紫外線によって皮膚に炎症を起こした場合、ターンオーバーのサイクルは短くなります。すると、まだ十分に成長していない細胞が表皮の外側に出てしまい、皮膚のバリア機能が低下します。 その結果、皮膚の乾燥、肌荒れなどにつながってしまいます。
一方、加齢によってターンオーバーのサイクルが長くなると、角質がなかなかはがれ落ちなくなります。すると古い細胞が溜まり角層が固く厚くなり、肌のくすみ、乾燥、シミなどにつながってしまいます。
正しいスキンケア
美しい肌を目指すには、正しいスキンケアが欠かせません。ここでは、知っておきたいスキンケアのポイント4つをご紹介します。
1.栄養と十分な睡眠
皮膚の健康にはビタミンが欠かせません。特に、ビタミンC・ビタミンEには抗酸化作用があり、肌の老化につながる活性酸素の発生を抑えます。なお、日常的に喫煙している人は体の中で活性酸素が増えています。美しい肌を目指すなら、喫煙は控えた方が良さそうです。
また、正しいターンオーバーには、睡眠が欠かせません。 ターンオーバーが最も活発になるのは、午後10時〜午前2時です。 この時間にメイクをしたまま肌に負担をかけていたり、食事や飲酒、喫煙をしていると ターンオーバー以外のことにエネルギーが使われてしまい、正しいターンオーバーが行われません。
午後10時に寝るのは難しい、という方はなるべくこの時間帯までにメイクを落とし、肌に水分を補給しておくことがおすすめです。
2.皮膚を清潔に保つ
皮膚は常に新陳代謝を続けているため、何もしなくても皮脂や汗、汚れなどがたまります。 また、メイクをしている場合は、ファンデーションなどに含まれる油性の汚れを落とすためにクレンジングが必要です。 美しい肌を目指すには、毎日皮膚の皮脂や汚れをやさしく洗い落とし、清潔な状態に保つことが大切です。 洗顔のポイントは、手でゴシゴシとこすり洗いをするのではなく、やさしく洗い流すことです。 また、髪の生え際やあご、耳などは石鹸・洗顔料が残りやすいため注意しましょう。
3.皮膚の乾燥を防ぐ
皮膚が潤っていると、若々しく健康的に見えるだけでなく、ウイルスや細菌から身を守る角層のバリア機能も正常に働きます。
皮膚を乾燥させないためには、入浴時に体を強くこすり洗いしない、洗浄力の強い石鹸を使わない、室内をエアコンなどで乾燥させすぎない、などの配慮が大切です。洗顔時には熱いお湯を使わず、水かぬるま湯で洗い流すこともおすすめです。
また、洗顔後や入浴後は、汚れとともに天然のクリームである皮脂膜も洗い流した状態になっています。そのため、乳液やクリームなどを皮膚に塗り、角層の水分蒸発を防ぐことが欠かせません。
4.紫外線から皮膚を守る
紫外線は、前述のとおり、ターンオーバーのサイクルを短くし、皮膚の老化を加速します。その結果、皮膚の乾燥、肌荒れなどの肌トラブルにつながるだけでなく、しみ・しわ、そばかすなど肌の見た目年齢を引き上げる原因にもなってしまいます。これを防ぐためには、たとえ短時間でもベランダに出る時には日焼け止めを塗る、なるべく外出は紫外線の多い午前10時〜午後2時頃を避ける、こまめに日焼け止めを塗り直す、帽子をかぶる、日傘を使うなど、日常生活で浴びる紫外線を減らすことが大切です。
※関連記事:春の紫外線から肌を守ろう!
文:株式会社オールスパイス・藤野尚美
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