片づけない夫診断
「片づけてよ」と、当たり前のことを言っているつもりなのに、動こうとしないばかりか、不機嫌になってふてくされることも。アプローチの仕方を間違えると、夫婦げんかになりかねません。まずは夫の傾向を知って適切な対応をしていきましょう。
ふだんの暮らしぶりを冷静に観察。癖や習慣を知って対策を練りたい
まずは下記のA、B、Cの設問を見て、夫に当てはまる項目がいくつあるか数えてください。
Aの設問
□ 服を脱いだままにする
□ 本や書類を積み上げている
□ トイレに新聞や雑誌を持ち込んでそのまま
□ ゴミでもすぐに捨てない
□ 左右違う靴下をはいても気づかない
Bの設問
□ 使ったあと元に戻さない
□ 出かける間際にアタフタする
□ 好きなものはちゃんと並べている
□ 同じようなものをいくつも持っている
□ 唐突にモノを捨て始める
Cの設問
□ いつでもマイペース
□ 「片づけて」と言うと機嫌が悪くなる
□ 学生時代のものを今も持っている
□ 鍵やカバンの置き場が決まっていない
□ 忘れ物が多い
Aが3つ以上当てはまった夫は「無頓着タイプ」
Bが3つ以上当てはまった夫は「気まぐれタイプ」
Cが3つ以上当てはまった夫は「あまのじゃくタイプ」
A、B、Cの複合タイプという場合もあります。その場合には、あの手この手で試してみてください。
A.「無頓着タイプ」には目先の変化と刷り込みで
「私が髪型を変えても気づかない」「部屋を片づけてキレイにしても反応がない」。それどころか、すぐに散らかしてしまうタイプです。そのため、「いつでも私ばかり!」という怒りをぶつけたくなることと思いますが、まずは気付いてもらうことから始めましょう。
テーブルにクロスを掛けてみたり、郵便物をトレイに載せて整理してみたり。いつもの食卓が気持ちよく使えるようになることや、見た目がスッキリすると気分が上がることを話題にします。目先を変えて、「スッキリ」「気持ちいい」といった言葉を繰り返すことで、その感覚を刷り込んでいきましょう。
とは言え、いきなり目覚めるということは期待できないので、小さな目標としては、脱いだ服を入れるバスケットを一緒に選んでもらうのもいい手です。「道具がいいと片づけやすいね」とさりげなくつぶやき続けてください。
参考にしたいこと
脱いだ靴を一時的に片づけておく道具を玄関に。「ここに置けるね」とヒトコト加えて
カタチから入ると片づけに意識が向くようになる。「ここに入れるモノある?」と聞いてみて
クローゼットではお揃いのハンガーに統一。「選びやすくなったね」と刷り込みを忘れずに
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B.「気まぐれタイプ」にはテーマとアイテムを決めて
気になることがあると、ネットや書籍でノウハウを研究するといったタイプ。いったんはまると徹底して追求する反面、飽きっぽいところもあります。「どこまでが本気なのかしら」「いつまで続くのかしら」と予測ができないこともあると思いますが、興味を示してもらえれば強い味方になるはずです。
ところが、片づけは自分の仕事ではないと思っているのが困りもの。ときには助言を求めてみてください。「私の片づけ方は間違っているかしら?」と、そのやり方を話題にすると、片づけ本を読んで調べてくれるかも。
あるいは「職場では3Sという標語があるらしいね」と言えば、整理術を検索してくれるはず。
ひと通りの知識を手に入れたところで、リモコンの定位置を決めることや鍵の一時置き場のことなど、現実的な問題の解決をしてもらいましょう。こちらが提案してみるのもいい手です。収納グッズを買ってくるとか、雑誌の掲載ページを見せるなどして意見を求めます。
その話題に乗ってくれば、あとは実践あるのみ。行動で示してもらいましょう。
参考にしたいこと
夫が集めているモノを片づける方法を調べてもらう。まずはコレクションからスタート
本棚を片づけるときにはテーマを決めてもらう。おもちゃや学用品など子供のアイテムにも着手
分類して片づける方法を研究してもらう。カトラリーや文具の整理にうってつけ
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C.「あまのじゃくタイプ」にはヘルプを頼んで巻き込みを
本当は片づけたいと思っているのに、人から指図をされることを嫌がる。どうしても素直になれないタイプなのですが、頼まれればちゃんと助けてくれるのです。だからといって、夫のテリトリーに踏み込んで片づけるのは避けましょう。
まずは、家族共通の持ち物やスペースからお願いします。
キッチンの吊戸棚に入っているモノを全部出してもらうとか、押し入れの天袋の中身を点検してもらうなど。手が届かない場所や重たいモノを動かしてもらうのが得策です。これなら嫌々なそぶりを見せながらも手伝ってくれるでしょう。
そして手を貸してもらえると嬉しいといった気持ちを、素直に伝えれば夫も内心では「役に立って良かった」と思うはず。一緒に片づけ作業ができれば、自然とやり方も分かってもらえます。そうなれば、やがて自分のテリトリーの乱雑ぶりにも目を向けてくれるでしょう。
参考にしたいこと
たとえば洗面所の収納ヘルプを依頼。「ここ片づけたいからお願い」と声掛けを
中にあるモノを全部取り出す作業を手伝ってもらう。「なくてもいいのはどれかな?」とつぶやいてみて
種類に分けてバケツやプラケースに入れたモノをしまってもらう。「助かる〜」と感謝を
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まとめ
「面倒くさい!」「ひとりで片づけたほうがラクだわ」と思うかもしれませんね。でも、これから先はラクができると思えば今が肝心なのです。大好きなスィーツをご褒美に、こっそりと悦に入る時間を励みに取り組んでみてくださいね。
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プロフィール
すはらひろこ (片づくおうちプランナー)
一級建築士、インテリアコーディネーター
株式会社アビタ・クエスト代表取締役
共働き経験をいかした収納術とおしゃれなインテリアで、雑誌のビフォアアフター企画でも活躍。 TV東京TVチャンピオン【お部屋リフォーム王】、TBS系「王様のブランチ」、NHK総合「あさイチ」ほかテレビ・ラジオ出演や講演、著書など多数。
総合情報サイト【オールアバウト】で収納ガイドを務め、連載記事は幅広い読者層に好評。
著書:『1分からはじめるかたづけ術』(だいわ文庫)
『朝、着る服に迷わないハッピー収納術』(大和書房)
ほか
