木や花々の織り成す 彩り豊かなガーデン

バラを中心に、樹木や宿根草など全体が調和するナチュラルな景観を目指したお庭です。美しい花たちが一斉に咲きそろう季節は輝きに満ちています。

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目次

北海道での庭作りです。自身が植物に囲まれる癒しの場所、バラ主体でもローズガーデンではなく、宿根草と木々が調和するイングリッシュガーデンのような自然な景観を目指しています。開口部から全体が見えますが、扉や植物で完全に奥までは見えない作りにして、「期待感」を持たせることを大切にしました。バラは、あまり大輪ではなく、他の植物とのバランスを見つつ出来るだけ自分好みの繊細な花弁を持つ品種を選びました。ナチュラルな雰囲気になるよう、なるべくアイアンは使わずに木製のポールや枝などをオベリスクやトレリス代わりにしています。小さい庭ながら木々の木漏れ日を感じられることと、楽な品種に走らず、好きな植物ばかりで景観を作り上げてきたところ、などが気に入っています。

ジューンベリーの咲く頃

GWに入るとジューンベリーの開花が始まります。我が家に春の訪れを告げる花木はジューンベリー、この開花がとても嬉しい。5月6月は輝きの季節、植物たちが光を一杯に受け止め自身が輝くように伸びていく。
ブルンネラ(ブルネラ)が綺麗に咲いている。背景に見える黄花カタクリはあまり球根を使わない我が家では珍しい球根植物。毎年この時期に開花してくれる春の癒しの一つ。

主庭は緑を増し、鋼製のアーチと枝のダブルアーチも緑に覆われてきました。グランドカバーも育ってきている様子。園芸は無限大と言って良い程多彩な組み合わせが出来るわけですが、個人の庭となると場所が限られてしまう。自分の好きな植物を集めて植えたいので奇抜な組み合わせやデザインにはなかなか出来ず、つい無難な組み合わせになってしまいがちです。今のところは好きな植物だけで景観を作れた事に満足しているけれど、場所さえ有ればいつか個性的な組み合わせも試してみたい。組み合わせ次第で楽しさも無限大です。

クレマチス・マクロペタラ フローラリアが今年は柱を覆って見事に咲く姿を拝むことが出来ました。まるで妖精が舞い降りてきているかのような美しさ。春の庭はそんな優しい雰囲気を持つ花が多いです。
滝のように咲く小花、この系統の小花達は春の風物詩。スズランは庭を作った当初からあるけれど、昨年木漏れ日の中で光を浴び美しく咲く姿に改めて目を奪われました。しかもとても良い香り。次の春もまた会えますように。

バラの開花

アッシュウェンズデーはちょっとグレイッシュな色合いがなんともたまらない。アーチに使って大正解でした。アッシュウェンズデーはモダンクライマーだが一季咲きという事も有って、オールドのようにステムが短くアーチを綺麗に巻いてくれる。まだ入れたばかりだが一応アーチを充分覆えるだけのシュートが出てくれた。株の充実という面では花数を見てもまだもう少しというところ。

庭の入り口のアーチに誘引しているのはウィリアム・モリスとファンタンラトゥール。この組み合わせ、合わないかと思いきやそんな事もなく、オールドとイングリッシュの優しい色合いの素晴らしさを感じます。ジャクリーヌはモリスの足元を覆っていて、ようやく綺麗な花が咲くように。庭の奥の壁面に誘引したレーヌデヴィオレットは赤紫っぽい色合いと青紫っぽい色合い、濃い紫とパステルとが混ざって色変わりの激しいバラという印象。ちなみに花の命は短め。

6月終わりから7月までの短い間はバラの開花が一番盛り上がる時。早咲きは終わってきているが中間咲きと遅咲きの開花が進み、庭全体が活力に満ち溢れるのです。一年の集大成がここに在ると言っても過言ではない程、美しさと勢いの有る大事な時期。すぐ横を見ると宿根草達も綺麗に咲いていて全員花期がバッチリ。まだこれからのバラも控えており、通路を挟んで左側の宿根草達も開花が進み景観に加わってきました。

マダムイサークプレールが満開。カメラで実際の色を再現するのがなかなか難しいけれど、赤紫っぽく開花後半にピンクがかるバラ。北海道では凍害の出るこのバラをちゃんと咲かせるのが最近の一つの目標になっていたので、この開花はとても満足行くものでした。
毎年僕の中でベストカップルだと思っているバラ・ファンタンラトウールと。
輝きの季節、喜びに満ちた庭にバイカウツギ(八重)と共に咲くグラハムトーマスの元気の出る一枚。

こちらは前庭で、パーゴラ左からアブラハムダービー、真ん中がジャスミーナ、そして一番右がヴァリエガタディボローニャ。アブラハムダービーの後ろにはパレードが植栽されています。アブラハムの開花がほぼ終わる頃にヴァリエガタディボローニャは7〜8分咲きになります。絞り咲きのボローニャは良く伸びるので何処にでも簡単に植栽できるような品種ではないけれど、樹勢が有り耐寒性も高いので寒冷地には特にオススメのバラ。大きく育てればボローニャのダマスク香に包まれることでしょう。

この庭でバラの開花期に花咲くクレマチスは3株。開花期にビッタリ合っているのは右手前のプリンスチャールズのみですが、左手に見えるミケリテはバラと一緒に咲いてくれる上、バラの開花が終わってからがいよいよ最盛期。そして、アルバラグジュリアンスは夏に開花して花が入れ替わりながら咲き続けていきます。バラが終わって寂しくなった庭を彩り続けてくれるこれらのクレマチスはとても頼もしい存在。

8月、庭ではちょこちょこと二番花が咲いて、夏の花が開花しています。ここ北海道では夏でもバラが伸び、8月9月は成長を見守る時期。二番花を咲かせていると秋の開花が越冬の準備までに間に合わなくなる品種も多いので、咲かせないバラも多くあります。ノリウツギのバニラフレーズも夏の間長い事楽しめる優秀な花木。

ジオルブライトンランブラーに花弁の縁に少しだけ濃いピンク色が入った花を発見。朝ピンク色で咲く姿を確認しても、数時間後には花弁は白くなり散り始めていた房もあり・・・なんと早いことか。夏バラの命は短いけれど、繊細な花弁の並びと色合いの美しいバラ。
南東の植え込みではソニアリキエルが美しく開花。春とはまた違う印象だがとても美しい。花経も充分で花弁数も多くとても優秀です。
平日なかなか時間が取れないので綺麗に咲いているバラを水に浮かべ、久々にじっくりとバラを眺めてみました。やはりバラは綺麗。

冬支度

秋明菊のシベは最初苦手でしたが、これが有っての秋明菊で、今では一番のチャームポイントだと思います。色が綺麗なタイワンホトトギスは特に強健で頼もしい。お気に入りのレンゲショウマも開花を続けています。小さなポット苗だった友禅菊はランナーを出すタイプで30〜40cm程度のちょっとした生垣のようになっています。とても愛らしい花。

10月、秋も深まりローズヒップが色付く頃。秋色の実が愛らしく和ませてくれます。葉むしりをしながら順次シュートを筍のように縄で絞っていく。冬囲いの必要ない地域の方には何のことか想像もつかないと思いますが、暴れたシュートを細く束ねて絞ることで雪圧から守り、更に強くする為に支柱で囲み、寒風から守るべくシートを巻く為にもコンパクトにしておくのです。半年も寒さが続く厳寒地が故に必要な作業なんです。
この地での園芸作業の始まりは、春に集約されているといえます。とにかく春から植物を充実させ、秋は植物達が無事に長い冬を越すことのみを考える。11月半ばを過ぎ、ようやく越冬準備を終わらせる事が出来ました。すべてはまだ見ぬ来年の開花のために。

プロフィール

つきいろさん

つきいろさん

■住まい:戸建て
■ガーデニング歴:子供の頃からの植物好き、庭を作り始めてからは9年ほど。
■お気に入りの植物:もちろんバラ、キンポウゲ科の宿根草、ゲラニウム、クレマチス言い出すとどきりがない
■ホームページ:カヲリノニワ

編集部より

数々の美しい花たちで彩られた、つきいろさんのお庭です。気候条件や広さなどふまえながらも、お気に入りの植物だけで構成し、バラはもちろん樹木や宿根草も含めて全体の調和を大切にされているとのこと。色の合わせ方もとても素敵です。北海道の長い冬を越えた芽吹きの季節、そして夢のような景色が広がる満開のシーズンには格別な気持ちになることでしょうね。冬支度は特にご苦労があると思いますが、つきいろさんが作り出す庭風景を、これからも楽しみにしています。

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