#14 ミニニンジンの葉を観葉植物に見立てて

高さのある鉢に植えたミニニンジンの葉は、生長するとシダ類の観葉植物のようにエレガントに鉢を覆います。あなたは真ん中に何を飾りますか?

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目次

    秋に始める寄せ植え

    #14 ミニニンジンの葉を観葉植物に見立てて

    木原先生の「おいしい寄せ植え講座」

    ミニニンジンの観葉植物風

    高さのある鉢に植えたミニニンジンの葉は、生長するとシダ類の観葉植物のようにエレガントに鉢を覆います。
    あなたは真ん中に何を飾りますか?

    組み合わせた植物

    • 木原先生の「おいしい寄せ植え講座」
    • 【植付けプラン】
      ※上から見た配置

      木原先生の「おいしい寄せ植え講座」
    • ミニニンジン タネ直播き → 間引きながら収穫
    • トウガラシ(八房) 1株

    このミニニンジンは生育日数70〜90日で、根の長さ約15cm、太さ1.5cm位になるミニサイズの人参です。ミニニンジンは丸ごと生で食べてもおいしい、おすすめの野菜です。 トウガラシの「八房」は実がまとまって房のようにつく辛味種です。香辛料はもとよりドライにしてキッチンリースやオーナメントに利用すると素敵です。

    プランター&鉢サイズの目安

    今回は、木樽風のプラスチック製プランターの大小(大:直径35×高さ25cm、小:直径15×高さ12cm)を使いました。
    鉢を2段重ねにする場合は同じ色・デザインでサイズ違いのものを選ぶと、一体感が生まれておしゃれです。

    ミニニンジンを使った寄せ植えのバリエーション

    トウガラシとのコンパクトな組み合わせと違って、丈の高いカラフルなハゲイトウを入れるとボリュームのある鉢に変身します。

    大きいプランターは上記のものと同じです。ミニニンジンのタネを直まきし、間引きながら収穫します。 その上に、ハゲイトウ(3種・3株)を植えた中サイズの鉢(直径20×高さ16.5cm)を重ねました。

    ミニニンジンを使った寄せ植え

    組み合わせのポイント

    • 大きな丸い鉢の縁に沿ってドーナツ状にミニニンジンのタネを播きます。 真ん中に空けたスペースに、同じデザインの小さい鉢に真っ赤に実ったトウガラシを1株植えたものを載せてアクセントに。
    • 木原先生の「おいしい寄せ植え講座」

      ミニニンジン

    • 木原先生の「おいしい寄せ植え講座」

      トウガラシ

    鑑賞のポイント

    • ニンジンは栽培期間が長いので、生長のプロセスと季節に合わせて中央にあしらう植物を入れ替えると、その都度異なる表情を楽しめます。
    • 鉢の縁から幾重にも下がったニンジンの葉は繊細で美しく、観葉植物に見立てることでアレンジの幅が広がり、玄関先にも堂々と飾れるでしょう。
    木原先生の「おいしい寄せ植え講座」

    育て方

    • ◆タネ播き時期:
      ミニニンジン・・・9月〜11月、3月〜4月
    • ◆収穫時期:
      ミニニンジン・・・12月〜7月
    • ニンジンのタネは土が乾いていると発芽しにくいので、播く前に土にたっぷり水分を与えておきます。また、ニンジンのタネは好光性なので、播いた後は土をごく薄く被せ、手でしっかり押さえておきます。
    • 間引きながら収穫しますが、葉も栄養価が高くおいしいので、シラスと炒めたり、胡麻和えやてんぷらにして利用しましょう。
    • 春に育て始める場合はサルビアのような立ち性の花との組み合わせがオススメ。野菜なら矮性のミニトマト(高さ50cm以内)がベストです。
    木原先生の「おいしい寄せ植え講座」

    ブルーサルビア

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    東洋ニンジンも忘れないで

    ショート・エッセイ

    店に並ぶニンジンはオレンジ色の短い西洋ニンジンが主流派で、芯まで濃い赤色の東洋種はほとんど見かけません。

    ニンジンの原産地はアフガニスタン周辺ですが、そこから東に伝わったものが東洋種となり、西に伝わったものが西洋種となりました。日本には江戸初期に中国から東洋種が渡来しましたが、江戸後期以降に西洋種が伝わると、東洋種の栽培は衰退してしまいました。

    現在、日本に残っている東洋種は京人参の「金時」だけ。それも関西を中心に栽培され、他の地域ではあまり出回らないようです。甘くてやわらかく、ニンジン臭さが弱い金時なら、子どものニンジン嫌いも少なくなるのにと残念でなりません。

    ◆「木原先生のおいしい寄せ植え講座」に掲載されている写真は、木原先生が自宅の庭で楽しんでいる寄せ植えを撮影したものです。

    ◆植え付けと収穫の時期は神奈川県横浜市が基準となっています。皆さんのお住まいの地域に合わせて調整してください。

    木原先生プロフィール

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    木原 ゆり子(きはら ゆりこ)
    京都生まれ。(財)木原生物学研究所勤務を経て、木原記念横浜生命科学振興財団理事。神奈川県在住。自宅の庭に来るリスや野鳥や虫を友に花と野菜を栽培しながら、動植物に関するエッセイを各誌に執筆。
    著書に「花もコンパニオンプランツも楽しむ〜オーガニック野菜の寄せ植え」(文化出版局)がある。
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